睡眠・食事・生活の基本 (赤ちゃん学で理解する乳児の発達と保育 第1巻)

制作 : 一般社団法人日本赤ちゃん学協会 
  • 中央法規出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784805854181

感想・レビュー・書評

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  • 保護者向けの育児本が月齢順のお世話という編集で、発達の全容がわかりづらかったので保育者向けのテキスト?を。
    赤ちゃんの発達過程や効果的な働きかけの要点がよくわかります。
    章立ての最初になっているとおり、生活のベースはとにかく睡眠……規則正しい早寝早起きの生活……(わが家の現状とほど遠い;;)

  • 日々の保育の中で感じていることにエビデンスが与えられ、自信が持てました。

    生後間もない子供は睡眠を司る脳の機能が未熟です。そのためいつどのようにしてどれだけ眠れば良いかを知りません。毎日の生活の中で子供に規則正しい睡眠の習慣を教え身に付けさせていく必要があります。
    2歳ごろまでに集団生活に必要な早寝早起きの生活リズムがほぼ完成します。2歳までに「自分で寝て自分で起きる」習慣を身につけさせよう。
    最近の睡眠研究によると子供が大量に眠るのは「脳機能を完成させ、その働きを維持するため」であることが判明しています。また胎児期から乳児期の睡眠には「脳を創造し育てその機能を守る働き」のあることがわかっている。また睡眠を司る体内時計の形成は1〜3ヶ月に始まって1歳半遅くとも2歳までにはほぼ完成することが判明している。
    幼い子供の睡眠はレム睡眠から始まるレム睡眠が多いので目覚めやすい。
    健康維持するホルモン体温睡眠と覚醒のリズムを乱さないためには規則正しい生活を送ることが大切。体内時計は生活リズムからの影響を受けやすい。また夜更かし型の生活習慣で簡単に崩れる。
    夜間20時間の睡眠が確保されている子供の昼寝はまぁ3歳を過ぎると次第になっていく。しかし夜の睡眠が8時間程度の子供の昼寝はなかなか減らず学校生活に問題が生じやすいことがわかっている。
    睡眠の理想の時間帯は夜間睡眠は夜7時から翌朝7時の間。昼寝は昼の12時から3時の間。
    眠りの質は就寝起床時間は毎日一定している。夜間はほとんど目をさまさず30分から1時間以上起き続けない。
    添い寝乳は子供の眠りを妨げる。6〜7ヶ月を過ぎても1〜2時間ごとに目を覚まして泣いておっぱい求める子供の場合、毎回授乳で対応すると子供は「夜は定期的に目をさまさなければならない」と勘違いして睡眠の断片化が習慣になってしまう。質の高い睡眠を保証する為に、夜間に関しては断乳を実施することが適切。

    味覚の発達が胎児期にすでに始まっている。同じ食べ物でも人によって感じ方は違う好き嫌いを判断する大切な材料。味覚は口の中にあるもの飲み込むかどうかを決める最後の砦と言われている。甘い味のする食物本来エネルギー源として体に必要な物質を含んでいる。そのため積極的に摂取したいと言う反応が起きる。塩味や旨味もそれぞれミネラル源と蛋白源として体に取り込みたい物質と結びついている。逆に野菜には苦味酸味などがあり生物として忌避する理にかなった反応と言える。
    はじめての食べ物を口にもせず嫌いと言うのは「新規性恐怖」と言って初めて出会うものを警戒し躊躇する反応。2〜6歳に顕著。繰り返し経験することで新しさが薄れていって少しずつ食べ物に慣れてくる。またどう感じるかは経験の積み重ねで変わっていく。
    食べることが学習です。乳歯が増えることで食べ物の特徴に対応した咀嚼ができるようになる。10ヶ月までに様々な食感を経験することがその後の食の発達とって大事だとする研究もある。1〜1歳半は牛乳かフォローアップミルク。
    食べることを好きにさせるには!一緒に口をもぐもぐさせる。何度(8回以上)も食べること。一緒に同じものを食べる。友達が好んで食べていると好き度が上がる。ヒーローが好きなら好きになる。食べないと分かっていてもめげずに気長に食卓に出す。
    少ししか食べない子供も、体に適した栄養量を自分でうまく調整して摂取する仕組みを備えているので体重が減ったりいつもと様子が違うなどの他は心配ない。

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著者プロフィール

小児科医
兵庫県立総合リハビリテーションセンター・リハビリテーション中央病院「子どもの睡眠と発達医療センター」長

「2011年 『子どもとねむり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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