FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場

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  • 東邦出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784809415609

感想・レビュー・書評

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  • スペインはカタルーニャの独立とか内政に不安もあるし、代表チームも無敵艦隊と言われながらも結果が出ない時期もあったけど、アスレティック・ビルバオがバスク人だけのクラブであるように、その土地の風土や歴史の流れの中にフットボールの文化が練りこまれている。
    圧倒的に佇むスタジアム、埋め尽くす熱狂的なサポーター。何もかもがすごすぎる。
    この後イニエスタやビジャが日本でプレーすることを、筆者も想像できなかったはずだ。

  •  スペインのサッカー事情に詳しい小宮良之さんによる、リーガの様々な地域や個人にスポットを当てたルポルタージュである。

     収録されているのうちのいくつかは別所で発表されたものであり、web Sportiva やNumber誌からの採録となっている。
     もちろん加筆修正なども行われているのだろうと思うが、ビジャにスポットを当てたChapter8などは、ラ・リーガ劇場というタイトルからすると、今を切り取っていない面で弱い一面は否めないだろう。その点はChapter5のロナウジーニョについても同様だ。
     一方で、ホアキン・サンチェスを特集したChapter7などはまさしくラ・リーガ劇場。今はベティスという中位に属するだろうクラブに居る彼にスポットを当てて、それを読む読者が日本に居る、ということ自体が劇場としての魅力の強さを物語っているだろう。
     
     内容的にはフィルムブック2、ルポ8ぐらいの割合だが、各地を実際に赴いて撮った写真などはラ・リーガという世界を知る上での一助となるだろう。また、アルナイスやアレニャのような未来のエル・クラック候補の写真を載せているというのも興味深い。
     Chapter4で取り上げた鈴木大輔選手とアルナイスの一対一の写真を載せているところなどもなかなか楽しい一面だ。

     ルポとして浅い部分で留まった内容もあり、現地に触れて深く描いた部分もあり、ちょっと総体としての評価は悩ましい。
     だが、リーガファンに限って言えば、読んで楽しめる部分がいくつもある一冊だろう。その意味で、星五つで評価している。

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著者プロフィール

1972年、横浜生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使してEURO、冬季五輪、GPファイナル、W杯を現地取材後、06年から日本に拠点を移す。アスリートと心を通わすインタビューに定評がある。人物ルポ中心に著書は20冊以上。『導かれし者』『ロスタイムに奇跡を』(角川文庫)『アンチ・ドロップアウト』シリーズ三部作(集英社)『エル・クラシコ』(河出書房)『おれは最後に笑う』(東邦出版)など。小説は『ラストシュート』(角川文庫)に続き、本作が二作目となる。

「2020年 『氷上のフェニックス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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