改訂 起立性調節障害の子どもの正しい理解と対応

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  • 中央法規出版
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784805854754

感想・レビュー・書評

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  • 子どもの障害ついてよく分かった。

  • 当事者と接する時の注意点などは参考になった。

    食事指導などあればもっといいのではないだろうかと、個人的には感じた。

  • 中学1年の長男が起立性調節障害(OD)と診断されました。ODは思春期に多い自律神経の病気で、低血圧のため朝からなかなか起きれなかったり、午前中に体調不良を起こしたりするものです。心理的なストレスで悪化しやすい病気だそうです。

    今春、私立中に入学して不登校になり、9月に地元の公立に転校してもなかなか通えず、本人も親としても、しんどい日々が続きました。「思春期の不登校の要因にはODが多い」ということは知っていたのですが、朝起きれずに午前中ぐったりしている日が多い長男の様子から、「もしかしたら」と思い、小児科を受診。座った状態から立った状態での血圧、脈拍の変化を計測してもらい、その場でODと診断されました。

    すぐに購入した本が、この本です。著者は、日本小児心身医学会の公式サイトでもODについての説明文を書いているし、ほかにもODの本を出しているので、この分野の第一人者なのかもしれません。

    「起立性調節障害は身体の病気ですが、心のストレスによって悪化する」(60ページ)というのがポイントです。あくまで体の病気。だけど、ストレスによって状態が大きく左右される。なので、学校に行きたくないストレスとODが重なり合い、不登校になるという子は多いようです。

    学校を休んだら、家でしっかり勉強してほしい、と親は思ってしまいますが、そう簡単ではありません。もともと持っているストレスや、学校を休んでしまったことのモヤモヤ感など心理的な要因もあると思いますが、ODがある場合は、それだけではないようです。

    「勉強中は脳を使うので、脳血流を増加させて酸素や栄養分を補給します。(中略)起立性調節障害では体位変動による循環調節が悪く脳血流が低下しやすいので、当然、思考力・集中力が低下します。成績が悪くなったのは学習態度の問題ではなく、脳血流低下による脳機能の低下に原因があると思われます」(59ページ)

    治療法としては、水分と塩分を十分にとる、適度な運動、薬物治療などがあります。私の長男も、ODと診断されたその日に薬を出されました。水もしっかり飲ませています。本人も、治したい気持ちがあるのでしょう。薬は欠かさず飲むし、水も1日2リットルくらい飲んでいます。

    親としてどういう態度で臨めばいいのでしょうか。

    「もし保護者が『心の平静』を取り戻して、ゆっくりと見守ることができたならば、子どもも徐々に平静を取り戻し、体力が回復し始めます」(66ページ)

    「保護者として大切なことは、『起立性調節障害によって朝の体調不良があり、さらに精神的にも疲れ果てているのであれば、子どもにとって、登校するのは想像以上に大変なことなのだろう』と理解してあげることです」(127ページ)

    とはいえ、言うは易し、行うは難し。わが子が学校を休む日が多いと、親の不安も大きくなります。我が家の場合は、もともと次男も不登校のため、ダブルで休むと親の心労は大きいです。

    ただ、「適切な治療が行われた場合、軽症例では数か月以内で治ります」(130ページ)とのこと。長男の場合は、おそらくOD以外の別の要因で不登校が始まり、ODそのものは軽症のようなので、ODについては十分な水分・塩分の摂取や服薬など、できることをしっかりとやらせたいです。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:493.937||T
    資料ID :95170562

    小児看護学実習で出会うことの多い疾患「起立性調節障害」について詳しく書かれています。

    (小児看護学 鎌田佳奈美先生推薦)

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著者プロフィール

OD低血圧クリニック田中 院長

「2014年 『子どものこころの発達を知るシリーズ05 心身症の子どもたちストレスからくる「からだの病気」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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