メタバース×ビジネス革命 物質と時間から解放された世界での生存戦略

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  • SBクリエイティブ
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815617486

作品紹介・あらすじ

2021年のバズワードとなった「メタバース」。
だがそれは唐突に現れたわけではなく、何十年も追い求められてきたものである。
そして、目指す先はまだまだその先にある。

本書では多くの企業の事例を挙げながら、
・なぜ今メタバースが騒がれているのか
・今のメタバースでは何ができるのか
・これから訪れるメタバースはどんなものなのか
を明らかにしながら、これからのビジネスについて考察していく。

感想・レビュー・書評

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  • パソコンを持たずに仕事をする。そんなレベルの低い話ではない。言語の壁を超え、意思疎通の手法が変わる。物理的距離を感じさせず瞬間移動すら可能に。ルッキズムも破壊。生物としての本能的欲求のみを下界に残し、人類はやがてユニバースからメタバースへ。

    今のところ、これが実現できない理由は、HMDの普及度とその能力による。ヘッドマウントディスプレイは大きく息苦しいし、機動性が無い。varjoが肉眼レベルの8kを再現したが、ラグもある。ビジュアルチューリングテストにはまだ合格できていない 。oculusやPICOに加え、Appleが参入したのが最近だが、日本円で50万円近くと高額。何だかまだまだ時間はかかりそうだ。恐らく、AIや量子コンピュータの進化と並行していくはずだ。

    時々この分野の人と冗談で話すのは、やはりポルノが起爆剤になるはずで、フォトグラメトリの技術が普及して、写メでエロ画像を蔓延させたような大衆層によるコンテンツ製作と欲求交換をプラットフォーム化させるのが先だろうかと。アナログ回線でさえ誘導してきたかつてのネット民の情熱を、メタバースは喚起できるだろうか。

    本著はメタバース界隈の先端情報を解説してくれる良書。ゲーム、エンタメだけではなく、デジタルツインなど、製造業での取り組みも紹介。楽しみな分野だ。

  • メタバースの現状、課題、未来
    ネットワークゲームの技術やコミュニティの延長線上に、メタバースの発展がある。
    HMDなどのギアの軽量化や、サーバ処理負荷や、基地局からサーバへの物理的な距離を考えると、エッジコンピューティングの活用
    よりシームレスなコミュニケーションの浸透
    個人情報の保護の観点や、法整備、メタバースの業界標準化といった話

    映画やドラマでメタバースの世界観は浸透してきたかもしれませんが、ビジネスの活用を考えた時、日本の場合は、必要以上の変化を嫌うところもありますが(不要不急でないのに会社に出社の必要があるなど)、その先の未来を見たい気もします。

  • 今年、Meta Quest 2を買った関連で著者の方をツイッターでフォローしており、購入。

    非常に曖昧な「メタバース」という言葉に対し、明確な定義は避けている印象。そもそも、メタバース的なものが存在する世界というのは誰も体験していないため、何が起こるのか予想しづらく、全てがその世界に置き換わるわけではない(はず)だが、実現のための技術的な基盤は整ってきており、近い将来実現するもの、ということをメインで説明している。

    世間一般には、メタバース=VRという誤解もある。本書で紹介されている事例に、フォートナイトの中で行われたライブで、そのプラットフォーム外で実際に金銭のやり取りが行われた、というものがある。フォートナイトはVRではないため、そういった事例を考えても、メタバースという概念自体とVRはイコールではない、ということだろう。(この捉え方も間違っている気がする)

    ただ、VRゴーグルを実際にかぶっていろいろとやっている身とすると、世界が変わる感覚(メタバースが実現する世界)はVRなしでは訪れないんだろうなと思う。ARもすごい技術ではあるけれど、やはりそれは現実世界の延長である。自分が自分でなくなるみたいな強い感覚を得られるのは、アバター含めたVR空間だろう。ルインズメイガスというゲームをやっていても、ストーリーに対する感情の動きが通常のゲーム体験より強いと感じる。よく、レーシングゲームをやると身体も一緒に動くという話があるが、あれにさらに切迫感や痛みまで伴いそうな感じ。視覚や聴覚(本書でもあったが、聴覚のVRもすごく大切。)からの脳の処理というのは大事なんだな。そう考えると、人間って生きているだけで非常に多くの情報を得て処理しているんだな。

    本の中ではメタバースの概念的なところもそうだが、実際に実現するにあたっての技術的な課題もきちんと説明してあって興味深かった。ゴーグルの進化もそうだし、アバターがどのように見えるかという点における全身トラッキングの必要性など、結局肉体から解放されても人類は人類であって、転生したらスライムだった件、のようにいきなりスライムの姿になってそれを受け入れられるほど(少なくとも一世代の人類としては)柔軟ではないんだろう。

    ちょうど、コテンラジオで「老いと死」というシリーズをやっていて、AIやVRの技術が進歩して真のメタバースが実現したときの「死」の定義とはどうなるのか、とても気になる。論文とかあるのかな。

  • なんだろ 全然ワクワクしない

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1316934

  • さすが西田宗千佳さんの書だけあって、事実をきちんと取材されたうえで、現実性のある今後の方向性を示されている。
    メタバース、来るのか??メタバース的なゲームで遊ぶ今の子供たちが大人になるころには、それなりに来るのだろう。
    ゲームという利用シーンはわかる。あとは、西田さんが指摘するように、日常使いとしてどこまでメタバースが、「楽しさ」「新しさ」「便利さ」を提供できるかだろう。HMDを使ううちはダメな気がするが。

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著者プロフィール

ITジャーナリスト。
1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。取材・解説記事を中心に、主要新聞・ウェブ媒体などに寄稿する他、年数冊のペースで書籍も執筆。テレビ番組の監修なども手がける。主な著書に「ポケモンGOは終わらない」(朝日新聞出版)、「ソニー復興の劇薬」(KADOKAWA)、「ネットフリックスの時代」(講談社現代新書)、「iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏」(エンターブレイン)がある。

「2022年 『メタバース×ビジネス革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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