2030年 お金の世界地図 (SB新書 644)

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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815621711

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  • お金が流れ込む国は、国が開かれ(安全)、有能な指導者がいて(リターン)、開放性があること。

    伸びる国の条件は、世界が必要なものを手に入れる(天然資源の開発)と成長に重要となる労働人口。

  • ジムロジャースというファンドを設立している投資家の書かれた本です、この人の名前は私が大学生の頃(昭和末)から聞いています、まだご活躍のようで凄いですね。その彼ば、2030年に向けて伸びる国と停滞する国について将来予想を書いています。

    日本を始め、今まで世界経済を引っ張ってきたとされる所謂「先進国」の成長はもう頭打ちで、これからは今年(2024)初めに拡大したBRICsを中心に発展していくことになる様です。人口が増えるかどうかがポイントの様ですね。

    私個人的には日本経済がまだ成長している時に社会人生活を送らせてもらってきますが、これからは私の経験がほとんど役に立たない役に立たない将来が待っています。2030年までも今まで(コロナ騒動等)とは異なった激動の時代となると予想されますが、様々な情報を基本は書籍から得ることで過ごしていきたいと感じています。

    以下は気になったポイントです。

    ・投資において成功したいのなら、未来を見通す力をつけなければならない、特に「お金がどう動くか」をイメージする力が不可欠である(p6)

    ・ロシアがウクライナに侵攻した直後、世界の食糧価格は高騰し、食料価格指数は過去最高に達している、原因は、ロシア軍が黒海に面したウクライナの港を封鎖し、穀物輸出をストップしたことである。その後、国連とトルコの仲介により両国間での合意が成立し、ウクライナの穀物輸出が再開したので落ち着きを取り戻したが、高い水準で推移している(p22)

    ・戦争が起きた時に、私は当事国のマーケットに目を向けるべきと考えている、戦争が起きて価格が暴落した国への投資は、長い目で見ればリターンを得ることが多い(p38)

    ・インフレが再発すれば、悪化する可能性が高い、なぜならここ数年にわたって、歴史上かつてないほど大量の紙幣が印刷されてきたから(p40)

    ・AIIBの資金援助により、スリランカ、ラオス、モンゴル、パキスタンといった国のインフラ開発などで中国に依存する状況が生まれている、スリランカはハンバントタ港を建設したが、投資資金を十分に回収できず、2017年には「借金のカタ」として99年間にわかって港の運営権を中国に引き渡すことに合意している(p43)

    ・お金は常に、安全で最高のリターンを得られるところに向かう、アメリカに代替する安全で高いリターンが得られる国は存在しないが、中国が通貨解放(中国元をインターネット上で売買)を継続すれば、アメリカに取って代わる可能性は高い(p50)

    ・中国では全国民が同じ言語を読み書きできるが、インドはそうではない、英語が使われているイメージがあるが、使用できる人は10%、流暢に話せる人は4%ほど(p65)

    ・国の成長のために必要なのは「人口」と、アイデアやエネルギーの源泉となる「自由な精神」である、日本やドイツでは政府が経済活動に干渉することなく、自由にさせたことでうまくいった(p78)

    ・永遠にトップであり続けるのは不可能である、1815年イギリスはワーテルローの戦いに勝利したことで覇権国家となった、しかし19世紀末からイギリス経済は衰退化の道を歩み始め、第一次世界大戦の勃発によりパクス・ブリタニカの終焉を迎えている、アメリカも時間の問題である(p134)

    ・ウクライナ侵攻において、西欧諸国遺体でアメリカに追随してロシアに制裁を貸している国はそれほど多くない、多くの国は中立的な立場をとっていて、アメリカ一強だった時代が終わることを示している(p136)

    ・世界経済が比較的好調だった時代に、なぜイギリスは低迷を余儀なくされたのか、その背景には固定的な階級制度、保守的な教育、労働力の不足、頻発する労働組合のストライキ、施設の老朽化が存在した(p140)

    。問題を抱える国に共通巣rのは、かつては何世代にもわたって経済的に成功を収めたということ、成功が続くと国は自己満足に陥り、やがて問題を抱える、インフラも老朽化する(p144)

    ・歴史を振り返って、人口が減少し続け、借金が急増し続ける国に発展がもたらされたことはない、日本がそういう状態になっている(p152)

    2024年3月7日読了
    2024年4月8日作成

  • 書店の文庫本コーナーで人気上位だった本書が目に留まり、読んでみることに。

    本書の趣旨は、著者の経験をもとに「お金の世界地図」を読み解き、この先10年の「伸びる国」「沈む国」を予測しようとするもの。
    学びとしては、グローバル視点でお金・経済について考える良い機会となったが、「中国推し」が全面的に溢れ出ている。

    以下、気になったことをメモ
    ------------------------------------
    投資で成功するためには、「お金がどう動くか」をイメージすることが不可欠。
    お金が流れ込む国の条件は二つ。
    1.国が開かれていること
    2.有能な指導者がいること

    この視点にもとづき、「伸びる国」として著者がもっとも有力視する国は「中国」。
    減少に転じたとはいえ14億人を要する大人口を持ち、鉱物や化石燃料、森林資源など、豊かな資源にも恵まれている。
    現代において、アメリカにとってかわる覇権国家としての要件を備えているのは中国しかないという。
    たしかにこれまでの中国は鄧小平という有能な指導者のもと、改革開放により国を開くことで驚異的な発展を遂げてきた。
    現在も一帯一路は中央アジアやアフリカへの投資をもたらし、貧困問題解決を導いているなど、近年でもっとも成功した経済プロジェクトと評している。
    さらに、農業、観光、旅行、エンターテイメントなどには明るい未来はあるとしつつも、テクノロジー企業などの新興企業を摘発するなど、今後もその成長が続くかどうかについては楽観的ではない。
    著者も指摘するように現在の中国にとって一番の問題は、国を閉じていくのか否かである。
    しかしながら、著者によれば、実質的に終身権力を得た習近平は大胆な政策を実行する力と自信を持っているとし、今後も注目するべきと述べる。

    その他有望な国は、サウジアラビア、ウズベキスタン、ルワンダ、ベトナム、コロンビア。
    これら多くの国が、経済政策の転換や、内戦等の国内の混乱から立ち直りつつあり、投資対象として期待が持てるとのこと。

    いっぽうで今後「沈む国」は、アメリカ、イギリス、日本、韓国。正直あまり驚きはないものの、韓国については南北統一への期待には共感した。
    海外留学経験を持つ金正恩がその圧倒的な権力をもって北朝鮮の経済解放が実現できれば、東西ドイツ統一のような熱狂を目の当たりにするかもしれないとのこと。

    投資の基本は「安く買って高く売る」。
    4つのチャンスの見極め方
    ①魅力的な製品を作っているか、②イノベーターが存在するか、③技術革新が生まれているか、④危機から立ちあがろうとしているか。

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著者プロフィール

■著者略歴
ジム・ロジャーズ(Jim Rogers)
1942年、米国アラバマ州生まれ。イェール大学で歴史学、オックスフォード大学で哲学を修めた後、ウォール街で働く。ジョージ・ソロスとクォンタム・ファンドを設立し、10年間で4200パーセントという驚異的なリターンを上げる。37歳で引退した後、コロンビア大学で金融論を指導する傍ら、テレビやラジオのコメンテーターとして活躍。2007年よりシンガポール在住。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び世界三大投資家と称される。 主な著書に『冒険投資家ジム・ロジャーズ 世界大発見』(日経ビジネス人文庫)、『危機の時代』(日経BP)、『ジム・ロジャーズ 大予測』(東洋経済新報社)『大転換の時代』(プレジデント社)がある。

「2023年 『捨てられる日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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