いのちに触れる: 生と性と死の授業

著者 :
  • 太郎次郎社エディタス
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本棚登録 : 19
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784811800516

作品紹介・あらすじ

ほかの生きもののいのちを食べなければ生きられない私たち人間。生きもののいのちを考えることは、私のいのちを、私が生きることを考えること。そして、人間とは何かを考えること。毎日新聞評……事実をまっすぐに見つめるその迫力に圧倒されてしまった。

感想・レビュー・書評

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  •  いのちを考えるとき、死をも考えないといけない。教育って、どうも、死から子どもたちを遠ざけたがっているけれど、死に対する関心というのは、小学生くらいが一番持っていると思う。
     鶏を殺して食べる授業を通して、食についての考えが変わっていき、それを丁寧に伸ばしていく鳥山先生の授業展開は素晴らしい。
     個人的には、原発の話がとても面白かった。本書のおかげで「原発ジプシー」と出会うことになったので。原発は電力会社だけの問題じゃない。電気を使う私たちにも深くかかわっている。
     教育に携わるひとだけではなく、さまざまな人に読んでほしい書。

  • からだについて素直に感じて考える人だと思う。
    演劇と教育、からだとまなびを結び付けて考えさせられた本。
    学校教師集団の中にいたら賛否両論だと思う。

    鶏を食うことを授業にするのは、その背景に物語性をもち語る必要があると今は感じる。日常的に行動に表すことができる物語性を。

  • いち早く「にわとりを殺して食べる」授業を実践された鳥山先生。子どもたちは、いつも当たり前に食べてきた「肉」の「死」を実感し言葉では簡単に言い表せない命の重みを感じていった。
    他にブタを一頭食べる授業、原子力発電所を考える授業など。多少強引さを感じたが、“生命への畏敬の念”を育てる今の教育にも必ず通じるところがあると思う。鳥山先生の教材研究を深く深く行い授業に望む姿勢も見習いたい!!20年も前の実践には思えません。

  • 小学生の時に読んで、命の事について大変考えさせられました。鶏肉や豚肉は生きていること、誰かが殺している事、自分も殺せるほど強くならなきゃいけないと言う事。考え方がこの本によって変わりました。
    出てきたものは食べる。虫だってなんだって偏見をもたずに食べる。そんな考えになりました。

    彼女の本に感動し、作者に小学生の時にファンレターを出したら、素敵なプレゼントと、小学生にもわかり易いお手紙が帰ってきて、今でも宝物です。

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著者プロフィール

1941年、広島県に生まれる。64年、東京都で小学校教師に。60年代の教育科学運動のなかで、地球・人間の歴史の授業や鉄づくり・米づくりの授業といった先駆的な仕事を生みだす。それらは『ひと』誌(太郎次郎社)に公表された。さらに、そうした実践を超えるために、70年代、竹内敏晴らの「『からだ』と『ことば』の会」に参加、「こんとんの会」で真木悠介と出会う。80年代をとおして、「奇跡的」といわれるいきいきとした授業内容を、子どもたちとの空間に次々と切り拓いてきた。その内容は著書および映画「鳥山先生と子どもたちの一ヶ月間 からだといのちと食べものと」(グループ現代、1985)などに記録されている。現在、『賢治の学校』代表。◎おもな著書『からだが変わる 授業がかわる』(晩成書房、1985)、『いのちに触れる 生と性と死の授業』『イメージをさぐる からだ・ことば・イメージの授業』(ともに太郎次郎社、1985)、『ブタまるごと一頭食べる』(フレーベル館、1987)、『写真集 先生はほほ〜っと宙に舞った 宮沢賢治の教え子たち』(塩原日出男・写真、自然食通信社、1992)など。

「2011年 『いのちに触れる【オンデマンド版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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