まず教育論から変えよう: 5つの論争にみる、教育語りの落とし穴

  • 太郎次郎社エディタス
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784811807812

作品紹介・あらすじ

世の中の多くの人が、教育に関心や意見をもっている現代の日本。
居酒屋談義から、ネット上でのTwitterやSNSにブログまで、
テレビをつければ、バラエティから、政治家による討論まで、
関心の高いトピックとして、だれもが評論家のように教育を語っている。

それはこの国の教育や学校にとって、はたして幸福なことだろうか?

議論をすればたちまちのうちの百花繚乱の意見が噴出。
それをなんとか整理して、対立する意見の折り合いをつけ、
調整しようとしても、結局は調停不能に陥ってしまう。
そして気がつくと、合意形成されることはないまま、
一つの教育政策や方針がただ押し通される──。

なぜそうなってしまうのか。
それは百家争鳴の教育論争に、「落とし穴」が潜んでいるからである──。

現在進行形の5つの論争を通して、
誰もが陥りうる「落とし穴」・"教育語り"の存在と、
"教育語り"がもたらす実際の教育への影響を明らかにし、
教育を語るための"教育語り"から、
教育を変えるための"教育論"へ転換するための方法を提示する。

感想・レビュー・書評

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  • 以前から、経済(単に景気ではなく)と教育については、世間の誰もが(芸能ネタをそうするように)ご高説をダラダラ垂れ流す(または、そうしてもよいのだという)風潮がありました――。 そんな私たちに「口ばっかり動かしてどうすんの?」と問いかけ、これまでの言説を整理する本。


    【版元】
    『まず教育論から変えよう ――5つの論争にみる、教育語りの落とし穴』
    著者  児美川孝一郎
    発行 2015年05月発行
    判型 四六判・並製
    頁数 272ページ
    価格 本体2000円+税
    ISBN ISBN978-4-8118-0781-2
    Cコード C0037

    世の中の多くの人が、教育に関心や意見をもっている現代の日本。居酒屋談義から、ネット上でのTwitterやSNSにブログまで、テレビをつければ、バラエティから、政治家による討論まで、関心の高いトピックとして、だれもが評論家のように教育を語っている。それはこの国の教育や学校にとって、はたして幸福なことだろうか?
    議論をすればたちまちのうちの百花繚乱の意見が噴出。それをなんとか整理して、対立する意見の折り合いをつけ、調整しようとしても、結局は調停不能に陥ってしまう。そして気がつくと、合意形成されることはないまま、一つの教育政策や方針がただ押し通される。
    なぜそうなってしまうのか。それは百家争鳴の教育論争に、「落とし穴」が潜んでいるからである──。

    現在進行形の5つの論争を通して、誰もが陥りうる「落とし穴」・”教育語り”の存在と、“教育語り”がもたらす実際の教育への影響を明らかにし、教育を語るための”教育語り”から、教育を変えるための”教育論”へ転換するための方法を提示する。
    http://www.tarojiro.co.jp/product/5322/


    【目次】
    序章 教育語り、この「神々の争い」
    1◎教育の語られ方、五つのパターン
    2◎この本で僕が書いてみたいこと

    第1章 腫れ物としての道徳教育
    1◎戦後の道徳教育の変遷――道徳の時間から『心のノート』まで
    2◎愛国心や徳目を国家が教えられるか
    3◎子どもの規範意識は低下しているのか――少年犯罪といじめ
    4◎第三のアクターとしての「大衆的気分」――よりましな道徳教育へ

    第2章 ゆとり教育か、学力向上か?
    1◎戦後の学力政策史をたどって
    2◎学力格差を是認した「新しい学力観」
    3◎子どもの「学力低下」の背景にあったもの
    4◎学力政策の振り子を超えて

    第3章 タブーとしてのエリート教育
    1◎リーダーを育てるのが「エリート教育」
    2◎エリートの劣化と、選抜システムへの危機
    3◎エリート養成を論じるために

    第4章 キャリア教育になにが期待できるか
    1◎学校にキャリア教育がやって来た
    2◎企業に尽くすための「適応型」キャリア教育
    3◎「夢追い型」キャリア教育の危うさ
    4◎自立した「大人」になるための教育

    第5章 だれのための大学改革なのか?
    1◎少子化で様変わりする大学
    2◎文科省の巧みな誘導とメディアの視線
    3◎変貌する大学――現場からの“言い分”
    4◎あらためて「なんのため」から「だれのため」へ

    終章 子どもを「理想」の犠牲者にしないために

    あとがき

  • 誰もが学校に通ったことがあるゆえに、「一億総教育評論家」社会といわれるほど、誰もが入りやすい「教育」に関する議論。しかし、それゆえに唯我独尊的な主張、個々の経験談に偏る論争などもあり、まさに何でもあり状態。
    そんなかで、本書は、「道徳教育」、「ゆとり教育」、「エリート教育」、「キャリア教育」、「大学改革」といった5つのテーマについて、わが国での歴史的変遷など紐解きながら、論説している。

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著者プロフィール

1963年生。法政大学キャリアデザイン学部教授。法政大学文学部教育学科専任講師、助教授、キャリアデザイン学部助教授を経て現職。専門は教育学。法政大学大学評価室長、日本教育学会理事、日本キャリアデザイン学会副会長。
著書に、『キャリア教育のウソ』(ちくまプリマー新書)、『「親活」の非ススメ──"親というキャリア"の危うさ』(徳間書店)、『若者はなぜ「就職」できなくなったのか──生き抜くために知っておくべきこと』(日本図書センター)など、編著に『これが論点!就職問題』(日本図書センター)、共著に『キャリアデザイン学への招待──研究と教育実践』(ナカニシヤ出版)など多数。

「2015年 『まず教育論から変えよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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