子どもたちに伝えたい―― 原発が許されない理由

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  • 東邦出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784809409806

感想・レビュー・書評

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  • 子どもにも読めるように、総ルビです。
    でも内容は、子どもには、というよりは
    文系おばさんにはちょいととっつきにくい。

    でも今年の原発事故で、
    「理科系の話は苦手なのよね~」ではすまない時代になっちゃったので、
    そうもいってられません。
    これくらいかみ砕いて説明されている本は、
    他にはあまりないと思うので、少しずつ読みすすめました。

    わたしにも読めました!
    (高校時代に物理も数学もギリギリの低空飛行のわたしですが、
     大丈夫でした!(^^)v)

    でも、読めたら、いっそ現実がとってもこわくなりました。(-_-;)

    こわくなるけど、でも知らないのはもっと恐いから、
    大人はぜひ読んでね!

    で、総ルビだから、小学生だって読もうと思えば読める。
    わからなかったら親と一緒に読めばいいんだし。
    小学校高学年から上だったら、親より意識の高い子どももいるよね。
    なにしろ、放射線の影響は大人より子どもに大きいんだし。

    ・・・というわけで、学校図書館にはぜひ入れてください!
    大人は自分で買うだけじゃなく、地域の図書館にリクエストしてください!


    著者の小出先生は、京都大学の原子炉実験所の「助教」です。

    先生のお年だと、とっくに「教授」になってそうなんだけど、
    「反原発」の立場だから、それでずっと「助教」なんじゃないですか?
    って聞いたら、

    そんなことはない、
    ここは誰にも命令されないし誰にも命令しない快適なポストだ、っておっしゃってました。
                (「SIGHT」2011年秋号)

    児玉先生は東大の先生だったけど、
    西の京大も、さすが、すごい!

    「反原発」と堂々と言っている小出先生を追い出さずに、
    37年間(「助手→助教」としてだけど)大学の一員としてきた、というのは、
    すごいなー、と思う。

  • わかりやすい、だからこそ、恐ろしい
    表紙の図に震えた…これを見てもまだ、「原発は必要だ」と言える人がいるのだろうか?

  • グラフや図が多く、万人に読みやすくできている原発入門書。誰かに話をする時にも役立つと思う。

  • 原発が許されない理由。京都大学の小出先生の本です。
    表紙は地震の巣と原発の立地点の世界地図。これを見ただけで、地震のある地域にこんなにたくさんの原発があるのは日本だけということがわかります。
    はじめに、この本を手に取った方が10代であれば、まず私は謝らなければならない、なぜなら原発をなくすことができなかったから・・という言葉が書かれていました。
    原子力の正体は、人間には決してコントロールできない恐ろしいもので、深刻な放射線被害の問題とその危険性をわかっているからこそ都市ではなく小さな村や過疎地に原発を建てる。
    エネルギー問題、放射性廃棄物の問題・・今回の福島の事故の状況もデータや地図を使ってわかりやすく説明されていて、うなづけます。大人も読んでおきたい本です。
    汚染された食べ物のの項には、学校給食の材料は厳選するように訴えていきましょう。の一言もありました。

  • 小出 裕章 (著)
    原発全廃を願う私が考えるこれらの理由より、
    もっと大事なことがあるのなら、
    それを示してもらいたい!


    反原発40年、
    京都大学原子炉実験所助教
    小出裕章最新刊!

    著者初となる全編オールカラー!
    豊富なデータと図解でわかりやすい!


    やさしい解説で10歳ぐらいからお読みいただけます。


    この本を手にとってくれたあなたが10代であれば、私はまず謝らなくてはいけません。
    私は、科学者として京都大学原子炉実験所で、原子力を研究しています。
    そして、どんなことがあっても原子力だけはやってはいけない、
    原子力発電所は、いますぐなくさなくてはいけないと思っている人間でもあります。(中略)
     私がいまできることは、子どもたちに嘘をつかないことです。
    「原子力は安全だ」「地球にやさしい」などというのはすべて嘘だった。
    原子力発電の本当のことを、これから生きていく子どもたちに伝えたくて、この本を書きました。
    ――「はじめに」より



    ◆第1章 原発の誕生と現実 ~恐ろしい“破壊兵器”~
     石油はあとどれくらい残っているのか
     エネルギー源は化石燃料だけで数百年もつ!?
     自然界には存在しない危険な物質プルトニウム
     高速増殖原子炉『もんじゅ』の非現実性
     1兆円の無駄使いの責任をだれもとらない国
     本当の目的は、原発ではなく核兵器の製造!?  ほか

    ◆第2章 それでも原発をやめない理由 ~大人たちの様々な思惑~
     原子力発電と火力発電の構造は同じ
     責任のない子どもたちをだれが守るのか?
     数百万年かけても消滅しない毒性
     放射性廃物を貧しい地方や国に押しつける
     なぜ原発は都市部には造れなかったのか?
     日本の原発は『地震の巣』の上に建っている
     電力量は水力・火力だけで足りる
     実は費用が高い原子力発電
     原発を建てれば建てるほど電力会社は儲かる ほか

    ◆第3章 人間の力では対応できない原発 ~事故の実際とその後の悲劇~
     公開されなかった被曝量の試算結果
     放射線管理区域に匹敵する汚染
     法律を無視して汚染地域を放置した政府
     避難生活か被曝か、どちらかしか選べない
     年間1ミリシーベルトの被曝の危険性とは?
     国に見捨てられた私たち日本人
     放射線量に「これ以下は安全」は、あり得ない
     国が決めた被曝量の上限など信じてはいけない ほか

    ◆第4章 いま、私たちがすべきこと ~安全な未来へ向けて~
     校庭の土を剥ぎとるだけでも被曝は防げる
     汚染された食べ物を大人が引きうけるルールを
     エネルギーの大量消費は産業革命から始まった
     いまこそ、人間の立ち位置を見つめなおそう ほか

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著者プロフィール

元京都大学原子炉実験所助教。工学修士。
第2次世界大戦が終わった4年後の1949(昭和24)年8月、東京の下町・台東区上野で生まれる。中学生のとき地質学に興味をもち、高校3年までの6年間、ひたすら山や野原で岩石採集に没頭する。68年、未来のエネルギーを担うと信じた原子力の平和利用を夢見て東北大学工学部原子核工学科に入学。しかし原子力について専門的に学べば学ぶほど、原子力発電に潜む破滅的危険性こそが人間にとっての脅威であることに気づき、70年に考え方を180度転換。それから40年以上にわたり、原発をなくすための研究と運動を続ける。2015年3月に京都大学を定年退職。現在は長野県松本市に暮らす。著書に『隠される原子力・核の真実─原子力の専門家が原発に反対するわけ』(2011年11月/創史社)、『原発のウソ』(2012年12月/扶桑社新書)、『100年後の人々へ』(2014年2月/集英社新書)ほか多数。

「2019年 『フクシマ事故と東京オリンピック【7ヵ国語対応】 The disaster in Fukushima and the 2020 Tokyo Olympics』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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