- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784819112017
作品紹介・あらすじ
東大合格者の英語の語彙数はそれほど多くない。重箱の隅をつつくような問題も少ない。では、東大は受験生に何を問うているのか?入試問題を読み解くと、受験生に共通する課題が見えてきた。
感想・レビュー・書評
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2021/1/19
勉強の姿勢を正された。特に本書を通じて東大の入試要項に出会えたのは良い機会。時々見返して軌道修正を行うツールとしては一級品なんじゃないかな??
特に良かったのが、学問が仕事でも活かせることが強調されていること。勉強は仕事に役立たない、という考え方が蔓延する現代において重要な指摘だと思う。本書にも知的権威が失墜していることの危機感について書かれている。学問は、仕事に限定せずとも生きる中で遭遇する全ての出来事において活きてくる土台であると再確認。
具体的に下記は意識的に実行してみよっと。
・ネットワーク型学習
・歴史の勉強法修正 (『教養の書』で戸田山先生が仰っていた手作り年表作成)
・古文漢文を「日本文化の歴史的形成への自覚を促」するものとして認識
・外国語との付き合い方の見直し (言語を生きたものとして捉える学び方、単語の根源的理解)
・東大文系数学を思考力チェックに使用
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入試問題から、どんな生徒を求めているのか―興味深い内容でした。
定期試験での作問も、もう少しメッセージのある問題づくりをしようと考えさせられました。 -
東大の入試問題を紹介しながら、勉強にとって重要な要素を教えてくれる本です。むしろ、生きる力といった方が良いかもしれません。
東大の入試問題は、頭でっかちな人のための問題ではないのだなあと読みながら思いました。予備校の先生らしく、とてもわかりやすく、それでいて知的な読書体験を与えてくれる本だと思います。 -
東大が求める人材は、ビジネスの世界でも普遍的なスキルを持っている人と非常に共通している。どの学校もこういう考えでやって欲しいし、子供達にも理解して欲しい。
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著者は駿台のベテラン英語講師。知的な雑談の多い講師として有名らしく、英語に限らず色んな科目の入試問題の分析が趣味らしい。英語が多いが、数学や歴史の問題も含めて、東大入試の「教育的な波及効果」について述べた本。
単に難しい、ということではなく、知識を結びつけること(=「目的志向型」ではなく「ネットワーク型」の勉強)の必要性、「必要なことだけをやるのではなく、他人から求められなくても、自分が生きていくうえで必要な技術をおもしろいから身につける」(p.190)姿勢(=「リベラル・アーツ」の意義、新入生全員が教養学部に入学することの意義)について、述べている。単に東大入試の分析、東大が求める生徒とは、ということに終始するのはもったいない読み方で、(受験)勉強のあり方、もっと言えば教養を身に付けること、生涯学習の楽しみなんかに触れた本として読むのがいいのではないかと思う。
本の最後、「それにしても、やっぱり思うのは、勉強はとても楽しいということです。」(p.207)と締めくくられているのが印象的だし、結局はそこに帰着するのだと思った。(15/12) -
駿台予備校の英語講師である著者が、具体的な問題を読み解きながら、東大入試問題の奥深さ、東大が求めている人材について語っている。
こういう大学入試問題を深掘りする企画は個人的に好きなので、とても面白く読んだ。東大は「ネットワーク型」の思考ができる人材を求めているという著者の指摘に納得した。 -
たまには頭の体操。後半は、受験生の親への保護者会のような感じだった。タイトルに書いた以上、もっと問題自体の背景を掘り下げてほしいと思った。
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テクニックだけの入試対策ではもったいない、その先のメッセージに共感。受験、就職、結婚の3つで親子が最大限ぶつかる努力は、親子の関係を変えるチャンスということも。
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テクニックだけの入試対策ではもったいない、その先のメッセージに共感。受験、就職、結婚の3つで親子が最大限ぶつかる努力は、親子の関係を変えるチャンスということも。
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東大の入試問題には、しっかりと意図がこめられている。
試験でどうやって人を選抜するのかと思ったが、このような問題を解けるのが東大に入るんだなと思う。
しかし、東大に入るのが人生最大の栄光の瞬間という人間が増えているとなると、当然「東大卒だからといって優秀とは限らない」ということにもつながる。
さて、そうなると東大法学部から官僚→そして代議士と進む人物は、どう考えたらいいのだろうか?と参院選が終わった今、思う。