- Amazon.co.jp ・マンガ (145ページ)
- / ISBN・EAN: 9784812468739
感想・レビュー・書評
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作者は漫画家である。本書は29歳を目前にして上京した漫画家志望の青年の物語(自伝的マンガ)である。読んでいて大変面白い。東京デビューした時の初々しさが良く出ている。きっと大学生も気分的にはこんな感じなんでしょう。(私は生まれも育ちも信州人なので実感としてはわかりませんが)
しかし作者28歳にしては余りにも無計画です。他人事ながら本が出せるようになって本当に良かったと思います。作者の日記的四コママンガは結構好きなので今後も活躍して欲しいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
漫画家を志し上京した著者の回想エッセイ四コマ。
周囲を出し抜くことも他者と協調することも出来ないほどに気が弱く、優しく、駄目な男の姿が、「笑い」というよりも「小さなおかしみ」みたいなものを忍ばせて淡々と叙情的に描かれてゆく。一貫した自分自身を見つめるリアリスティックな視線が印象的。
尾崎放哉の自由律俳句のようなユーモア交じりの自虐的な物悲しさが胸に迫る。 -
最初は独り暮らしの中でひた走る奇行や中年に差し迫ろうかといういい年齢にもなる著者の独り言、1人遊びが痛々しく感じた(1人を楽しんでいるとも言える)が、その行動や自虐、何も築けていないおぼつかなさが親の死に目に立ち会ってから一変した意味合いを持ち始めて、哀愁ある切なさになって迫るものがあって私も色々と思うところある心境になった。しゃんとせなあかんな。
あと、普段「まったく人と会わない」わけではなくもちろん本屋やスーパーの人とは会うわけですが街ですれちがってもどこの店の人かすぐわかるほどものすごいハッキリおぼえている自分に気づくの一文は、マジこれと膝叩きまくり。あるある過ぎる。 -
面白く、また切なひ…
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都会暮らしの寂寥感、父との別れ、作者の新たな側面がみえた。
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アフタヌーンで4コマを見たとき、あまりの絵のクオリティと内容に、これで食っていけるのかと他人ごとながら心配してしまったのだが、なんか順調に仕事も増えて単行本も何冊も出て、世の中分からんもんだなーと思っている。
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ただの上京ギャグ話かと思って読んでみると段々話が違う方向へ…
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冒頭の話からは予想もしない展開。
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カラスヤサトシの上京物語。
きっかけは井上芳雄主演の映画。
すぐそばにあるような、日常が描かれていて、
力を抜きたいときなんかにふと読みたくなる。 -
上京してプロの漫画家としての自立を目指す男性のお話。階段の踊り場を歩き続けるような、フワフワした閉塞感が丁寧に描かれています。
初期の『カラスヤサトシ』の、ギャグだけにはならない部分を昇華させたアナザーストーリーみたいな作品としても楽しめます。