- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784813703594
作品紹介・あらすじ
2015年、夏。東京に住む高2の百合香は、真夜中に不思議な体験をする。0時ちょうどに見ず知らずの少女と謎の空間ですれ違ったのだ。そして、目覚めるとそこは1945年。百合香の心は、なぜか終戦直前の広島に住む少女・千寿の身体に入りこんでいた。一方、千寿の魂も現代日本に飛ばされ、70年後の世界に戸惑うばかり…。以来毎晩入れ替わるふたりに、やがて、運命の「あの日」が訪れる-。ラスト、時を超えた真実の愛と絆に、心揺さぶられ、涙が止まらない!
感想・レビュー・書評
-
原爆投下、終戦に合わせて読みました…
汐見作品と被るところも少しあったけど、コレはこれで充分読み応えありました…
戦争作品はどれを読んでも悲しいけど、その中でも必ず感じるのは『強さ』です、悲しいけど強い…弱いけど強い…そんな風に毎回感じます。
何年か前に一度広島には行きましたが、この本を読んで再度広島に行きたい、もう一度見てみたい…
そー思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
令和の時代に生きる百合香と、戦時中の日本(広島)に生きる千寿がある日一日ごとに二人の魂が入れ替わることになり、
やがて、広島原爆の日が近づいていることに気がついた二人(ちなみに当日は中身が入れ替わったままである)はどのような決断をするのか……
といった話になるのですが、
読んでいて、ページを進む手が止まりませんでした。
原爆が投下されたあと、そして戦時中の千寿一家の描写がリアルに書かれていて、もっと今よりも過酷な状況にいたのだなと実感しました。
ですが一つ気になるところがありました。(これは個人の意見です)
憲法を守ろう!とか
核は持つな!みたいなデモに参加するところで著者の思想に偏りが感じました。。。
気にしないで読めたら星5になると思います。 -
重いテーマを扱うのは大変だと思うけど、なかなか良い作品になっていると思う。
良いけど長いので、読み終わるまでしばらくはどんよりすると思う。 -
この本は再読なのですが、いつ読んでも読者側の私から伝えたいことはたくさんあって、どう文章にまとめればいいのか考えてしまう。
読み終わった後のそのままの気持ちを言うのなら、最初から最後まで無駄な感情や文はなく、感動する本ということ。それもただ感動するだけじゃなくて、色んなメッセージが込められているそのメッセージを確実に伝え、私達に学びをくれる、そんな1冊だと感じている本です。
もっと伝えたいことや、もっとこうだったとこの1冊では語りきれないものがあるかもしれない。だけど、今私が生きてる時代に届けたいと思ったものを届けてくれたこの1冊が大好きですし、この本と巡り会えて良かったと感じています。
-
一日置きに変わる視点。
ギリギリまで伝える事が出来なかったからこそ、完璧に未来を変える事は出来なかったのだろうな。
彼の想いだけではなく、約束した言葉がトリガーになっていたのかもしれないな。 -
大雑把に言えば、東京大空襲を扱ったタイムスリップ物の傑作『ふたつの胡桃』と同様の枠組みを基本としつつ、『君の名は。』の異文化交差のモチーフを被せたような内容。
また、近年『この世界の片隅に』が広島の銃後を丹念に描いた映画として名高く、これらの作品群に文庫一冊で渡り合うのは、さすがに分が悪かったのは否めない。
とはいえ、スターツ出版文庫には“細部の詰めが多少甘くとも、やりたいことを前面に出す”印象があって、二人の主人公が「その日」を迎えるにあたって“何を望むのか”について、生まれ育った時代性の違いをきっちり描き分けながら、同じ所に着地させた内面の掘り下げは読み応えがあったと思う。 -
気になりすぎてガーッと読んでしまいました。
最初はまた入れ替わりの話かぁ、と思っていたけれど、入れ替わりの相手とか、それによって起こるジレンマとかがすごく面白くてどんどんハマっていきました。そして、戦争のお話も、どっかの誰かの知らない話、ではなく過去の負の遺産として引き継いでいかなければならないと改めて感じました。
物語も面白かったし、自分の生活を改めて見直そうと思いました。