発達障害の子どもたちは世界をどう見ているのか (SB新書 636)

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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815622770

作品紹介・あらすじ

「うちの子、もしかしたら発達障害かも…」 「動き回ってばかりで、どうしたらいいかわからない」 「学校の勉強についていけていないみたいで心配」 子どもの発達障害はデリケートなトピックです。そのため、あまりふれないほうがよいのかも…と遠回しにしてしまうことも多いかもしれません。 ですが、身近にいる発達障害の子どもたち(発達障害かもしれない子も含みます)が、どのように世界を捉え、感じているのかを理解できたとしたらどうでしょう? これまでよりも少しだけ肩の力を抜いて、ともに日々を過ごせるようになるかもしれません。 不可解な行動、イライラしてしまう言動……それらにはすべて、理由があります。 さらにいえば、あらゆるアクションの裏側には子どもたち一人ひとりの思いが隠されているのです。 本書では、発達障害の専門医であり、現場での臨床経験も豊富な岩波明医師による、当事者目線での丁寧な解説をお読みいただけます。 代表的な発達障害として、ASD・LD・ADHDを章ごとに取り上げています。また、各章の末には実際の患者さんの事例を匿名でご紹介しています。 「こんなケースがあるんだ!」「周囲はこうやってサポートすべきなのか」「逆にこういう接し方はあまりよくないのかもしれない…」などと、たくさんの気づきが得られるでしょう。 本書を通じて、日々感じている「なんで?」「どうしてこうなる?」「イライラ」「もう大変でお手上げだ…」みなさんのそんな思いが少しでも軽くなり、明るい明日の迎える一助になれば幸いです。

感想・レビュー・書評

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  • 発達障害を取り巻く状況は、目まぐるしく進歩を続けています。2022年の調査では何らかの障害に該当する児童生徒が8.8%に達したと言います。
    そのため、医療と学校が連携していくことがますます大事になっていると感じます。特に医療では小児精神科医の育成が急務とあります。病院を受診するのに2ヶ月、3ヶ月待ちなんて当たり前の今。医大にこうしたカリキュラムが加えられるといいなと思いました。
    また、教育の現場ではものすごく柔軟に、パラダイムを転換するほどの対応が求められると思います。少子化は進んでいるのに、不登校は24万人以上と増加の一方です。必要に応じてオンラインで授業が受けられるようにする。15~20人くらいの少人数にし、特性を持つお子さんにも対応するようにすることなどが考えられます。教科書を学校と家に2セット用意するのは面白いアイデアですが、教科書はタブレットで電子化されると思うので紙媒体はなくなっていくのかなと私は思います。
    一人一台を実現した学校のICT機器の可能性も見逃せません。文字の読み上げ機能、カメラ機能、まとまった文章を打ち込める機能、フォントや文字の大きさを変える機能など、障害を持つ子が助かる機能がてんこ盛りです。
    今回の岩波先生の書籍で、愛着障害が初めて登場したのも見逃せないところ。より発達障害を取り巻く状況、さらには障害を抱える子のみている世界を俯瞰できる内容となっています。また、障害を乗り越える著名人、先人の工夫も好例でした。
    コロナ禍を経て、新たな知見がたくさんありました。子どもたちが生きやすい環境を整えて行けるとよいと思います

  • NDC493
    「「見ている世界」のちがいがわかれば、寄り添うヒントが得られる。身近にいる発達障害の子どもが、どのように世界を捉え、感じているのかを理解できたとしたら…?「なんで?」や「イライラ」が減り、これまでよりも少しだけ肩の力を抜いて、ともに日々を過ごせるようになるかもしれません。当事者に関する事例紹介と、医学的知見にもとづいたよりよい接し方を豊富に盛り込んだ1冊。」

    目次
    序章 周りとは少し違う子どもたち
    第1章 あらためて発達障害とはなにか?
    第2章 ASDの子どもたちは世界をこう見ている
    第3章 LDの子どもたちは世界をこう見ている
    第4章 ADHDの子どもたちは世界をこう見ている
    終章 子どもの発達障害にはこんな取り柄や強みがある

    著者等紹介
    岩波明[イワナミアキラ]
    1959年、横浜市生まれ。東京大学医学部医学科卒業。専門は「精神生理学」。東大病院精神科、ドイツ留学を経て、埼玉医科大学、東京都立松沢病院において、重症例を含むさまざまな分野の診療にあたる。うつ病の薬物療法、統合失調症の認知機能障害、精神疾患と犯罪、司法精神医療など、幅広いジャンル、疾患に対応する。2008年に昭和大学医学部精神医学講座准教授、2012年に同大学精神医学講座主任教授に就任、2015年昭和大学附属烏山病院病院長を兼任。多くの臨床経験からリアリティ溢れた症例を紹介し、現代社会のさまざまな現象に鋭く切り込み、多数のベストセラーを創出している

  • 著者のSB新書シリーズは読んでいるが、総じて学びのある内容となっている。発達障害についても初心者向けに説明があり、それぞれの特性に対しての対処法の記載もある。個人的には部下のADHDに悩まされているが、対処法よりもいちいち「然り」や「怒り」を感じることなく「脳の機能がそうさせているだけで、本人には悪気はない」と感じることの重要さを説いている記載が腑に落ちた。特段の目新しい知見はなかったが、このシリーズは今後も読み続けていきたい。

  • 読書から離れていたので、リハビリ目的で購入。
    何度も同じ話が出てきたため、正直なところページ稼ぎかと思ってしまった。半分くらい読んで辛くなってきたので、後半はやや斜め読み。
    ASD、ADHD、LDなどについて触れており、人手不足の教育現場に対して「こうすれば良いじゃないか!」と理想論をぶつけている。目新しい情報は特に無かった。実現させるにはどうしたら良いか、より具体的な案を出していれば☆☆☆以上だったかと。
    とりあえず読み終わることができてよかった。

  • 感想
    理解と共感。刺激に対する行動を把握することはできる。ではその中身を真に知ることはできるのか。個人個人と向き合うことを忘れてはいけない。

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著者プロフィール

昭和大学医学部精神医学講座主任教授

「2023年 『これ一冊で大人の発達障害がわかる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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