相続のミカタ

著者 :
  • 中経出版
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本棚登録 : 27
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806145264

作品紹介・あらすじ

親の財産、自分の財産、どうすればいい?相続の基本から節税対策までわかる1冊。相続のツボがわかる6の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 税理士事務所を舞台にしたお話なので、それほどドロドロしたものはない。
    これが弁護士が活躍するものだったら、調停・審判のヘビーなものだったのだろうけれど。

    トラブルを抱えた身内が、まだ話し合いができるレベルのもので、それを敏腕税理士が解決する爽快な小説。
    公認会計士・税理士でもある著者が言いたいのは、節税が目的化してしまっては相続はうまくいきませんよ、というもの。
    これを当の税理士が言うのだから面白い。
    それほど現場で感じるところがあるのだろう。

    遺留分など、民法は執筆時から変更点もあるので、参考にする際は注意。
    無論、お話の面白さを損なうものではありません。

  • 相続のミカタ
    2012/10/30 著:青木 寿幸

    相続の現実は、「税金を1円でも安くすること」が目的ではない。一番の目的は「遺産分割のとき、家族でもめないために、今から何をすべきなのか、教えてほしい。」これが本当に知りたかったことである。

    本書は、税理士である著者の体験を踏まえた以下の6つのストーリーにより相続あれこれを紹介している。
    ①財産は、どこへ消えた
    ②7年間、相続が決着しないのは誰のせい
    ③その遺言書は開けないで
    ④節税と脱税のあいだ
    ⑤金持ち相続、貧乏相続
    ⑥相続税はゼロ。この相続は成功か?失敗か?

    本書では、基本的な相続にからむ法律等により具体的な計算等についても実務に基づき学びながら物語として楽しむことができる。登場人物としては税理士、元銀行勤務の新米税理士、そして相続に端を発して迷える相談人が物語を紡いでいる。

    良い相続もあれば悪い相続もある。本書であるように相続税を安くするためが目的ではなく、円満に相続できてなんぼである。

    相続にからむ法律は日々変化するがその変化に関係なく、相続におけるトラブルは発生し続け変わらない。

    万全の準備を経た相続はほぼないと思われる。その立場になって初めて見えてくることが多いと思われるものの、本書のように色々な事例を学べることは良い機会となった。

  • 現在持っているものに満足していない者は、持ちたいと思っているものを手に入れたとしても、同様に満足しないであろう エーリヒ アウエルバッハ

    われわれは好んで他人が完全であることを求めはするが、自分自身の欠点を正そうとはしない  トマス・ア・ケンピス


    頑固な人には、自ら招いた難儀が一番よい教師になるに決まっています ウィリアム・シェイクスピア

    小規模宅地の特例 被相続人と同居していた相続人が自宅の土地を相続して、そのまま住み続ける場合には、その土地の240m2まで20%で評価 自宅を売らなくても住み続けることができる

    基礎控除額 5000万+1000万x相続人の数
    配偶者の特例 妻が夫の相続財産をもらった時、法定相続分までは相続税がかからない

    路線価図 国税庁が毎年7月に発表

    遺産分割協議書 

    一年間で110万円以下 贈与税がかからない

    最初にやることが、相続税の対策でなく、相続の対策

    自分が行きている間に、誰がどの財産をもらい、その相続税はどうなっているかを計算し、かつ節税対策まで実行できる人は、それだけ家族に対する愛情が深い

    単純にあきらめろでなく、新しい投資をするために、あきらめる勇気をもつ

    親が子育てでする最終目標は一つ 子どもを自立させること

    銀行からお金を借りることは、時間を買うことになる

    感情にのまれてはいけない、冷静にならなければ、正しい判断ができなくなる

  • 節税のテクニック云々という本ではなく、物語を通して、本当の相続対策(税金を少なくするだけが目的ではない)の必要性を解り易く説明しています。個人的には面白いのですが、どの立場の人を読者対象とされているのかが解りません。201307

  • 書かれている内容自体特に真新しいものはなく、さっさと読めた。相続税の本にはこの手のものが本当に多い。しかし、本書はちょっと手にして読んでみたくなる構成ではある。駅から徒歩10分の土地と徒歩20分の土地では、その価値は4倍違うそうだ。円の面積は「半径×半径×π」だから、距離が2倍違うと半径を2回かけるので面積は4倍も違ってくる。そうだけ競合者が増えるのだ。だから駅近物件は価値が高いというわけだ。

  • 相続という非日常を身近に感じさせてくれる本

  • 相続税対策ではなく相続対策の必要性がよく理解できました。

  • ターゲーットは誰だ?

    「もめごとを長引かせてしまうと、かかった労力を取り戻したいと考えるので、お互いに譲れなくなってしまいます。短い期間で決着することが、相手の譲歩を引き出す最大の秘訣です。」

    「内で喧嘩をして居るからわからないのだ。一つ、外から見て御覧ナ。直にわかってしまふよ。」勝海舟

    「遺言書はそのまま読むのではなく、相続人が被相続人の意志を酌んで、それを実現させることが大切だってことなんですね。」

    「未成年者が贈与される場合には、親は法定代理人として、贈与契約書に署名押印しなくてはいけません」

    「児孫の為に美田を買わず。」西郷隆盛

    「遺産分割のとき、家族でもめないために、今から何をすべきなのか、教えてほしい。」実は、これこそ、私の会計事務所に来られた方が本当に知りたいことだったのです。

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著者プロフィール

株式会社 日本中央研修会/日本中央税理士法人
代表取締役 公認会計士・税理士
上智大学経済学部在学中に、公認会計士二次試験に合格。卒業後、アーサー・アンダーセン会計事務所に入社。銀行や大手製造業に対して最新の管理会計を導入する。その後、モルガン・スタンレー証券会社、本郷会計事務所において相続税の節税対策の提案、個人の資産運用の助言、不動産ファンドの組成などを行う。
2002年に独立。株式会社 日本中央研修会と日本中央税理士法人を設立して代表となる。
現在は、セミナーの開催を主な活動としている。
特に下記の生命保険の営業マンの方、税理士の方向けのセミナーは会員制で毎月開催している。

「2019年 『その領収書は経費になる!個人事業主が節税で得する100の方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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