70年分の夏を君に捧ぐ (スターツ出版文庫)

著者 :
  • スターツ出版
4.10
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本棚登録 : 611
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784813703594

作品紹介・あらすじ

2015年、夏。東京に住む高2の百合香は、真夜中に不思議な体験をする。0時ちょうどに見ず知らずの少女と謎の空間ですれ違ったのだ。そして、目覚めるとそこは1945年。百合香の心は、なぜか終戦直前の広島に住む少女・千寿の身体に入りこんでいた。一方、千寿の魂も現代日本に飛ばされ、70年後の世界に戸惑うばかり…。以来毎晩入れ替わるふたりに、やがて、運命の「あの日」が訪れる-。ラスト、時を超えた真実の愛と絆に、心揺さぶられ、涙が止まらない!

感想・レビュー・書評

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  • 原爆投下、終戦に合わせて読みました…
    汐見作品と被るところも少しあったけど、コレはこれで充分読み応えありました…
    戦争作品はどれを読んでも悲しいけど、その中でも必ず感じるのは『強さ』です、悲しいけど強い…弱いけど強い…そんな風に毎回感じます。
    何年か前に一度広島には行きましたが、この本を読んで再度広島に行きたい、もう一度見てみたい…
    そー思いました。

  • 令和の時代に生きる百合香と、戦時中の日本(広島)に生きる千寿がある日一日ごとに二人の魂が入れ替わることになり、
    やがて、広島原爆の日が近づいていることに気がついた二人(ちなみに当日は中身が入れ替わったままである)はどのような決断をするのか……

    といった話になるのですが、
    読んでいて、ページを進む手が止まりませんでした。

    原爆が投下されたあと、そして戦時中の千寿一家の描写がリアルに書かれていて、もっと今よりも過酷な状況にいたのだなと実感しました。


    ですが一つ気になるところがありました。(これは個人の意見です)
    憲法を守ろう!とか
    核は持つな!みたいなデモに参加するところで著者の思想に偏りが感じました。。。

    気にしないで読めたら星5になると思います。

  • 重いテーマを扱うのは大変だと思うけど、なかなか良い作品になっていると思う。
    良いけど長いので、読み終わるまでしばらくはどんよりすると思う。

  • この本は再読なのですが、いつ読んでも読者側の私から伝えたいことはたくさんあって、どう文章にまとめればいいのか考えてしまう。

    読み終わった後のそのままの気持ちを言うのなら、最初から最後まで無駄な感情や文はなく、感動する本ということ。それもただ感動するだけじゃなくて、色んなメッセージが込められているそのメッセージを確実に伝え、私達に学びをくれる、そんな1冊だと感じている本です。

    もっと伝えたいことや、もっとこうだったとこの1冊では語りきれないものがあるかもしれない。だけど、今私が生きてる時代に届けたいと思ったものを届けてくれたこの1冊が大好きですし、この本と巡り会えて良かったと感じています。

  • ゲイリー、千寿、百合香。

    原爆後の街の人々を想像して戦争の怖さを実感できた。スーパーに食材が並び、好きな本が読める現代の生活がいかに恵まれているか、日常に幸せを感じた。

  • 戦争の時代と平成の時代を二人の少女が一日ごとに入れ替わる。
    あっという間に小説の世界に引き込まれて、あっという間に読み終わってしまった。
    戦争の時代には戦争の時代の、現代には現代の、嫌ないじめっ子というモノも存在したわけで…
    最後まで一気に読んで、胸がぎゅーーーーってなる。
    最後、周りの人に声を掛けて周らなかったら、もう少し遠くまで逃げられたら、もしかしたら千寿さんや千寿さんのご両親、三千代さんはもっと生きられたのかな…?でもそしたら、百合香さんは…?
    ゲイリーは、70年千寿さんを待って、そして最期に再会できた。
    それだけでも本当に良かった。
    でも、あんな酷いことをされても、平成にいる友達を思いやって恋人を愛した百合香さんは凄い。
    私だったら、こんな奴等のいる現代にいるくらいなら千寿さんを助けて消えてしまうことを選んでるかも…。

  • 一日置きに変わる視点。
    ギリギリまで伝える事が出来なかったからこそ、完璧に未来を変える事は出来なかったのだろうな。
    彼の想いだけではなく、約束した言葉がトリガーになっていたのかもしれないな。

  • 大雑把に言えば、東京大空襲を扱ったタイムスリップ物の傑作『ふたつの胡桃』と同様の枠組みを基本としつつ、『君の名は。』の異文化交差のモチーフを被せたような内容。
    また、近年『この世界の片隅に』が広島の銃後を丹念に描いた映画として名高く、これらの作品群に文庫一冊で渡り合うのは、さすがに分が悪かったのは否めない。
    とはいえ、スターツ出版文庫には“細部の詰めが多少甘くとも、やりたいことを前面に出す”印象があって、二人の主人公が「その日」を迎えるにあたって“何を望むのか”について、生まれ育った時代性の違いをきっちり描き分けながら、同じ所に着地させた内面の掘り下げは読み応えがあったと思う。

  • 気になりすぎてガーッと読んでしまいました。
    最初はまた入れ替わりの話かぁ、と思っていたけれど、入れ替わりの相手とか、それによって起こるジレンマとかがすごく面白くてどんどんハマっていきました。そして、戦争のお話も、どっかの誰かの知らない話、ではなく過去の負の遺産として引き継いでいかなければならないと改めて感じました。
    物語も面白かったし、自分の生活を改めて見直そうと思いました。

  • 正直、高2の時から気になってた本でやっと読めた
    本当に感動したし、選択次第で平和な世界にも戦争のある世界にも繋がるという百合香(中身は千寿)部分が本当に印象に残った。ゲイリーさんと千寿の恋愛も本当に印象に残ったし、戦争中のひもじい暮らしがうまく文章で再現できていたのにも驚いた 本当に戦争がいけないことがわかったし、百合香の成長や、百合香の行動で辰雄が生き残れ、千寿の寿命が少し伸びたことも感動したし、千寿パパいい人すぎる…未来への希望を祈るラストも良かった 本当に全高校生読むべきだと思う 百合香最初の部分と最後で変わり過ぎだし、ラスト駆け足すぎるとも感じたが…

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著者プロフィール

東京都在住。2008年に書き上げられた代表作『天国までの49日間』は、その後2011年に第5回日本ケータイ小説大賞にて大賞を受賞し、作家デビューを果たす。現在、作家として小説やコラムを執筆し続ける一方で、開運アドバイザーとしても活躍。著書に『16歳の遺書』(実業之日本社文庫GROW)、『70年分の夏を君に捧ぐ』(スターツ出版文庫)、『線香花火のような恋だった』(集英社オレンジ文庫)など。生きることの尊さと儚さ、壮絶さを描いた作品が人気。

「2022年 『ひとりぼっちの殺人鬼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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