リーダーの人間力 人徳を備えるための6つの資質

  • 日本能率協会マネジメントセンター
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820717621

作品紹介・あらすじ

インテグリティな人になるための6つの資質-1.信頼を確立する、2.現実と向き合う、3.成果を上げる、4.逆境を受けとめ、問題を解決する、5.成長・発展する、6.自己を超え、人生の意味を見つける。「インテグリティ」がぶれない軸をつくる。

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    近頃はやりの「人間力」について書かれた本。外部環境が厳しい、いまのような時期であればこそ、この本に書かれていることを意識して生きる必要がある。「自分は何者なのか」を適切に自問できる人になりたいものだ。

    * インテグリティの中核である6つの資質
    1. 信頼を確立する
    2. 現実と向き合う
    3. 成果を上げる
    4. 逆境を受けとめ、問題を解決する
    5. 成長・発展する
    6. 自己を超え、人生の意味を見つける
    * 頭の良さや才能、能力、エネルギー、努力、交渉力、チャンス・・・これらを成功に結びつけられるかどうかは、つまるところ、その人が「何者なのか」、どんな人間なのかにかかっている
    * 人間性とは、現実が突きつける要求に応える能力のことである
    * 人間性の資質として重要なこと
    1. 本当の絆を結ぶ能力(信頼に結びつく)
    2. 真実を求める能力(現実と向き合い活動することに結びつく)
    3. 成果を上げ、物事を完結する能力(目標や利益、ミッションの達成に結びつく)
    4. 逆境を引き受け、、向き合い、処理する能力(問題を解決し、決着させ、変換させることに結びつく)
    5. 成長・発展を求める能力(規模の拡大に結びつく)
    6. 自己を超える能力(物事や自分をより大きな視野で捉えることに結びつく)
    * 信頼を確立する
    o 相手と絆が生まれるのは一方が自分を心から相手に差し出し、相手もそれを経験してお返しするときだ。そのためには、一定期間、自分の殻から外に出て、「相手」を知り、相手の境遇を追体験し、相手に価値をおくという人間性が不可欠だ
    o 共感に必要な人間性の三つの要件
    1. 相手の境遇を感じられるしなやかさ
    2. 境界線を適切に保つ (あなたが他人の感情を感じるとき、それはその人の感情であり、あなたの感情ではない、としっかりわきまえていること
    3. 相手の話を聴く際、こちらが理解していると相手に伝える能力
    o 相手の力が不十分だと、価値あるものを任せられない。相手の力が強すぎると、こちらの弱さを理解してもらえるとは感じられない (両方とも信頼は成立しない)
    o 信頼を確立するには、こちらが十分に弱さをもった、自分と同一化できる存在であり、「似ても似つかない」存在ではないと分かってもらわなければならない。その上で、十分に強さを持つ、頼りになる存在だと感じてもらわなければならない
    * 現実と向き合う
    o 現実回避を生み出すもの
    1. 強い思い入れ
    2. 軌道修正の恐怖
    3. プライド、全能感、傲慢さ、大風呂敷、自己愛
    o 真実を求めることは三つの方向のバランスで成り立つ
    1. 外部環境をありのままに理解する
    2. 他者からのフィードバックを自ら進んで求める
    3. 自分自身によるフィードバック、自分自身の考えや行動、姿勢、気持ち、能力、選択、価値観、願望、才能などについて自分自身で監視する
    * 物事を成し遂げる
    o 高業績を上げる人は「定石」に基づいている。行動や思考、他人とのかかわり方に共通のパターンがある。そのパターンとは、その人の知識やスキルよりも、その人が「何者なのか」に関係する
    o 最高の生き方をする人は、いくつかの面ではっきりとしたアイデンティティ(自己像)をもっている。彼らは自分の境界線の中に安定して存在しており、自分の好き嫌いや、自分が信じ価値をおくものが分かっており、愛するものと嫌悪するものが分かっている
    o 障害にぶつかったときにあきらめず、何か方法があるはずだと信じ、見つけるまでやめないという能力は、人間の最重要の能力 のひとつである
    o 勝者と敗者の違いは、勝者は負け方が上手だが、敗者は下手だということである
    o 上手な負け方
    1. 見切りをつける
    + 何かに失敗して回復不能になったら、その時は白旗を掲げて降参し、見切りをつけ、」過去のものとすべき時である
    2. 見切りをつけてから振り返る
    + 希望を放棄し敗戦を受け入れたら、原因を究明し、把握して、そこから教訓を学び取らなければならない。再び同種のことを手がける前にこれをしておけば、次に同じ失敗を繰り返さずに済む
    * 逆境から学ぶ
    o インテグリティを備えた人はマイナスの事態を回避せず、反対に、積極的に取り組んで解決する
    o インテグリティを備えた人はマイナスの事態を苦痛だとだけ捉えずに、改善と成長・発展のチャンスだと捉える
    o 本人と結果は別物である。成果を上げる人は、たとえどんなことが起きても安定した自意識を保持する
    o マイナスの出来事から立ち直るのに必要な能力にひとつは、自分を状況から切り離すことである。アイデンティティとは、その人が何者なのかであり、何をするかや結果ではない。アイデンティティと行動の結果を同一視すると、その人は存在しないに等しい。出来事だけが問題になるからだ
    o 自己愛を治療するには、自分の弱みや失敗を受け入れてそれを愛し、自分という存在が「何をするか」で決まるのではなく、「何者なのか」によって決まるということに気づかなければならない
    o 人生には二つの順番しかない 「先憂後楽と先楽後憂」
    * 成長・発展する
    o 成長にはリスクをとることが不可欠である。リスクをとるとは、傷つく可能性が「ある場所にわが身をさらすことだ。それをするには、マイナスの結果に耐えられる人間性が備わっていなければならない
    o 人が成長しない第一の理由は、成長に向けて背中を押してくれる外の力と結びついていないことである
    + 「自分と同じ考えの人とだけ話をしていないだろうか?」
    + 「自分が確実にできることだけをやっていないか?」
    + 「意見や情報を同じ経路だけから入手していないか?」
    + 「どんなものも受け入れられる状態になっているか?」
    o インテグリティを備えた人は、人間関係、精神、知性、その他すべての領域で、同じ飢餓感と原動力の気づきを得ている。そこで彼らはバランスを創り出し、ひとつの領域での成長が他の領域での成長に結びつく。偏った成長は、人間性がどこかで統合されていないことを示す
    * 自己を超え、人生の意味を見つける
    o 自己を超える資質を備えた人は、自分勝手や自己中心を超越しており、世の中が自分を中心に回っているとは考えず、現実を見据えて生きている
    o このようには自分より遙かに大きなものがあること、さらに自分という存在が身近な関心事に留まらず、究極的にはより大きなものにつながっていることに気づいている
    o 自分自身の終着点、つまり自己利害の終着点こそが、もっと偉大な自己の出発点だ。もしより大切なもののために負けるのなら、最初の負けが最後の勝ちにつながる
    o インテグリティを備えた人は「すべては自分のため」は間違いであることに気づいており、いかなる時も、自己を超える存在に自分を適合させる能力を備えている

  • 人間性を兼ね備えていること。
    人間性とは現実が付きつける要求に応える能力。

  • ”「業績」ではなく「航跡」を見る
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    T:
    P:
    O:
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    <読書メモ>
    ・人間性とは、現実が突きつける要求に応える能力のことである(p.37)
    ・「そうか、いまわかったぞ!」という能力はとても大切(p.141)
    ・問題なくして利益なし(p.179)
    ★成長とは自分にできないことをやってみせること(p.237)”

  • Integrityに関する本。
    「現実の要求に応える能力」と訳し、6つの資質について語っている。表現が易しく、優しいながらも巧みな表現で語っており、本質は何かが理解できる

  • リーダーが持つべき力を専門能力、提携構築力、人間性と定義し、人間性の向上について解説した本。

    人間性向上の中でも一番最初の「信頼を確立する」の中では、①相手との絆を通じて信頼を確立する、②相手に尽くすことを通じて絆を確立する、③弱さを通じて絆を確立する、と詳しく説明されている。

    「信頼とはつまるところ、心の問題であり、心から相手とかかわろうとする者同士で成り立つものである。」

  • 読んでいて、心に響いてきた言葉は以下の3つ。
    ・「信頼を得る」
    自分の利害と同じくらい、相手の利害も考える。自分の事しか考えない人は、一緒にまた仕事をしたいかと問われると、したいと思われない。
    不安を相手に与える。この人は、自分のために困ったときに自分を優先する人だ、と思われるから。

    ・「現実を直視する」
    目を背けたくなるような現実に、しっかり向き合って、一つ一つ折り合いをつけていく。


    ・自分の言動をもう一人の自分が冷静な視点で上から眺めている状態をもつこと。客観的な自己観察をする。

  • 会社の研修での課題図書。アメリカ人がこんなウェットな内容とも思えるところに踏み込んでいるのが意外。

  • INTEGRITY:
    THE COURAGE TO MEET THE DEMANDS OF REALITY ―
    http://shop.jmam.co.jp/book/1240818_1453.html

  • ちょっと翻訳者と原作者の考えが強すぎるというか、若干偏っている印象はありましたがすごく反省させられるとことか勉強になることは多かったです!

    あと感想はこちらのブログにまとめてあるのでぜひ!
    http://ameblo.jp/cleversuke/

  • 今日はブックナビに初参加 皆さんの話が面白くてあっという間の二時間でした 紹介の後で、皆さんの色んな見方に触れられ、話が広がって楽しかったです
    #rlbn
    今日はブックナビに初参加 皆さんの話が面白くてあっという間の二時間でした 紹介の後で、皆さんの色んな見方に触れられ、話が広がって楽しかったです #rlbn

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著者プロフィール

臨床心理学博士。カウンセラー。
講演者。リーダーシップ・コンサルタント。
ライフ・コーチとして幅広く活躍。
南カルフォルニア在住。ベストセラー多数。
邦訳書:『境界線~バウンダリー』『スモールグループから始
めよう!』『クリスチャンの成長を阻む12 の誤解』( 以上共
著)。『リーダーの人間力』『厄介な上司・同僚に振り回されな
い仕事術』『神のシークレット』(以上ヘンリー・クラウド著)

「2011年 『聖書に学ぶ子育てコーチング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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