アメリカ太平洋軍の研究 ― インド・太平洋の安全保障

著者 :
制作 : 土屋 大洋 
  • 千倉書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784805111420

作品紹介・あらすじ

▼朝鮮半島有事を語る識者は増えた。だがそうなったときの具体的軍事オペレーションについて正確な知識を持つ人は限られる。本書には、ほぼその全員が結集していると言って過言ではない。▼中国のプレゼンス増大に対抗するトランプ政権下で、米国のコミットメントは如何に維持されるのか。その鍵を握る決定的な組織の全容が初めて明らかになる。▼東アジアの地域秩序を論じる上で必読の書。

感想・レビュー・書評

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  • ‪わが国では米軍というと在日米軍ばかりがクローズアップされがちだが、わが国の安全保障により本質的に重大な関係があり、また影響を及ぼすのは、実は太平洋軍である。‬
    ‪その太平洋軍について、地域ごとの関連など、多様な観点から論じている。‬

  •  9つの章からなり、各章とも十数頁ほどで読みやすい。太平洋軍やハワイ自体の紹介に加え、国防総省、日中韓台それぞれとの関係に各章を割いている(もっとも、日本の章や統合作戦構想の章のように、太平洋軍というより米軍全体の記述の方が主な部分もあるが)。
     ある章では、筆者が賛成しているわけではないだろうが、米はアジアから手を引くべき又は台湾への援助を停止すべきとの論を紹介している。どこまで現実的かはともかく、日本の安全保障関係者にとっては嫌な話だろう。一方、別の章では国防総省と太平洋軍の関係者の多くが、日米韓「単一の三国間同盟」を望んでいるとあるが、これまたどこまで現実的か。
     国防総省の章では、時には太平洋軍との対立があることを認めつつも、「創造的な緊張関係」「建設的」と肯定的に捉えている。また韓国の章では、両国合参議長が指揮統制する米韓連合軍(フォース・ユーザー)に対して太平洋軍はフォース・プロバイダーに過ぎないという関係、在日米軍や国連軍を通じた日本との関係をも含め、まとまった形で理解できた。

  • インド洋からアジア太平洋までカバーする
    世界最大の統合作戦軍の実像に迫る。
    中国の海洋進出を受け、
    南シナ海、朝鮮半島、
    台湾海峡、沖縄を抱える
    アメリカのアジア戦略とは。

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著者プロフィール

土屋大洋(つちや・もとひろ)編者
 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授(兼総合政策学部教授)
 慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、慶應義塾大学大学院法学研究科で修士号、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科で博士号取得。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)主任研究員などを経て現職。2008年3月から1年間、米マサチューセッツ工科大学で客員研究員。2014年2月から1年間、米イースト・ウエスト・センターで客員研究員。2019年4月から日本経済新聞客員論説委員。2019年10月から2021年7月まで慶應義塾大学総合政策学部長。2021年8月から慶應義塾常任理事。第15回中曽根康弘賞優秀賞、第17回情報セキュリティ文化賞を受賞。主著に『サイバーセキュリティと国際政治』(千倉書房、2015年)、『暴露の世紀』(角川新書、2016年)、『サイバーグレートゲーム』(千倉書房、2020年)など。

「2022年 『ハックされる民主主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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