- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784806756965
作品紹介・あらすじ
都市にとって、花見の場とはどのような空間なのか。この現代都市論の主要テーマを、都市の開かれた祝祭空間、演劇空間として「花見」を再評価することを通じて解き解かす。
感想・レビュー・書評
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ふと思ったが、江戸時代の花見はどのようなものだったのか。ちょうどいい本があったので取り上げる。
花見は、江戸時代の都市で、庶民の娯楽として定着し、江戸時代の半ばをすぎると、全国の都市で花の名所が誕生した。
今と変わらず、江戸時代の人々も花見が楽しみだった。
「絵本江戸土産」には、花見をする人々が集う上野の様子が描かれている。
「江戸名所花暦」には、隅田川で花見を楽しむ人々の姿が描かれている。
花見の名所として今も親しまれている上野、飛鳥山、御殿山、墨田堤だが、都市の郊外で農村のはじまる地点として意識されていたことを物語っていると著者は述べている。
江戸に住む庶民にとって、江戸の市街地は町木戸と路地口で閉鎖的な居住空間に別れていて、濠と城郭と武家屋敷で何重にも囲われた入れ子型の構造だった。住民にとっては、気晴らしになったようだ。
今だど「レリゴー」の気分かな。
とは言っても、当時の花の名所に行くには、早朝からの1日かけての遠出だった。そのための準備は大ががりだった。弁当の準備をしたり、晴れ着をそろえて、念入りに化粧するなど。
てるてる坊主を作って翌日の晴天を祈る人々がいた。雨になったら「花の雨昨日の坊主罪に落ち」とビシビシ責められる。
今年も暗いニュースが続いている。コロナ禍、ウクライナ情勢、値上げなどあるが、花見をして目の保養をして充電したいなあ。心の潤いを補充しないと生きていけないから。詳細をみるコメント0件をすべて表示