- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784806916888
作品紹介・あらすじ
精神腫瘍科の専門医ががん患者とその家族のために「心の治療」をわかりやすく解説。
死の恐怖と向き合うがん患者の多くが苦しめられる心の悩みにやさしく寄り添い、心を立て直すことでより良い治療の効果が期待できます。
感想・レビュー・書評
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借りたもの。
女性のがん患者さんの、がん治療に伴う心のメンタルヘルスに目を向け、心の病が最適な治療を妨げてしまう事、そうならないために、どの様な心の病のケアがあるのか紹介したもの。
どの様な問題・傾向があるのか、対してどの様に対処するのかが紹介されている。
がん患者がたどる3つの心のプロセス
第1段階 衝撃と絶望の時期
第2段階 抑うつ、心身の異変に気づく時期
第3段階 「再適応」「立ち直り」の時期
この心のプロセスは、何度も繰り返し襲ってくる。しかし、「再適応」の時期に入り、病を受け入れ自身の運命と折り合いをつけると、がんとの共生を図ることができるようになる人が多くなるとの事。
がん患者の本当の痛みとは、鎮痛剤が効かない激しい痛みと、治療中に医師から言われた「治療法がない」という言葉。
…医師の症状に対する合理的・客観的な判断は事実であるが、人間、それだけで割り切ってはならないと改めて思う。日々、がん患者と向き合う医師は、それどころではないと思うけれど……
がん患者がなりやすい心の“三大疾患”は「抵抗障害」「うつ病」「せん妄」がある。
それらがどういった病なのか、症状や薬物療法、認知療法、環境の改善を紹介。
私が気になっていたのは、やはりがん患者への言葉がけ。
痛みや辛さで弱っているので、「大丈夫」と励ましたり「~すべき」という言葉よりも、その痛みや辛さを受け止める、寄り添う傾聴を推奨する。
心のケアとは…この本では、小手先の技術ではなく患者に対する真摯な行為との事。…当然か。
「生の希望」を絶やさないために。詳細をみるコメント0件をすべて表示