読まずにすませる読書術 京大・鎌田流「超」理系的技法 (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815600099

作品紹介・あらすじ

あなたの読書人生をくつがえす禁断の技術

★「本が読めない…」「でも読みたい…」にどう向きうか?
ベストセラー・名著だからといって全部読む必要はない!
「自分の体癖」を知ることで、ムダな読書や積ん読は卒業できる!
京大理系人気教授が教えてくれる、
ポスト平成時代に役立つ一生モノの「超」合理的読書術

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「本を読んでも難しくて、最後まで読み進められない…」
「速読をしても、なかなか内容が頭に入らない…」
「本は好きだが、なかなか読む時間がなく積ん読状態に…」
このような声をよく耳にします。

そんななか、著者が提唱するのが
「読まずにすませる読書術」です。

本書では、本は好きだが時間、意欲、集中力、記憶力などなんらかの理由で
「なかなか読めない人」「読んでも頭に入らない人」「読んでも途中で挫折する人」を対象に、
これまでの速読法や多読法とも一線を画した
著者流の無駄を省く「読まずにすませる」読書法を提示します。

本を読む前に大事なのは、「自分の体癖」を知ること!
相性の悪い本は、体の癖が作る相性の問題なので
読もうと努力するほどムダなエネルギーを消費することになります。
ですから「合わない」と感じたら、無理して読む必要はないのです。

本書を読み「自分の体癖」を知ることで、
読むべき本と読む必要のない本の選書眼が養えるとともに、
本の中の読まなくていい部分がわかるようになります。
また、自分の最適な読書スタイルが難なく確立できます。

結果的にムダな読書で人生を浪費する必要がなくなり、
「読後の知」を生かせる有意義な人生が送れるようになる――。

ポスト平成時代を迎えるいま、京大理系人気教授が教えてくれる、
これまでの読書術にはなかった新しい方法を示す画期的な1冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 情報過多のインターネット社会、そんな現代でも本から得られる知識はなお偉大である。
    しかし、そんな社会だからこそ情報の取捨選択がより重要性を帯びてくる。本書はいかに読書をせずにすませるか、つまり自己が真に読むべき本の選び方とその本の読み方を新たな視点から記したものだ。
    本を読むことが目的となってはいけない、効率化を図るための知識を得るために多くの時間を費やしては本末転倒である、などこれからの読書を習慣化しようとする者たちに一つの読書方針を示してくれるだろう。
    単なる娯楽として読書を楽しんでいる人たちにとっても一部有用なことは記載されているが、思い切って「読まずにすませる」ことも本書の趣旨に沿うのかもしれない。

  • ●読む読まないについて自分の「基準」をつくる。
    <自分なりの基準>
    1、すでに知っている箇所は読まない。
    2、目的を果たせそうな箇所のみ読む。
    3、章すべてを読むのではなく、中見出しで必要そうな箇所だけを読む。
    4、章内の太字や後ろにまとめてあるポイント箇所のみを読む。

    ●直感を大切にして自分なりにカスタマイズした読書スタイルを身につける。

  • 『読まずにすませる読書術 京大・鎌田流「超」理系的技法』
    著者 鎌田浩毅
    SB新書 2019年

    読書家にとって永遠の課題であること、それはいかに読まないべきかではないだろうか。
    いま、出版業界では国内だけで1日に大体220冊もの本が刊行されているようだ。1日これだけの量を読めるわけがない。つまり、全部読むという発想は無くしていき、消去法で自分が読みたい本を読む、自分が読める本を読むということになる。しかし、判断基準が難しい。
    そんなお悩みを解決してくれるのが本書である。この本では「体癖」という考え方を中心に読書に関する一風変わった方法を教えてくれる。
    著者の鎌田浩毅さんは京大で火山や地球科学を専門とするいわゆる理系の先生である。そんな理系の方が読書に関して大胆な提案をしてくれた。

    溜め込み型から一向に離れられない方は、不要な本を見極めるため、次の方法を試してみてください。
    「その本は自分の人生を変えるか?」、です
    この問いは新たに本を買う際にも、整理を考える際にも基本の軸になってくれます。
    読書の原則は、今の人生を変えてくれる「何か」を得ることです。したがって、人生が変わらないのであれば、そもそも手元に置いておく理由はありません。

    ここで勘違いして欲しくないのは、この本はいわゆる積読解消本であるということで、著者自身も楽しみのための読書を否定しているわけではないということである。
    しかし、どのような判断基準で捨てるべきかわからない。そのような人にこのアドバイスは傾聴に値すると思う。

    そもそも、著者は読み方というものを変えていこうと言っている。著者は本の読み方を音楽的読書と絵画的読書という2つの読み方をあげており、その中で、音楽的読書とは音楽を聴くように初めから、最後まで順番に読んでいくやり方。絵画的読書とは美術館に提示されている自分の好きな絵画だけを見るかの如く、つまみ食い的な読書の仕方と定義し、この中で、絵画的読書から音楽的読書への変化を促している。

    読書に関する悩みを足し算の視点で見るのではなく、引き算の視点で見るという考え方は、これからの情報洪水時代の必須テクニックだろう。全てを見ることはできないし、その必要もないという著者の温かいメッセージはきっと理系、文系関係なく、本を多く読んだ人間だから言える福音に違いない

    最後に、個人的にためになった箇所を引用する

    心理学には「2:7:1の法則」というコミュニケーション理論があります。人との付き合い方、すなわち人間関係を楽にするための法則です。
    実は本当の付き合い方も、こうした人付き合いとにているところがあります。人付き合いがラクになるように本とよいコミュニケーションをとることで、本との付き合い方が合理的になっていくのです。これは読書の質自体も高めていくことにもつながります。

    少し補足する。
    「2:7:1の法則」とは付き合う人を2割の何でも話せる親友のような人たち。7割を礼節をわきまえて付き合えば良好な人間関係を築ける間柄の人たち。1割がどうやっても月えない人たちに分類するやり方であり、これを本にも適用するというのが、著者の言いたいことである。すぐにでき、実用的かつ何ともシンプルなやり方である。

  • 【読書メモ】
    本書では「読むべき本は読んで、読まなくていい本は読まない読書術」を提案している

    「本当に必要な本なら、いつか、そのうち、ではなく、今ここで読まなければ役には立ちません。だから、すぐには必要のない本なら、いっそのこと手放す。勇気をもってその選択をすることで、読めない悩みのひとつは解消します。」
    金言ではあるが、なかなか実現は難しい
    他にも、
    ・目次→一部精読
    ・本の感想を一歩立ち止まって考える
    など有用な内容もありました
    体癖とかはちょっと見たことなかったけど、それは追々

    ・日垣隆「使えるレファ本150選」(ちくま新書)
    ・井上真琴「図書館に訊け!」(ちくま新書)
    ・鎌田浩毅「座右の古典」(ちくま文庫)
    ・鎌田浩毅「ラクして成果が上がる理系的仕事術」(PHP新書)

    【参考になった点】
    ・金や地位や成功を得るためだけの読書ではなく、よりよい人生にしていくための読書。そうした読書を大切にしてほしいと思うと同時に、とにかく大量に読んでたくさん情報を得るだけの「ストック型読書」から脱却してほしいと願っています。また、本の読み方から人生全般を点検することも、本書が提案したいことなのです
    ・今の自分に必要なところ、関心のあるところだけを読み、他は飛ばし読みすることができます。それによって必要のないものまで読む時間のムダ、労力のムダを一気に減らせるのです。
    ・本当に必要な本なら、いつか、そのうち、ではなく、今ここで読まなければ役には立ちません。だから、すぐには必要のない本なら、いっそのこと手放す。勇気をもってその選択をすることで、読めない悩みのひとつは解消します。
    ・最初にすることは目次を読むことです。目次はインデックスです。そこに並んでいる章タイトルをざっと全部読み、中見出しがあれば中見出しをチェックすることで、読むべき箇所が一目でわかります。つまり(中略)(必要な)章を読めばよい。さらに中見出しの中から気になった(中略)項目をつまみ読みする。この読み方で必要な箇所を絞り込んだ読書が可能になります。
    ・読むべきところを見つけたら、そこを繰り返し読んでいくのが「一部精読」です。
    ・「あの本はおもしろかった」「つまらなかった」とひとりごとをつぶやいておしまいにするのではなく、自分なりに感じたこと、考えたこと、参考になったところをつけ加えて人に伝えていく。それをするには、一歩立ち止まって考える作業が欠かせません。アウトプットはそういうときにこそ大切と言っても言い過ぎではないのです。
    ・本そのものを読書メモにする

  • まあまあ参考になった。

  • 感覚や直感を大切にすること

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/729617

  • 効率よく読書をしたいわけではない。
    手当たり次第に読むには広く深すぎる世界。
    読書ジプシーとなった今、街灯のような、道案内のようなものが欲しい。

    できることなら解読できる「地図」を手に入れたい。

    野口晴哉の「体癖」が出てきた。軽く運命を感じて読み進めた。
    著者の言う「セレンディピティ」といい「本に呼ばれる現象」といい、一見オカルトチックにも思えるようなことにも共感できる。

    自分の求めている情報が論理的、体系的にまとめられ、そして読者を尊重した本に出合えてよかった。
    著者の専門の分野の著書も読んでみたいと思う。

  • どうせ本を一冊全て覚えるのは不可能。自分にとって本当に必要なところだけを読めば良いと思わせてくれる本。3つ学んだらあとは読まない!

  • 著者の「理科系の読書術」続編的な本。前作は割と面白かったが、本作はイマイチ。
    体癖によって読みやすい本・読みにくい本があるという視点は面白かった。

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著者プロフィール

鎌田 浩毅(かまた・ひろき)
1955年東京生まれ。筑波大学附属駒場中・高等学校卒業。東京大学理学部地学科卒業。通産省、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を経て、現在京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授・同名誉教授。専門は火山学、地球科学、科学教育。「京大人気No.1教授」の「科学の伝道師」。著書は『新版 一生モノの勉強法』『座右の古典』(ちくま文庫)、『やりなおし高校地学』(ちくま新書)、『地学のツボ』(ちくまプリマー新書)など。

「2021年 『100年無敵の勉強法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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