日本の助数詞に親しむ―数える言葉の奥深さ―

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  • 東邦出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784809414145

感想・レビュー・書評

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  • 助数詞を正確に話す人は凛とした人柄を想像してしまう。動物を全て匹で済ます人は教養が無いと思われてしまう。日本の助数詞は五百種類あると言われているが、全て知っている人は学者ぐらいだ。日常生活ではそれでも120種類ぐらいはある。茶碗に盛った飯を「一膳」くださいと言われると、美味しくて贅沢な食べ物を想像してしまう。そして、お味噌汁を「一椀」くださいで決まりだ。

  • 図書館の新刊コーナーで見つけた本。
    テーマごとにまとめてあり、コラムもあって面白いです。

    ウサギを「羽」と数える理由
    一周忌の次は三回忌になる理由
    箪笥って、バラエティー番組で「さお」で数えないとアウトだったはずなのに、現代の箪笥は「台」なんだ…
    とか、
    へぇ~と思ってメモしていたら、結構の量になってしまい、これは買って手元にあった方がよいかな?
    それともこの本をブクログで検索したときに一緒にヒットした同じ著者の『数え方の辞典』の方が
    手元に置くのにはよいのかな?と思ったりもする。
    まずは図書館で借りてみよう(^^;)


    φ(..)メモメモ

    P5 日本語の助数詞は約五百種類に及ぶ

    P25 神様の数え方 
    柱(はしら)。「木」と「主」 
    「主」は「そこにじっと立っている、支える」
    神様に準じて、神々しいもの、神様となった存在、すなわち亡くなった方、
    その御霊や英霊。位牌も「柱」で数える

    P28 動物 基本の数え方 
    「匹」、「頭」の使い分け、境界線は人間より大きいか小さいか
    バクテリア、菌などとても小さな生物は「個」。培養数は「株」
    (上野動物園での定義は、展示動物はどんなに小さくても「頭」、それらの餌が生き物だと「匹」)

    小さくても、特別なもの(高値で取引されるもの)は「頭」、お蚕さんも「頭」
    研究対象だと「個体」「生体」
    蛍は「蛍(けい)」

    鳥は飛べなくても、鳥類なら「羽」
    ウサギを「羽」で数える理由は諸説あるが、
    「獣を口にすることができない僧侶が、二本足で立つウサギを鳥類だとこじつけた」説
    「ウサギの耳が鳥の羽に見えるため」説
    「ウサギは鷺の一種であると捉えられていた」説

    P46 魚卵の数え方
    タラコの場合、スケソウダラが一度の産卵で産む分量の卵が「ひと腹」ですので、左右の卵巣が
    対になった量を指します。つまり、卵のまとまり二本で「ひと腹」なのです。一本だけの場合は「片腹」と言います

    ニシンの卵・カズノコを専門に扱う店では、片腹分の形が崩れていないカズノコを「一本羽」という名称で呼びます。
    …おめでたい席で供される高級食材のカズノコを”片腹しか変えない”のでは、気分が盛り上がらないため

    P117 畳、帖
    敷物としての畳は「枚」、部屋の大きさを表す目安は「畳」
    畳の大きさが、種類(日本間、団地間など)でまちまちである、「帖」は部屋の広さを統一的に表す単位。
    「1帖=1.62平方メートル」

    P140 神社は「社」。「土」 土地の神様を表す。「座」で数えることもある。
    鳥居は「基」。伏見稲荷大社は無数の鳥居が、樹木のように密集して立ち並んでいるため、例外的に「本」が用いられる。
    神様が宿っているものは「体」。おみくじ、絵馬

    お寺は建造物としては「軒」、仏教を広めるための寺院として数えるには「寺」
    お墓は「基」、卒塔婆は「本」
    家庭にある仏壇は「基」、販売店での商品は「台」
    位牌は「柱」か「基」
    一周忌の「周」は、親愛なる人がこの世を去って暦がようやく一巡(一周)したことを表す。
    三回忌等の「回」は、時間が経てばまた回帰してやって来るもの、次の法要もあることを表す。


    P162 箪笥の数え方 棹(さお)
    江戸時代の箪笥は上部に金具があり、引っ越しのとき、火事や地震のときに運ぶときに
    竹棹を通して二人で駕籠のようにして肩に担いで運んだ。
    現代の箪笥は大型化し、竹棹の出番もないので、家具として「台」と数えるようになっています。

  • 数え方って面白いです
    難しい点もありますが
    それだけで伝わる雰囲気あるんですね
    ふーんなるほど
    ってこと多かったです
    箪笥なんで棹って数えるのかなってことなど
    ≪ 一軒より 一邸の方が 金持ち風 ≫

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著者プロフィール

中央大学商学部教授

「2012年 『ネーミングがものを言う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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