政治の発見

  • 日本経済評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784818814349

作品紹介・あらすじ

今日の世界では、自由にせよ幸福にせよ私的な問題とされがちである。私化された諸問題を政治的な力へ変えること、即ち公的問題へと移転可能にするため論争的考察。

感想・レビュー・書評

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  • 公的な問題と私的問題との間に適切な架け橋がないことを問題にしています。私的な問題を公的な問題へと置きかえるような、また逆に、私的な問題の中に公的な問題を識別しその市を正確に突き止めるような、容易で明白な方法が存在しないかぎり、社会には集団的な無気力が支配するとバウマンはいいます。

    現代の苦悩と苦痛は、断片化され、分散され、ばらばらになっている。しかも、それらが生み出す異議もそうなっている。異議の分散、すなわち、異議を凝縮し、それを共通の大義につなぎとめ、それを共通の元凶にむけることの困難さが、苦痛をより厳しいものにしているにすぎない。現代世界は、必死に出口をもとめながら、自由に浮遊することの不安とフラストレーションに満ち溢れた容器である。人生は、深刻な心配や不吉な予感に満ち溢れていながら、そうした不安や予感は驚くほど凡庸であり、輪郭がぼんやりして、根っこが隠れていて見えてこない。

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著者プロフィール

1925年、ポーランドのポズナニのユダヤ人家庭に生まれる。ナチス侵攻によりソヴィエトに逃れ、第二次世界大戦後ポーランドに帰国。学界に身を投じワルシャワ大学教授となるが、68年に反体制的知識人として同大学を追われる。イスラエルのテルアヴィヴ大学教授などを経て、現在リーズ大学名誉教授、ワルシャワ大学名誉教授。現代の社会学界を代表する理論家である。邦訳書に『個人化社会』(青弓社)、『コラテラル・ダメージ――グローバル時代の巻き添え被害』(青土社)、『コミュニティ――安全と自由の戦場』(筑摩書房)、『リキッド・ライフ――現代における生の諸相』『リキッド・モダニティ――液状化する社会』(ともに大月書店)、『廃棄された生――モダニティとその追放者』(昭和堂)など多数。

「2012年 『液状不安』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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