まちづくり幻想 地域再生はなぜこれほど失敗するのか (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815609122

感想・レビュー・書評

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  • 地方再生で失敗する時に何が起こっているのか、バッサリ書いてあって痛快です!(笑い事ではないんですが)
    何か物事を進めるときに気をつけなければいけないポイントは共通しているので、仕事にも活かせる内容です。オススメ!

  • 行政職員としても、公民連携担当としても一年目。考え方のバイブルの一つにしていきたい。自分の担当での応用イメージがまだまだ湧かないが、外に出て繋がりを積極的に作るなどのアクションなど、具体的な取り組みは早速取り入れていきたい。
    (たった一年なのに、業務量に追われて内向き思考になりかけていた、、)

  • これぞリアルゥゥゥッていう本。こういうのがなきゃダメ。そんな小手先で上手くいくはずなんてないのは分かってたけど、なんなら上手くいったとされているものも実は上手くいってなかったりするのね。驚いた。

    現状(惨状?)を冷静に分析してかつ今後の提言までしっかりつなげているが、そこまで読んでも楽観的になれないのが印象に残った。というのもまず民に元気はない。地域資本のコングロマリットとか豊富な観光資源とか全国レベルの特産品とか自治体ガチャのSラン勢は置いといて、なんの取り柄もない自治体が工場誘致やら商業施設建設やらに走ったところで喉の渇きに海水ガブ飲みするようなもんで、長期的に見たら負債にしかならんケースの方が多いってのを知ってしまった以上、民が芽吹くのには時間かかりそうだし、果たして育つのかどうかも甚だ怪しい。そして官も官よ。前向きな自治体職員の一番の敵は後ろ向き職員ってのはマジでそうでじょ。あの公務員という組織はね、長年いる人ほどリスクを取らないようにできてるのよ。民間ですらそうなんだから。彼ら転職できないし、住むところも変えられないから、自分の人生が簡単に天秤にかかかるのよ。それより重たいもんなんてない。環境保護と一緒。自分たちが生きてるうちに枯渇さえしなきゃ良いのよ極論。

    となると残された最後の道は首長だと思うのよな。日本の自治体行政は首長の権限が非常に強く出来てる。さじ加減ひとつで条例もつくれるし、予算も通せる。彼らとその取り巻き(副市長やら助役)にアントレプレナーとしての資質があれば、どうとでもなりそうなもんだけどね。千葉市の熊谷さんとか革新自治体は成果を上げているし、人口減少が進む地域であっても指揮者さえ有能ならばオンボロ楽器でもそれなりにまとまるし人呼べるんじゃないん?違うん?オーケストラってとんでもなく上手いプレイヤーを見に行くもんじゃないじゃん?

    縦割り組織をうまく利用して、首長含む自治体の上層部が本気でやれば、自治体をなんとかせにゃいかんという覚悟を持ったプレイヤーは増えると思うのです。長い目で見ると、今後は首長に立候補するまともな人材がいないようなマジでやべえ自治体も増えてくるだろうから、民間人の人生プランの一つの選択肢に「首長」が加わると良いよね。もちろん相当する知識や器量や熱意があってのことだけど。

  • 一人ひとりが我が事として覚悟をもってやり抜く

  • 外の人に頼らず、自分の地域の実情にあった課題を自分たちでの力で考えて解決していくこと。何十年も掛けて衰退してきた地方を復活させるのは容易ではないが、面倒くさいことは大事なこと…地域の過去の栄光にとらわれずに未来のことを考える…等々。
    自治体職員(特に管理職)の方は是非読んでいただきたい本だと思います。官民問わずとは思いますが、自分もしっかりと考えて、前年踏襲で思考停止しないように行動していきたいと思います。

  • リーン・スタートアップに通じる話が多かった。新しいことをやろうとしたら、外から持って来れる「正解」「成功事例」など無い。不断の試行錯誤・仮説検証が、急がば回れの最短距離となる。本気の仲間が付いてくるのも、「相談」ではなく「行動」する人だけ。ゆえに「地方の時代」「ワーケーション」のような、個別性の無いそれっぽいトレンド・バズワードには嘘が多い。

  • 今までの著書を再編集した内容。目新しさは無いが、筆者の主張をわかりやすく読み取れる。
    公務員のまちづくり活動、「自分の顔を持ち、組織の仕事につなげる」は言えば簡単そうだがハードルは高い。

  • まちづくりに関心がない人にも是非読んでいただきたい一冊。
    関心がない人が多いとまち全体にとってプラスにならないことが実施されていても、それに気がつかず、気がついたときには時既に遅しということにもなりかねません。
    関心が高く行動を起こされている人も自分の行動がむしろまちを悪くしていないか問い直すためにも是非読んでいただきたいです。
    成功事例を真似したところで自分のまちで成功する保証はないです。この本ではハイエナコンサルという言葉も使われていますが、専門家が言ってる通りにやって全てが上手くいくなら今こんな状況にはなっていないです。
    この本にも書いてあるように、まちづくりに関わる上での正しい思考の土台をまず持つことが大事だと思います。

  • 面白く読んだが、少し時間がたってしまい忘れてしまった。
    要点は、個別の政策や補助金獲得のために時間や力を割くのではなく、人材育成にしっかり取り組むべき、と理解した。

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著者プロフィール

木下斉
1982年生まれ。高校在学時からまちづくり事業に取り組み、00年に全国商店街による共同出資会社を設立、同年「IT革命」で新語流行語大賞を受賞。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。08年に設立した熊本城東マネジメント株式会社をはじめ全国各地のまちづくり会社役員を兼務し、09年には全国各地の事業型まちづくり組織の連携と政策提言を行うために一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンスを設立。15年から都市経営プロフェッショナルスクールを東北芸術工科大学、公民連携事業機構等と設立し、既に350名を超える卒業生を輩出。20年には北海道の新時代に向けた「えぞ財団」を仲間と共に発足している。また内閣府地域活性化伝道師等の政府アドバイザーも務める。著書『稼ぐまちが地方を変える』『凡人のための地域再生入門』『地方創生大全』等多数。

「2021年 『まちづくり幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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