断頭台/疫病 (竹書房文庫 や 7-1)

著者 :
制作 : 日下 三蔵 
  • 竹書房
3.83
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本棚登録 : 90
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784801923324

作品紹介・あらすじ

SF、ミステリ、ホラーなど……そのいずれかでもありどれでもない。異形の輝きを放つ奇妙な味の傑作短篇シリーズ、刊行開始。

感想・レビュー・書評

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  • 異常心理ミステリ短編集。耽美で幻想的で、エキゾチックな雰囲気も漂う作品が多いです。ミステリではあるのだけれど、物語すべてが明確に解き明かされるわけではなく、そしてそれが魅力となっている部分もあるような。だけどこの雰囲気に登場人物として呑み込まれてしまうことを想像すると、それはあまりに恐ろしいです。向こうに行ったまま帰ってこられない気がする……!
    やはり「断頭台」がインパクト抜群。これ、「1793年」ではなく「一七九三年」でもなく「一千七百九十三年」なところが時代の重みを感じる気がしました。そしてこのラスト。いったいどうなっているのか、考えるほどにぐるぐるしてしまいます。
    「天使」も好きな作品。ある意味、この動機は理解できなくもないのですが。だからといってこんな真相だとは恐ろしいこと。いやしかし、これが真相と明記されているわけでもない、のですよね。そういう真相を真実なのではと考えてしまう心の方が恐ろしいのだろうか、などとも悩んでしまいました。

  • 3年前に買って少しずつ読んでおり、やっと読み終わった。
    「天使」が良い。
    黒人とのハーフの子供たちの存在や差別されていたことを知らなかったのだが、案外こういうお話によって当時の様子が分かったりする。
    巻末収録の森村誠一との対談の中の、推理小説のリアルとは何かというくだりが良い。

  • この著者の本は初めて読んだが、最初の「断頭台」から面白い。異常心理について書いているだけあって、読後の余韻がモヤモヤとした嫌な感じではあるが。インパクトのある表紙で素晴らしいし、本棚に並べた時の貴婦人の目線が怖い。

  • 断頭台の紹介文が気に入って手にとったが、想像の域を超えない作品だった。

  • 山村正夫は今まで読んだことがなく、「湯殿山麓呪い村」の映画を昔に観たことがあるぐらい。「異色短編傑作シリーズ」としてまとめられたこの本には、50年代から60年代の著者の比較的初期の作品から怪奇・幻想色の強いものが収められている。収録作の中では編者の日下三蔵のいう通り表題にもなっている「断頭台」が良い。「女雛」はちょっと江戸川乱歩っぽい趣向。「天使」はBLMが叫ばれている今の世なら炎上必須。「獅子」が古代ローマを舞台にしたミステリ色の強い作品でオチも良いし個人的には一番好きかな。

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著者プロフィール

1931年大阪府生まれ。1949年『二十密室の謎』でデビュー。77年、『わが懐旧的探偵作家論』で日本推理作家協会賞を受賞。日本推理作家協会理事長、日本文芸作家協会、日本ペンクラブ理事などを歴任。83年からはエンターテインメント小説作法教室で講義し、多くの作家を育成。怪奇幻想小説や謎解き小説、伝奇ミステリーを多数執筆し、おもな作品に『獅子』『ボウリング殺人事件』『推理文壇戦後史』などがある。99年没。

「2021年 『湯殿山麓呪い村』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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