叶わない、恋をしている (SHYノベルス)

著者 :
  • 大洋図書
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本棚登録 : 230
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784813012276

感想・レビュー・書評

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  • 2014年読了

  • 凪良さんで身代わりもの。
    一体どんな切ないお話になるのかと思いきや……。
    何だか普通に読み終わってしまい、肩すかし感半端ないです。

    亡くなった恋人に顔がそっくりな受を、お金あげるから
    定期的に会うだけでいいと、半ば援助交際のような関係
    で繋がる攻と、両親をある日突然亡くし、3人の弟を
    養う為に大学を辞めて働く一家の大黒柱受が、うっかり
    過去を引き摺りまくるダメ男に恋しちゃった話です。

    叶わないと敵わないを掛けてるの?
    というような内容なんですが、そりゃ鬼籍に入っちゃった
    人には一生敵わないと思う……。
    そしてお話がかなり重い割に、受の優等生っぷりが発揮
    されているせいか、そんなに重苦しくないです。
    普通、のんきに大学生やってたのがいきなり親を亡くして、
    上は高校生から下は小学1年生までの弟達を抱えて生活、
    となると、こんなに甘くはないとか現実的なことを考えて
    しまうわけですが、この弟達がまた絵に描いたような
    良い子っぷりでして……。
    あまりに癒されるような良い子ぶりなので、余計に
    攻のダメダメさが際立ってました。
    一回りも下の受に、それも攻なんかよりもよっぽど大きく
    重たい荷物を背負ってる受に、乗っかかりまくり。
    依存しまくり、受の背景考えなさすぎ。
    そして受も弟達に甘えて自分勝手しすぎ……と、まぁ
    受の場合はその背負う荷物のあまりの大きさを考えると、
    逃げずによく頑張ってるなー、と思いはするものの、
    弟達があまりに健気ゆえに、何だか二人の恋愛に
    最後までのめり込めずに傍観者的に読んでいました。

    内容としてはとてもいいと思うのですが、身代わり物
    としてはちょっと物足りなかったです。
    最後のSSの弟達があまりに可愛らしく、そっちに悶える。
    上の弟の多貴のスピンオフに期待。

  • ほどよい重さの話だった。しかし神谷が駄目な上に世話の焼ける人だった。正直そっちより片岡家の家族愛に泣けた…w

  • 30代セレブ会社員神谷と21歳4人兄弟長男の志貴。
    最初は援助交際のような関係だった二人が、だんだん惹かれあっていく様子が丁寧に描かれていて、好きな作品でした。
    お互い惹かれあっているのに、過去の出来事や現状を考えて、離れようとするシーンでは読みながら泣いてしまいました。
    最後は、志貴の弟たちと神谷がいっしょに海に行くという話が微笑ましくてよかったです。
    2013.8.16再読

  • 好きだ!他の積ん読本も読まなきゃいけないのに、本の整理の度に3回も読んじまった。凪良ゆうはタイプとしては榎田尤利のロマンス系作品と同じなようだが、榎田作品よりは柔らかく痛くないので甘えたい時に読みたくなる。

  • 攻め:神谷直人
    受け:片岡志貴

    4兄弟の長男である志貴は父母が交通事故で亡くなったので親代わりで大学を辞めて就職した。
    収入が足りなくてバイトしていたクラブで出会った神谷と死んだ恋人の代わりに会う契約を交わし会っている。しかし、神谷のことを好きになってしまい…。



    うーん、切なかった。ホント“叶わない”恋してる。
    神谷の死んだ恋人・暁に似てるからこその逢瀬なのに、暁じゃなく自分を見て欲しいと思う。けれど神谷はほとんど志貴を見ないようにしているし。
    神谷には気楽な学生ということにしているから家の事情も内緒にしているし。

    でも神谷も別居中の妻と娘が居て、暁とのことも実は悔恨の為に忘れてはいけないと思っていて…。
    ただの身代わりじゃなくて実は複雑な別れと過去だったのが何とも。そんな状態の人間を少しずつでも変えようとするのは難しいと思う。志貴はそれを見守ったのがすごいかな。長男だからそういう待つ姿勢が出来てるにしても。

    巻末SSでは神谷視線の神谷の気持ちが語られ、神谷の過去や志貴家族に対する気持ちが分かって良かったかな。
    出来れば甘々な二人を読みたかった。


    水名瀬先生の絵が相変わらず美しくて良かったです。

  • 切なそうなタイトル買いしたのだけど、コロッケだと思って食べたら、カキフライだったくらいな裏切り感です。「会いたい・大好き」キュンキュン切ない系じゃなくて、人の生き死に人生の切ない系だった・・・。ちゃんとラブストーリーではあるけども。作家さんの軽快なタッチにごまかされてするするよんじゃったら、実は結構シリアスな話だったじゃん!!って感じ。
    そもそも『死んだ恋人の身代わり』ってどうなの?で、会ってる理由が死んだ恋人を忘れないためって?もう私ならその時点で心がポッキリ折れて立ち上がれません。こう・・・お互いに負い目のあるスタートの恋っていまいち釈然としないよね。構図としては、悪人じゃないけど、ヘタレで無意識に無神経なひどい攻Xあり得ないくらいがんばり屋さんで健気な受です。
    最後はちゃんとハッピーエンドになるんだけど、そのハッピーをもってしても余りあるシチュエーションの重さが気になる。。。

  • 身代わりという王道ものですが、それだけに終わっていないのが面白いストーリーです。3人の弟たちとの生活のために、大学を中退して身を粉にして働く志貴の前に現れた王子様。そんな理想のタイプの神谷に懇願されて援交めいた関係に。しかし、それは神谷の亡き恋人、暁の身代わりでHを伴わないつきあいなのです。身体的にはいたって清らか。でも、気持ちの面では双方嘘偽りだらけ、というアンバランスさがせつない。

    描き方によってはイタい感じになって号泣させられるテーマですが、これはハラハラさせるし泣かせるけど甘い成分が多めでした。
    意識して痛さを回避した?単にヤワな仕上がり?

    志貴は神谷のことを大人でカッコいいところを好ましく思っていて、どんどん好きになっていきます。神谷もそんな志貴に対して手も出さないし、あくまで優しい。でも、援交である以上二人には金銭が介在しているし、本心は決して明かさないうわべだけの関係なのです。生活に追われて疲れている志貴は夢を見るために、恋人に尽くしていなかったと後悔する神谷は償いのために相手に会おうとします。二人とも目の前の相手が見えてない。見てません。

    3人兄弟が志貴と神谷の仲をうまく引っかき回していて、絶妙でした。家族の絆や繋がりもこの話のポイントです。
    後半、真実が見えてからの展開はハラハラドキドキです。バレた時の決まりの悪さとかリアル。特に、見た目と違って身勝手で弱いダメ男だった神谷のギャップは絶妙。まあ、順風満帆のセレブな人生を送ってきた神谷の初めての挫折が暁だったんだろうけど。その神谷の後悔がハンパなく、自己中心な償いの方法が結局志貴を苦しめたこともわかっていない鈍チンだった。

    そんながっかりな神谷に、志貴は長男気質を発揮してなんとか立ち直させようと画策します。ばっさり拒絶された男にそこまでするかと、ちょっとキレイごと過ぎるかなーとも思ったけど、これがあるから他の身代わりものとは別物になっているんですよね。惚れたらとことんな志貴の頑張りにせつなくさせられます。強い受です。ポジティブ。

    理想化した関係と、地に足のついたリアルな関係という際立ったコントラストが印象的です。そこからまた前向きに愛を育てようとする二人に未来が見えるのもいい。
    Hシーンはそんな二人の関係なので前半は清らか。そして、せつなく甘い私的に好みの初Hから、ラブラブな絡みへと移行するところは、さすがの腕前です。

  • まー、ベタ展開。
    亡くなった過去の恋人の身代わりにデートする代わりにお金をもらう関係。でもいつしか志貴は神谷のことが好きになっていた。
    気づいたときにはもう遅くて・・・という展開。

    ナニゲに志貴がかなりしっかりモノのいい子だったな~というのがあり、逆に神谷が予想以上にイマイチだったな~とこれまた思う感じだったけど。でもそういうのがありつつも、ちゃんと「合ってる」二人って感じだったのでそういう点でよかったなーと思います。
    後半結構家族(兄弟)が絡んでくるとことかはちょっとベタ展開から離れてて良いかもね!

  • 身代わりもの…でしょうか

    お互いに、本来の自分を隠しながらのお付き合い
    上手くいく筈もなく、綻びが…

    結局は、本音を明かしてハッピーエンド

    攻め様が、ことのほかダメ男さんで、悲しかったです

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著者プロフィール

1973年生まれ、京都市在住。2007年、BLジャンルの初著書が刊行され、デビュー。17年『神さまのビオトープ』を刊行し、高い支持を得る。19年『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で「本屋大賞」を受賞する。同作は、22年に実写映画化された。20年『滅びの前のシャングリラ』で、2年連続「本屋大賞」ノミネート。22年『汝、星のごとく』で、第168回「直木賞」候補、「2022王様のブランチBOOK大賞」「キノベス!2023」第1位に選ばれ、話題を呼ぶ。翌年、同作の続編にあたる『星を編む』を刊行した。

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