イチロー脳力: 頂点を極める考え方を学ぶ

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  • 東邦出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784809407666

作品紹介・あらすじ

ICHIROを読み解けば君の才能は自然と伸びる。トップの境地に達するための74の道標。

感想・レビュー・書評

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  • おもしろい。

  • イチローの思考・行動パターンを置き換えることで成功を掴むのが趣旨。
    逸話ありきのこじつけ感が多少感じられるが、イチロー好きとしてはモチベーションの上がる内容でした。結局はエピソードからの教訓を自分の事として感じられるかが大切だと思います。偉大な成果を上げる為に、細部をどう工夫するかのヒントがたくさん詰まった一冊。

    以下は要点メモです。

    ◉まえがき
    ・常に目標を設定して高いモチベーションを維持しながら、イチローは黙々と目前の仕事をこなす。
    ・イチローにとってプロの仕事とは、黙々と繰り返す単純作業である。
    ‥‥高いモチベーションを維持させて黙々とこなす。プロフェッショナルとしての仕事の軸を形成する単純作業は、自らの仕事では何になるかを見つけ、洗練させる。
    ・自分のスタイルに拘り、譲れない事を時には自己主張として押し通す。そこにしかプロのプライドは生まれてこない。

    第一章:目標に向かう力
    ①記録とは塗り替えられるためにある
    ・イチローの偉大な記録も、すべて毎日の積み重ねの上に成り立っている。
    ・偉大な記録とは長いキャリアを通じて積み上げた生涯記録でなければならない。
    ・毎日同じ努力を淡々と積み重ねていくことこそ、真の才能である。
    ②目標の存在がモチベーションを育てる
    ・イチローに才能があったから、偉大な記録を残したのではなく、イチローが偉大な記録を目標にしたから才能が開花されたのだ。
    ・人として生まれたからには、イチローのようにベストパフォーマンスを発揮して初めてなんとかクリアできる目標を設定しよう。
    ③成功した時こそ新たな挑戦をスタートさせる
    ・人間というのは、少しの成功で満足してしまい、その後の努力を怠ってしまう動物である。
    ・挫折感だけでなく、達成感も捨ててしまう。
    ‥‥成功したら2、3日リラックスして気持ちを入れ替えてからスタートさせる。
    ④本物のプロは行動で語る
    ・自分の力量を行動で示して確実に成果をあげていくのが、一流プロの共通項。
    ‥‥行動のパワーに比べて言葉のパワーはあまりにも弱い。
    ・覚悟のある人とは、回り道をしても必ず自分の目標に辿り着くという行動力のある人間の事
    ・評価されるのは結果のみ。故に続ける事に意味があり、持続さえすれば必ず結果は出る。
    つまり、やり続ける事そのものが才能なのである。
    @2008年シーズン前コメント
    「覚悟のない人の言葉や行動は響かないんです。特にプロと言われる世界では響かない。
    投げてくるボールも、何かを語ってきますよ。あれが野球選手の本当の会話なんです。」
    ⑤モチベーションが上がる目標を立てて努力を重ねよう
    ・目標を目指す前に、自らのミッションを心に刻む事。
    ☞イチローにとってのミッションは「毎シーズン200本安打」。
    ⑥ワクワクするような壮大な目標を立てよう
    ・イチローは自分のモチベーションを引き上げる目標を設定することに長けている。
    ・目標は達成出来なくても良い。簡単に達成出来る目標では水準が低過ぎるからである。
    最大の努力をしても辿り着く事が難しいくらいでこそ、目標。
    ⑦なりふり構わず自分を成長させることに意欲を注ごう
    ・他人の評価や噂話に惑わされてはいけない。大体、周囲は自分が考えているほど、自分のことは考えていないもの。
    ・成功するにはなりふり構わず自分を成長させることに意欲を注ぐしかない。
    ⑧何事も一歩ずつ着実に歩んでいこう
    ・イチローの姿勢は高望みしないこと。何事も飛躍から始まることはない事実がある。
    ・高望みする前にまず足元を固めよう。自分の能力を冷静に判断して、着実に伸ばすことに全力を尽くす事。
    ‥‥毎日の着実な努力は決して嘘をつかない。
    @毛虫の動きは驚くほど遅い。しかし一時間後には想像以上に前に進んでいる。
    ・物事が上手くいかない時に、諦めず、自分の能力を信じて一歩ずつ前進していく。それが成長していく過程である。
    @2004年シーズン通算安打記録を塗り替えた時に語った言葉
    「憧れを持ち過ぎて、可能性を潰してしまう人はたくさんいますが、自分の持っている能力を生かすことができれば、可能性は広がると思います。」
    ⑨一日単位で完全燃焼する
    ・人生はマラソンではなく、100mダッシュと休息の繰り返しである。
    ‥‥ペース配分など要らない。その日を目一杯走りきるのだ。
    ‥‥エネルギー補給のために、睡眠を取るように出来ている。

    第二章:日本人である事とWBC
    ①仕事は面白いものではなく、面白くするもの
    ・仕事中には、こんなことが実現出来たらいいな、というワクワクする夢を描き、それに向かって努力する。
    ②ときには本音を仕事にぶつけてみよう
    ・建前の行動には迫力が欠けてしまう。
    ・気迫は黙っていても周囲に伝わる
    ③不可能だと思われることをあえて口にする
    ・一流アスリートはプレッシャーをかかえこむ事により、パフォーマンスが高まる事実を知っている。
    ・人間が本気になれるのは、最高にプレッシャーがかかつわた時である。
    ④常に本番を想定して仕事に取り組もう
    ・イチローのヒット量産の陰には、おびただしい練習量が存在する。しかし練習は所詮練習であることを知っている。
    ・練習には常に本番を想定して取り組む。本番には練習の気持ちでリラックスする姿勢。
    ・練習を繰り返せばゆったりと本番に臨める。
    @2006年WBC代表の足並の乱れについてのコメント
    「練習には限界があります。本番のゲームでしか、縮まらないものがある。」
    ⑤「指し手型人間」を目指してスタイルを確立させよう
    ・過酷な競争社会で生き残りたいなら、リーダーの教えを忠実に受け入れるだけの「駒型人間」に成り下がってはならない。
    ・自分流の個性を磨いた先に、確立された「指し手型人間」がある。
    ・マニュアルからは個性は学べない。
    ⑥日頃から仕事を好きになる工夫をしよう
    ・趣味では自分の才能を育てる事に限界がある。過酷な競争社会に存在する仕事でしか磨けない領域がある。仕事を持っている事に感謝しなくてはいけない。
    ・この世に単に面白い仕事など存在しない。面白いように見えても、必ずつまらない要素がある。
    ・仕事の内容が面白いというだけでしか、没頭出来ない人は一流にはなれない。
    ⑦何事も「ひとつずつ」「丁寧に」「最後まで」
    ・イチローは安易な妥協で、中途半端になることを絶対に許さない。
    ・成功とは身近な習慣で支えられている。
    ⑧リスクを避けた消極性から脱しよう
    ・日本人は画一的な教育に慣れ過ぎている。しかし、一流のゲームでは、パターン化された局面などほぼ現れない。
    ・失敗した事を恥じるより、勝負を避けた事を恥じるべきである。

    第三章:プロであれば魅せる
    ①「カッコいい自分の姿」を仕事の中で意識しよう
    ・溌剌とするか、嫌々とするかは仕事を好きになれるかどうかで決まる。
    ・捉え方一つで仕事は面白くなる。ヒントは報酬者を満足させる強烈に意識することにある。
    ・どんな仕事をしていても一流のプロはカッコイイ。
    ②人が変わるなら僕は変わらない
    ・人と同じことをして横並びの意識で生きていくことは、確かに精神的には楽である。しかし、それではこの競争社会で頭角を現すことは出来ない。
    @2004年、自分の人生観について語った言葉
    「いつも人と違うことをしたい。人と同じ方向は見ない。人が変わるなら僕は変わらない。人が変わらないなら、僕は変わる。」
    ③限りなく成功に近い失敗を成功に変えていこう
    ・一流と並を隔てているのはほんこわずかな差異である。
    ・限りなく成功に近い失敗を成功に変える努力をすることこそ、一流の証なのである。
    ‥‥イチローは明らかな安打や凡打にはあまり関心を示さない。間一髪のアウトをいかに安打に結びつけるかという意識が常にある。
    ④ライバルの成長にエールを送ろう
    ・ライバルの最高のパフォーマンスを打ち破る戦略を思索し続け、果敢に行動を起こす。
    ⑤オールマイティのカリスマを目指そう
    ・情報は簡単に誰でも短期間に入手出来るが、技は膨大な時間を費やしてコツコツと積み重ねていくしかない。
    ・仕事に関連する知識やノウハウを詰め込むだけでなく、求められる技を究極まで高めていくこと。
    ・キャリアを積み重ねることの重要性をもっと自覚することが必要。
    ⑥一つだけ残してほかの才能は潔く捨てよう
    ・イチローの言葉
    「万人受けを目指して造られた車なんて、何の魅力もありません。」
    ・ひたすらに自分の強みを伸ばすことに注力する。
    ⑦学習をやめて個性を発揮することに全力を尽くそう
    ・学習することは個性を伸ばすことと対局にある。
    ・ときには学習をやめて、もっと個性を発揮することに意欲を注ごう。
    ⑧思い切って常識や固定観念を捨て去ろう
    ・創造性とは何も偉大な発明・発見をすることだけでなく、日常生活の中で、あえて常識を捨てて思索を張り巡らせることをいう。
    ・常識を外す行為そのものが想像力を生み出すのだ。
    ・日常生活の中から創造力が生まれる。
    ⑨限界を作っているのは自分自身である
    ・イチローの凄いところは、「到底出来ない」という周囲の雑音を押しのけて不可能に挑戦すること。
    ・マラソンでは心臓に限界がくる前に筋肉が悲鳴を上げるように出来ている。脳は大成功を収める前に、小さな成功のストッパーをかけてしまう。
    10.周囲の人たちを感動させるような仕事をしよう
    ・プライドとは、胸を張って堂々と自分の仕事を披露することをいう。
    ・名人芸を身につけるには、時間がかかる。才能は簡単には身に付かない。
    ・報酬者を満足させてこそ、プロ。
    @選手のプライドについて語った言葉
    「たとえば僕が監督なら、オールスターで「僕は打席に立つだけでいい」と言う選手がいたらクビにします。そりゃそうでしょう、オールスターですよ?それなりに選手だって選ばれたプライドがあるはずです。そのプライドもない選手なんて先が見えている。」

    第四章:執着力こそ一流の証
    ①自信では弱い。執念を心の中に育てていこう
    ・絶対その仕事は投げ出さず最後までやり抜くと自らに宣言する。それが執念そのものであり、一流の共通項である。
    ・執念無きところに気迫なんて宿らない。
    ・生身で困難な状況を体験することでしか執念は生まれてこない。
    ②仕事の中に自己主張を盛り込もう
    ・筋が一本通っている生き方は美しい。
    ・仕事のプライドとは自己主張がなければ生み出されないもの
    ・仕事にこだわりをもって、自己主張を貫き通したら悔いの無い人生を送ることが出来る。
    ③仕事における妥協を絶対許さない覚悟を持とう
    ・勝利の喜びが無安打の悔しさを超えることは絶対にない。
    ・趣味や遊びでは、リラックスして楽しめば良い。しかし、仕事においては妥協してはならない。
    ・他人の評価は大抵「基準は甘い」。従って自己採点は厳しくしなくては、妥協が蔓延り停滞が始まる。
    ④自分の得意分野では誰にも負けてはならない
    ・この世は一番の得意技でしか評価されない。
    ‥‥イチローは「野球」で評価されている。
    ・仕事の焦点を徹底して絞り込む。これこそ成功者の共通パターンなのである。
    ⑤「オンリーワン」より「ナンバーワン」を目指そう
    ・厳しい戦いを避けてなる「オンリーワン」には魅力は無い。
    ・厳しい競争社会で揉まれてはじめて、実力がつく。
    ・自ら厳しい試練に晒されることこそ才能を育てる近道なのである。
    ⑥諦めないことが一流の証
    ・諦めないことが執着を生む。
    ・負け続けることに執着力がなくなるようでは一人前のプロとは呼べない。
    ・勝つことにこだわる前に試合に出続けることにこだわろう。
    ⑦好奇心を持ちながら仕事にしがみつこう
    ・仕事を通して自分の限界に挑む。この姿勢が仕事を面白くする。
    ・人類を爆発的に進化させたのは、好奇心である。
    ・報酬の手段だけで仕事を好きになるには限界である。好きを心の中に育てるには好奇心しかない。
    ‥‥どういうバットの振り方がヒットに繋がるか?
    ⑧心の中に飽くなき探究心を育てていこう
    ・完璧だと思っていたものが、深く探究するうちにそれが完璧でなくなる。
    ・成功者とそうでない者の差は妥協の有無にある。
    ・完璧という状況はこの世にほぼ無いと考えるべきである。
    ⑨量を稼げば自動的に質も高まる
    ・持続力こそ人生を成功に導く大きな力となる。
    ・キャリアを通じてひたすら量を稼ぐ。そうすれば自動的に質が高まる。(量質転化)
    @2001年のシーズンの感想
    「とにかくコンスタントに仕事をするのは一番難しいこと。たまに爆発的に成績を残すのは誰でも可能ですが、続けることは誰にでも出来ることではありません。」
    10.完璧な自分をイメージしてそれに向かって邁進しよう
    ・創造性や執着力は完璧を目指す心から生まれる。
    ・イチローは完璧にヒットを打っても、それを完璧とは認めない。
    ・完璧を実現するのは、それ程意味は無い。完璧を目指してチャレンジすること、そのものが尊い。

    第五章:イチロー流セルフコントロール
    ①リーダーに頼らないで自ら決断する習慣を身につけよう
    ・メンバーがリーダーに頼り過ぎると自主性という大切な資質が忘れ去られる。
    ・間違った決断でも、そこに自主性があれば学ぶものがある。
    ②抜くテクニックをマスターしよう
    ・人生を上手に運びたかったら、適度に抜くテクニックが不可欠。
    ・本番で頑張り過ぎると結果を出せないことをイチローは知っている。
    ‥‥イチローは人目につかないところで頑張り、本番では驚くほどリラックスしている。これが成果をあげる特効薬である。
    ③事実をありのままに受け止めよう
    ・普段から調子の良し悪しにモチベーションが左右されないような心理状態を構築することが大切である。
    ・結果に過剰反応すると、プロセスの軸がブレてしまう。
    ・喜怒哀楽という感情の嵐が目の前のパフォーマンスを台無しにしてしまう。
    ・感情に左右されないのが最高の心理状態である。
    ④「頑張る」「一生懸命」という言葉を封印しよう
    ・一生懸命頑張ります・・は、やる前から言い訳を作っている事に他ならない。
    ・別に頑張らなくても、結果を出せばよいのだ。
    ・言葉を封じて、態度で示せば必ずそれは人に伝わる。
    @仕事の取組み方に触れて語った言葉
    「一生懸命やっています、はあくまでほかの人から言ってもらうことであって、自分から言うことではない。」
    ⑤自分に最大限の期待をしてベストを尽くそう
    ・自分が自分に期待せずして、誰が期待してくれるというのか
    ・期待する精神状態を心の中に育てるには、理屈抜きに日々ベストを尽くすこと。
    ・評価されていないと嘆くのは、自分に期待していない証。
    また評価されても、謙虚に努力を積み重ねる。
    ⑥自分を過小評価しないようにしよう
    ・頭角を表せない人の共通点は才能の欠如ではなく、自己イメージの描き方が下手だという事。
    ・自分の描いた夢以上には叶わない。
    ⑦自分が自身に一番厳しくなる
    ・その時わからなくても苦しい時の意味はあとでわかってくる。
    ・生きている事を実感できるのは、むしろうまくいっていない時である。
    @2008年シーズン前インタビュー
    「僕に厳しくする人ってだんだんいなくなってきている気がします。だから僕自身が僕に厳しくならなきゃいけないのは当然の事です。」
    ⑧自分がコントロール出来ることに全力を尽くそう
    ・自分が判断出来ることを最優先する。
    ・仕事においても自分のコントロール出来る要素に全力を尽くす。
    ⑨自分に何が足りないか探し続けよう
    ・一流の人間は自分に対して謙虚である。
    ・イチローは自分に対する評価基準が半端なく厳しいのである。
    ・どんなに上手くことが運んでも、足りない部分を探し努力し続けるというのが成功思考。
    10.徹底して「未来思考」を貫いて仕事に取り組もう
    ・夢を実現するのに願望では弱過ぎる。苦難になると簡単に挫折して、別の願望を抱く。その繰り返しに酔っているだけ。
    ・未来の自分を鮮明に描きながら、なりきる努力を積み重ねる
    @自分が大切にしていることについての言葉
    「常に先のことを予測する習慣を身につけるのは、大事だと思います。」
    11.快感と恐怖と紙一重という事実を理解しよう
    ・自分の潜在能力を発揮するためにあえてプレッシャーをかける。
    ・イチローにとって、終盤の200本安打への挑戦は快感であり恐怖でもある。この心理状態が本気にさせている。

    第六章:苦しい時こそチャンスと思え
    ①スランプの時は理想を目指さない
    ・修羅場をくぐった数と成功の度合いは正比例する。苦しい時は逃げるのではなく、浸かる事が肝要である。
    ・ピンチの状態をありのままに冷静に受け止める。
    ・苦しさからただ逃げる事を考えるか、その中から逞しさを身につけるかの違いはとてつもなく大きい。
    @スランプに直面した時の心構えについて
    「苦しい時に一番良い状態のことを思い出すと、理想的な状態と現実との大きなギャップを感じて余計苦しくなる。」
    ②失敗の中に飛躍のヒントが潜んでいる
    ・凡打に終わった言い訳を見つけることは進歩に何の貢献もしてくれない。
    ・良くない事実から原因を暴き出し、それを潰すことこそ、成長に不可欠な要因である。
    @2008年7月29日、日米3000本安打達成した時のコメント
    「日本で積み上げてきた安打だけでなく、凡打も僕の技術を磨いてくれた。」
    ③逆境の時にこそ私たちは成長できる
    ・イチローは上手くいかない時ほど、モチベーションを上げる才能を持っている。
    ・たとえうまくいかなくても、軽率に自分の信念を変えてはいけない。他人がどう評価しようと、そのことで自分の信念がブレてはいけない。
    ・逆境の時こそ、真正面から向き合って堂々とその困難と格闘する。この心構えが人間を磨く
    @2004年低迷したチーム事情についてのコメント
    「負けが続くとどうしても何か変化したいという気持ちが出てきます。でも長いシーズンを勝ち抜くためには、そこでガマンしなくちゃいけないんです。」
    ④凡打を重ねれば次にヒットが出る確率は高まる
    ・結果を出したければ、どんな状況でもモチベーションを高いレベルに維持すること。
    ・凡打が続けば、ヒットの確率が上がるという思考パターンが失敗が続くほどモチベーションが上がる仕掛けを作っている。
    ・どんな人間にも順境と逆境が交互に訪れる。
    ⑤安易な気持ちがその人間を堕落させる
    ・安易な妥協を徹底して封じ込め、単純ミスを絶対に許さない
    ・失敗したことに我慢がならない気持ちを育てながら、二度と同じ失敗をしないことを自分に誓うだけでなく、具体的に行動を起こして解決してしまう。これを進化という。
    ⑥こうすればプレッシャーを味方につけることが出来る
    ・仕事の関係者に注目されるには、仕事と格闘してオリジナリティをどんどんと発揮していかなければならない。そのためには独創性のあるやり方を次々に仕事に取り込んでいかなくてはならない。
    ・仕事場ではカッコ良く、美しく、堂々と自信に満ちたパフォーマンスを発揮する。これがヒットを量産させるのである
    @注目されることがプレッシャーになることはないか?という質問に答えて
    「注目されることが苦しいなんて思わない。だって、注目されないと終わってしまう。プレッシャーを取り除く方法?簡単です。ヒットを打たなければいいんです。」
    ⑦失敗の数を増やすことに誇りを持とう
    ・大局観を持って仕事に取り組む。良い日に浮かれることはなく、悪い日にガッカリしない。
    ・大局観を持って常に最高の心理状態で仕事にのめり込めるのが、成功者の共通点。
    ・実力は成功の数ではなく、失敗の数で決まる。
    ⑧ハンディをバネにして飛躍しよう
    ・ハンディこそ進化を実現させる起爆剤となる。
    ・才能に恵まれた人間はかえって大成しない。
    ⑨失敗する度に進歩していると考えよう
    ・成功の大きさは失敗の数と比例する。
    ‥‥イチローは失敗を誰よりもたくさん経験したから大きな成功を獲得したのである。
    ・闇雲な失敗は時間の浪費である。改良された失敗、より良い失敗にしていかなければならない。
    10.プレッシャーの捉え方を変えてみよう
    ・プレッシャーを悪者にするか、味方につけるか。その違いはあまりにも大きい。

    第七章:研げよ感性
    ①思考を止めてときには本能に従ってみよう
    ・大切なのはしなやかさである。精神的なしなやかさは反射神経であり、身体のしなやかさは身体の柔らかさに起因する。
    ・パターンから外れた場面でもイチローは感性に頼ってそのパターンに適したベストな対応をする事ができる。
    ②あなたの内部感覚に敏感になろう
    ・脳ではなく身体で感じるレベルまで高める
    ③極めれば極めるほど難しくなる
    ・何にせよその道を極めれば新たにその難しさを発見出来る。
    すぐに会得できるようなものは、たいしたものである。
    @打撃論について語った言葉
    「ヒットを打つ事は、打てば打つほど、難しくなるんです。」
    ④本番を想定した練習を積み重ねよう
    ・本番を経験しなければ学べないことが圧倒的に多いから、イチローは常に本番を想定して練習する。
    ・準備周到な練習を積み重ねれば、本番で勝てるというのがそもそも間違っている。本番でうまくいかなかったことの反省を練習で克服する。この心構えの違いは余りにも大きい。
    ⑤自分が気持ちよくプレーできることが大切
    ・プロは結果が全てだが、結果に過剰反応するとロクなことはない。
    ・良い結果に浮かれているだけの人間は以降の努力わや怠り、必ず凋落している。
    ・うまくいった時にその達成感を味わうのは、その日だけでいい。
    ・自分を納得させることが出来るのは結果という「ただの数字」ではなく、プロセスという具体的な行動である。
    ⑥「成功者」とは過去の人間を表現する言葉
    ・自分が成功したと考えた時点で、その人間は引退したのと同じである。
    ⑦自分のことは自分で判断する習慣を身につけよう
    ・指示された行動では実力が身につかない。
    ・納得のいく生き方をしたかったら、とにかく自分で決断する習慣をつけよう。
    @1994年首位打者を獲得したあとの3年間の苦悩について
    「練習をやって、それが違うとわかるのと、教えてもらってわかったような気になるのでは、全く意味が違う。それが自分でやって得たものであれば、その後どれだけでも可能性が広がる。でも、頭で理解しただけ、先生に教わっただけのものであれば、そこに深みは出てこない。」
    ⑧成功の感覚を脳に刻みこんで余韻に浸ろう
    ・イチローはヒットの感覚をことさら大切にする。内部感覚を記憶させる。
    ⑨「常識」をかえるくらいの気概を持とう
    ・独創性は偉大な発見・発明だけではない。日常の中のちょっとした工夫からでも、独創性は発揮される。そのためには一貫して自分の感性を磨き続けなければならない。
    @仕事における生き甲斐について語った言葉
    「常識と言われることを少しでも変えてやろう、というのが僕の生き甲斐の一つにある」

    第八章:環境に気を配ろう
    ①感謝の気持ちを片時も絶やさないことを心掛けよう
    ・運命で得た幸運を大切にする。感謝の気持ちを絶やさない心掛けがその人間にすごいパワーを与えてくれる。
    ②周囲の人間に支えられているという自覚を持とう
    ・関与している人たちの愛情をもっと敏感に感じながら、彼らに報いるために目の前の仕事に全力投球する。この姿勢が仕事をやり易くする。
    ③他人を観察して、自分を客観視する目を養おう
    ・イチローの美学は自分をカッコ良く見せること。
    外見だけではなく、実績で示す
    ・周囲の人間のパフォーマンスに対する緻密な観察眼を持ち、研鑽を重ねながらカッコ良い自分を創り上げていく。
    ④周囲にも道具にさえも感謝の気持ちを持つ
    ・当たり前と思い込んでいることは、よく考えてみると当たり前ではないことが多い。
    ・モチベーションを上げる要素と感謝の心が一体化していることに気づくことが大切。
    ⑤個々が力を高めれば自動的にチームはまとまる
    ・チームワークは練習ではなく、ミッションの共有により自然に構築されるもの。
    ・チームがうまく機能しない時、大抵の場合問題は連携プレーではなくモチベーションの低下がその原因である。
    ⑥環境整備をすれば驚くほど事はスムーズに運ぶ
    ・環境整備こそパフォーマンスを発揮する決め手となる。
    ・イチローは整理整頓に驚くほど注意を払う。
    ⑦いま一番欲しいものを自分に問いかけよう
    ・一番欲しいものを手に入れるためには、それ以外の欲を全部捨て去る勇気を持つこと。
    ・何でも欲しい人は、何も手に入れる事が出来ない事が多い。

  • イチローの言葉を児玉光雄氏が分析し、前向きに進んでいける一冊。

  • マリナーズのイチロー外野手の言葉から様々なことを学ぶ本。著者の児玉氏は類似テーマの本が多く、私もそのいくつかを買って読んでいます。

    この本は74の言葉とその「学ぶこと」が載っています。イチローはご存知のとおりの素晴らしい成績を残しているトッププレーヤーですから、説得力があります。

    もちろんすべてが自分にも合うやり方というわけではないので、自分がなるほどと思う点は取り入れていけばよいと思います。

  • イチローの一言と、それの解説で構成された本。

    解説は、著者の児玉光雄さん視点っぽいので、
    イチローの意図と合致してるか微妙なのもあるが、
    ちょこちょこ参考になる。

    なにより、イチローの一言がとても参考になる。
    「成功」が嫌いな言葉なんだなぁ、イチロー。
    深いわぁ。

  • 印象に残った言葉を大量抜き出し。

    ■覚悟のない人の言葉や行動は響かないんです。特にプロといわれる世界では響かない。投げてくるボールも、何かを語ってきますよ。あれが野球選手の本当の会話なんです。

    ■今日のことは日付が変わった時点で終わり。この時点で過去のこと。

    ■仕事のために練習をしているわけじゃないんですよ。野球が好きだから練習しているんです。それだけです。

    ■僕は野球の動きが全部できないといけない選手なんです。それを全部やるつもりでいるし、実際には全部できます。

    ■一番になりたかったですね。僕は、ナンバーワンになりたい人ですから。オンリーワンのほうがいいなんて言っている甘い奴が大嫌い。僕は。この世界に生きているものとしてはね。競争の世界ですから。

    ■仕事だと思ってプレーしていたとすれば、ある程度の報酬を手にした時に「もういいか、これで」となるかもしれない。でも、これが自分の好きなことだと思えばもっともっと何かがあるんじゃないか、という気持ちになれる。

    ■「これでいい」と思ってたものが、「いい」と思えなくなってくる。それで、今度は「もっと、いい」ものを探し求めなくてはならない。この繰り返しなんですよね。でも、探し求めるということが面白い。これが、野球を続けられるモチベーションなんですよね。

    ■とにかくコンスタントに仕事をするのは一番難しいこと。たまに爆発的な成績を残すのは誰でも可能ですが、続けることは誰にでもできることではありません。

    ■精神的なレベルが高い選手は、ガッツポーズをしたり、叫んだり、悔しがったりして感情を表に出したりしないものです。

    ■一生懸命やっています、はあくまでほかの人から言ってもらうことであって、自分から言うことではない。

    ■おそらく誰よりも僕が期待している。

    ■いつまでもまだ上がある、こんなものじゃないぞ、と思っていたい。あいつはもうひと皮むけないと、と他人に言ってしまう人たちは、もう自分が完成した、と思っているからそんなことを口にする。僕はそんなふうにはなりたくないな、絶対に。

    ■僕に対して厳しくする人ってだんだんいなくなってきている気がします。だから僕自身が僕に厳しくしなきゃいけないのは当然のことです。

    ■見ている人が楽しむのは勝手ですが、相手が絡むことに関してコントロールすることは不可能。自分で管理することができないものを意識することはできないですね。

    ■苦しい時に一番良い状態のことを思い出すと、理想的な状態と現実との大きなギャップを感じて余計苦しくなる。

    ■日本で積み上げてきた安打だけでなく、凡打も僕の技術を磨いてくれた。

    ■大リーグでは、ほかの選手に比べたら僕は大きくない選手で、「身体は小さいのに」という表現を時々使われる。でも、身体を自由に動かしたり、操ったりという定義なら僕ほど恵まれている選手はいないと思います。

    ■表に見える狂いがあったり、どこかにズレを感じていたとしても、では、どこの感覚を取り戻せばそれが直るのかということに気付かないといけないんです。それが「内側の感覚」なんですね。

    ■自分がイメージしている球を打ち返すことなんか滅多に起こらない。実戦で本当に必要なことは、たとえば、変化球を待っていながらインサイドにきた真っ直ぐ高めをヒットにすることなんです。

    ■それ(練習)をやって、それが違うとわかるのと、教えてもらってわかったような気持ちになるのとでは、まったく意味が違うと思うんですね。それが自分でやって得たものであれば、そのあと、どれだけでも可能性は広がる。でも、頭で理解しただけ、先生に教わっただけのものであれば、そこに深みみたいなものは出てこないですよね。

    ■同じ200本のヒットでも、その中身はすべて違うと思っているし、同じものは当然ないわけですから、「作品」という意識を持ってもらったら、野球の見方ってずいぶん変わると思うんですね。

    ■気持ちよく野球をするためには、環境もすごく大事なんですね。選手って環境によって、とんでもなくやる気がみなぎったり、信じられない力を発揮できたりするものじゃないですか。

  • 3冊目

  • イチロー選手がこれまで受けてきたインタビューを分析、その発言の真意をスポーツ心理学から読み解く人気シリーズ最新刊

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著者プロフィール

1947年兵庫県生まれ。臨床スポーツ心理学者。追手門学院大学スポーツ研究センター特別顧問。前鹿屋体育大学教授。日本スポーツ心理学会会員京都大学工学部卒業。1971年住友電気工業に入社。研究開発本部に所属。学生時代テニスプレーヤーとして活躍し、全日本選手権にも出場。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院に学び工学修士号を取得。1982年に脱サラし、米国オリンピック委員会スポーツ科学部門本部の客員研究員としてオリンピック選手のデータ分析に従事。過去25年以上にわたり臨床スポーツ心理学者としてプロスポーツ選手のメンタルカウンセラーを務める。また、日本でも数少ないプロスポーツ選手・スポーツ指導者のコメント心理分析のエキスパートとして知られている。2013年3月鹿屋体育大学を定年退職。2010年より5年間「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)に準レギュラーとして出演。主な著書に、ベストセラーになった『イチロー思考 孤高を貫き、成功をつかむ77の工夫』(東邦出版)をはじめ、『大谷翔平 勇気をくれるメッセージ80』(三笠書房)、『ゴルファーの潜在能力を開花させるマインドセット革命』(実業之日本社)、『新庄剛志 楽しく夢をかなえる言葉』(清談社Publico)など250冊以上にのぼる。

「2024年 『岡田彰布 眠れる力を引き出す言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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