「深い学び」の科学: 精緻化・メタ認知・主体的な学び (クレイス叢書 1)
- 図書文化社 (2020年1月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784810097450
作品紹介・あらすじ
授業づくりのための学習科学の入門書。
いまや,授業づくりは心理学の用語や概念が溢れています。どのような学びが「精緻化」であり,どのような学び方が「メタ認知」的であるのか,実際の授業場面に目を向けながら丁寧に解き明かします。
若い教員はもちろん,最近の動向を踏まえて教育心理学を学び直したいと考える中堅・ベテラン教員にもぴったりの1冊。
感想・レビュー・書評
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特に「精緻化」についての入門として非常にわかりやすく、深い学びへの理解が豊かになった。日本での事例なので、多くの教師にとって具体例をイメージしやすい。
一方で、一つの項目に対しての具体例がたくさんあるわけではなく腹落ちしないところもある。本書の表に自分が出会った具体例を加えていくとよいのかなとも感じた。
精緻化によって言葉の意味を豊かにするということを知り、詩人の長田弘さんの言葉と結びつきました。
「本来、そのまわりにさまざまなものを集めるのが、言葉の本質です。風景を集める。感情を集める。時間を集める。ヴィジョンを集める。人を集める。記憶を集める。そういう言葉を自分のなかにどれだけもっているかが、胸のひろさ、心のゆたかさをつくる。」(『なつかしい時間』長田弘) -
教育心理学が専門の北尾倫彦さんが精緻化・メタ認知を体系的かつメカニズムを説明されたもの。具体例も多く取り上げている。教員を目指す方向けの内容だったが、独学に興味がある方も必要とされる内容が含まれていた。
教育関係の情報を見ていると、精緻化・メタ認知という単語が出てくるが、意味を理解しかねていたので、本著を通して理解できた。個人的に参考になったのは以下だった。
・精緻化→心理学における原語(エラボレーション)の意味は「苦心して仕上げること」であったが、日本語に訳した際の意味は「細かく綿密なこと」であった。
・メタ認知→記憶・読解において、心のメカニズムに意識的に気づく能力。学び方の知識が欠けているために意識的に気づけないことも含む。学び方の知識的側面と、それを意識して学びをコントロールする制御的側を併せたもの。 -
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「深い学び」関連でよく出てくる
言葉の学び直しとして読んでいる。
いかにざっくりと自分自身がそれらの言葉を捉えていたか
再認識できる。 -
内容が個人的には難しく、なかなか入ってこなかった。これから実際に教職についてから、再度読み直したい。
もちろん、分かるところも所々あり、そうしたところはよかった。