改訂4版 PMプロジェクト・マネジメント

著者 :
  • 日本能率協会マネジメントセンター
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820745839

感想・レビュー・書評

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  • プロジェクト憲章等の例あり。

  • PMBOK等の勉強を始める前に一読しておくと、プロジェクトマネジメントの概要を把握できるのではないかと感じた。各項目もわかりやすい。ただ、EVM(アーンドバリューマネジメント)の項目については、本書の記述だけで概要を理解するのはかなり厳しいのではないかと感じた。
    ページ数も200ページ程度、文字も大きく例示も簡易であり初学者にはとても助かる内容。常に傍らにおいて参照という類の本ではないので、図書館で借りて一読するというのが最適か?

  • ステップをきっちりと追ったプロマネ本

    目次
    <blockquote>序章 PM―標準10のステップ
    1 プロジェクト目標を明確にする
    2 作業を分解しワーク・パッケージを洗い出す
    3 役割を分担し所要時間を見積る
    4 ネットワーク図をつくりクリティカル・パスをみつける
    5 スケジュールをつくる
    6 負荷をならす
    7 予算をつくる
    8 リスクに備える
    9 進捗をコントロールする
    10 事後の振り返りをする
    </blockquote>
    図解というほど分かりやすいわけでもないが、重要な要点だけはきっちりと押さえた本。
    プロジェクトの目標は何で、その為にどのような作業ステップを重ねていくのか、
    またWBSやネットワーク図といったツールの使い方なども軽く触れている。
    一通りのことが書いてあるので、基本として持っているといいのかもしれない。

    自分は他書とセットで読み回したので、この本単独の価値としては空気みたいに感じましたが、
    共感できるポイントは多く、参考になってたんだなぁ……と後で気づきました。

    ▽関連書籍
    <a href="http://mediamarker.net/u/kotaro/?asin=4526051608" target="_blank">トコトンやさしいプロジェクトマネジメントの本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)</a>
    <a href="http://mediamarker.net/u/kotaro/?asin=4798110809" target="_blank">実務で役立つプロジェクトマネジメント (PM magazine)</a>

  • 入門編だが、しっかりと体系立てられていてわかりやすい。

    ▼プロジェクトとは?
    通常行とは異なる独自の目標を達成するために、期間を限定して行う業務。それは、①時間、②資源(人、モノ、金)、③スコープ・品質の3つの要素を管理し、バランスを取りながら行う。

    ▼プロジェクト・マネジメントとは?
    一連の技法、プロセス、システムを駆使して、プロジェクトを効果的に計画、実行、コントロールすることである。

    ▼PMの標準10のステップ
    ■立ち上げ
    ①プロジェクト目標を明確にする
    成果物⇒プロジェクト目標(文書)

    ・目標を明確にするに
    1.真のニーズを把握する
    2.最終成果物を決める
    3.3つの要素の優先順位を決める
    ※目標は明確に「SMART」
    Specific =具体的であること
    Measured=測定可能であること
    Achievable=達成可能であること
    Realistic=現実的であること
    Timed=達成時期が規定されていること

    ■計画
    ②作業を分解し、ワーク・パッケージを洗い出す
     成果物⇒WBS、作業記述書
    ③役割を分担し所要期間を見積もる
     成果物⇒役割分担表、見積作業量、見積所要期間
    ・タスクごとの責任者、支援者を決める
    ・可変時間作業
    ┗投入する資源の量によって所要期間が変わる作業
    ・固定時間作業
    ┗資源を投入しても変わらない作業
    ・所要期間見積もりのステップ
    1.過去の実績を参照にする
    2.変数を重みづけして織り込む
    3.作業の特性を見極める

    ④ネットワーク図を作りクリティカル・パスを見つける
     成果物⇒ネットワーク図、クリティカル・パス分析
    ・クリティカル・パス
    プロジェクトの全工程を最短時間で完了するために重要な作業経路。

    ⑤スケジュールを作る
     成果物⇒ガント・チャート

    ・マイルストーンを決める

    ⑥負担をならす
     成果物⇒要員負荷ヒストグラム

    ⑦予算を作る
     成果物⇒予算表、予算グラフ
    ・アーンド・バリュー・マネジメント
    ┗予算および予定の観点からプロジェクトがどのように遂行されつつあるかを定量的に評価するプロジェクト管理の技法。

    ⑧リスクに備える
     成果物⇒予防対策、発生時対策、トリガー・ポイント

    ■実行と監視・コントロール
    ⑨進捗をコントロールする
     成果物⇒現状報告書、アクション・プラン、現状報告会

    ■終結
    ⑩事後を振り返る
     成果物⇒プロジェクトの教訓

  • [読んだ理由]==================
    職場の先輩に勧められて。

    [読んだ後の感想]==============
    難しいことは何も書いてなくて、平易な内容。平易なだけに、実際には自分がやっていない作業か否かが、いちいちよく実感できてしまう。演習もいっぱいあるし、やはり実際に実施することが大事。本書内に出てくる下記、耳が痛い。
    「プロジェクト・マネジメントのセミナー等で計画の大切さを強調しています。すると、受講者から受ける指摘があります。それは「計画が大切なことは分かったが、計画策定の時間はありません。忙しくて!」というものです。この指摘は世界中で出されるものなのですが、洋の東西を問わず、コンサルタントの解答は同じです。「なるほど、たしかにみなさんとても忙しそうだ。計画策定のための時間がないというのも本当かもしれない。でもよくみてみると、やり直しをする時間はいくらでもあるんですね」」


    [備忘録]======================

    ■序章:プロジェクト・マネジメント 標準10のステップ
    ①プロジェクトは当初の期限通りに完了したか?
    ②プロジェクトは当初の予算内で完了したか?
    ③プロジェクトの成果物の品質は当初のスペックを満足したか?
    この3つの質問の全てに自信を持って「はい」と答えられる方は、あまり多くないのではないか。

    良い例では、プロジェクトそのものがうまくいくだけでなく、次のプロジェクトに其の教訓が活かされる。上手くいかないプロジェクトでは、次のプロジェクトに其の教訓が生かされず、毎回同じようなサイクルを繰り返す。それぞれのサイクルが繰り返dされると、教訓の蓄積の差はどんどん広がる。

    プロジェクトとは、通常の業務とは異なる独自の目標を達成するために、期間を限定して行う業務である。それは①時間、②資源(人、物、カネ)、③スコープ・品質、の3つの要素を管理し、バランスを取りながら行う。


    ■ステップ1:プロジェクト目標を明確にする
    プロジェクトの目標を明確にする方法:
    1.真のニーズを把握する
    2.最終成果物を決める
    3.3つの要素(時間/資源/スコープ)の優先順位を決める

    ⇒下記のポイントを盛り込みつつ、1/2/3を文章で表す。
     ・「誰が」プロジェクトの実施を望むのか
     ・「何を」プロジェクトの最終成果物と望むのか
     ・「なぜ」プロジェクトの実施を望むのか。
      依頼者はどんな課題を解決したいのか。
     ・「いつまでに」プロジェクトを完了したらよいか
     ・「いくら」の予算があたら得られるか。

     下記チェックポイントも確認
     ・具体的で明確な言葉を使っているか
     ・制約条件は絶対的なものか
     ・制約条件を満たさない場合、どんな事態になるか分かっているか
     ・最終成果物は明確か
     ・最終成果物についての成功の判断基準は数値化しているか?

    ⇒変更管理の手順を決める
    ⇒プロジェクトの基本ルールを決める
     プロジェクトの構成メンバと役割、責任、権限など。

    ⇒プロジェクトファイルにまとめる


    ■ステップ2:作業を分解しワーク・パッケージを洗い出す
    1.WBS(Work Breakdown Structure:作業分解図)を、メンバーで集まって作る。
     プロジェクトを先ず大きな単位で分解し、その後細分化していく。
    2.作業を表に纏める
    3.個々の作業につき「作業記述書」を作る


    ■ステップ3:役割を分担し所要期間を見積もる
    1.メンバーのスキル・経験に応じて、各作業に責任者と支援者を割り当てる。
     責任者は一人とする。「連帯責任は無責任」という状態を回避するため。
    2.役割を分担したら、ココのメンバーが引き受けた役割を実行するという約束を取り付ける。
     単なる口約束(Promise)ではなく、必ず実行する(Commitment)という確約。
    3.各作業の所要期間を見積もる。
     ⇒作業内容を「○○を××する」と明確に規定する
     ⇒過去の類似プロジェクトから、今回の見積もりに役立つものを選んで、その実績を参考にする


    ■ステップ4:ネットワーク図を作りクリティカルパスを見つける
    ・ネットワーク図を作る2種類のアプローチ
     ・右脳アプローチ
      ・ポストイットなどにワークパッケージを書き出し、それを並べていく
     ・左脳アプローチ
      ・各作業の直前作業を確認していき、それぞれをつなげていく

    クリティカルパス:ネットワーク図で、開始から終了までで最も長い時間を要する経路
    ・往路分析:最早開始、最早終了を求める
    ・復路分析:最遅終了、最遅開始を求める(後続作業の着手を遅らせずに済むギリギリ)

    フロート:スケジュール上の余裕期間。最遅終了と最早終了の差。

    クリティカルパス分析の意義:
    ・プロジェクト全体の所要期間が分かる
    ・いつどの作業をするのかが分かる
    ・ある作業の終了が遅れた場合の、プロジェクト全体に与える影響が分かる
    ・プロジェクトの期限を守るために注目すべき箇所がわかる
    ・どの作業にどれだけフロートがあるか分かる


    ■ステップ5:スケジュールを作る
    ガントチャート:
    ・プロジェクトのすべての作業がリストアップされており、一覧でわかる
    ・プロジェクトの各作業の所要期間と、合計所要期間が分かる
    ・どの作業をいつ行うかが、ひと目で見て分かる
    ・どの作業をいつ行うかについて、フロートを見れば、裁量の余地が分かる
    ・進捗管理は、クリティカルパスに集中して行うことができる
    ・計画と実績を対比して図示すると、プロジェクトの進捗の状態がわかる
    ・プロジェクト全体について現時点でのあるべき姿との差異がわかる

    クリティカルパスを短縮する方法
    ①終了・開始型の前後関係がある作業で、先行作業の成果物がある程度出来上がれば後続作業を開始できる時は、そこから作業を並行して行う
    ②作業の前後関係を組み直し、実施する順番を変える
    ③作業を更に細分解し、並行して行う
    ④フロートのある経路から、クリティカルパスへ要員を移す
    ⑤残業やシフト勤務、要員の追加、外注の活用
    ⑥プロジェクトそのものに起因するような根本的な障害は、プロジェクトの依頼者を交えて、取り除く。
    ⑦すコープを削減する

    ※⑤⑥⑦は依頼者の同意も必要。


    ■ステップ6:負荷をならす
    まず現状を把握する。その方法:
    ・各メンバーの担当をガントチャート上に書き込む
    ・各メンバーの負荷を推測してガントチャート上に書き込む
    ・各メンバーの負荷を算出してガントチャート上に書き込む


    ■ステップ7:予算を作る
    プロジェクトの現状を把握し、報告するのは厄介なこと。その背景には、プロジェクトがいわば不定形なシロモノで、とらえどころがないことがあげられる。スケジュールと予算を一元的に把握する手立てがない。

    EVM(Earned Value Management):スケジュールと予算を一元的に把握し、メトリックスで表示・報告しようという手法


    ■ステップ8:リスクに備える
    リスク分析の手法:
    1.リスクを識別する
     時間、資源(ヒト/モノ/カネ)、スコープ/品質について。
    2.各リスク事象の原因を考え、評価する
     発生の確率と影響、2つの観点から。
    3.予防対策、発生時対策、トリガーポイントを決める

    ↑これは定性的リスク分析。他にも定量的リスク分析がある。期待値分析、デシジョン・ツリー分析、モンテカルロ・シミュレーションなど。


    ■ステップ9:進捗をコントロールする
    ・計画のコントロール:
     1.実績データを集める
     2.実績を計画と較べる
     3.差異の原因を究明し、影響を分析する
      原因の究明は表面的なことに留めず、真の原因を究明する
     4.是正措置を講じる

    ・スコープの変更のコントロール
     1.変更要求を文書に纏める
     2.要求を台帳に登録する
     3.変更の理由と効果を評価する
     4.プロジェクトへの影響を評価する
     5.採用/不採用/延期を決定する
     6.計画を盛り込み、関係者に通知する


    ■ステップ10:事後の振り返りをする
    ・事後の振り返り会議で取り上げるポイント
     ・スコープについて
     ・スケジュールについて
     ・予算について
     ・進捗コントロールについて
     ・チームとして
     ・依頼者、取引先、他部門との関係について

  • プロジェクトマネジメントの基本の基本といった感じ。200ページくらいのさっと読むにはちょうどいい分量で、簡単に勘所を掴むくらいには悪くない。

  • 必要になると思っていなかったので、ずっと放置していたのですが、ある時突然、Projectに巻き込まれ、まさかのなんちゃってPMに。

    コンピュータシステムのプロマネもどきはなんどもやってきましたが、普通の業務上のProjectマネジメントなんてやったことが無く、WBSもどっから手をつけて良いかわからず、右往左往していました。

    そんなとき、当時の上司から勧められたのがこの本の第三版。

    話としてはすごくスッキリした内容でGoodだと思います。
    この本は本当に初心者のためのPM本です。
    SE向けではなく、どのようなプロジェクトにも通用するように作ってあります。
    スコープの明確化、WBSの設定、ガントチャートの使い方、、、
    どうしてプロジェクトなのかなどなど初めての方にはうってつけだと思います。

    結局、難しく考える必要はなくプロマネの役目は遠足の実行委員と一緒だと一言で表現されて当時は全くピンと着ていませんでしたが、今は十分に「あぁ、なるほど」と思っています。

    ですので、当時はむかむか着ていましたが、今では感謝しております。
    ありがとうございました。

    若さって罪ですよね。特に精神的な若さ。何でもやれるけど、相手に対する敬意も配慮もない。

    この本には、その内容以上に勉強させてもらった、そういうポジションのものです。

  • 必要になると思っていなかったので、ずっと放置していたのですが、ある時突然、Projectに巻き込まれ、まさかのなんちゃってPMに。

    コンピュータシステムのプロマネもどきはなんどもやってきましたが、普通の業務上のProjectマネジメントなんてやったことが無く、WBSもどっから手をつけて良いかわからず、右往左往していました。

    そんなとき、当時の上司から勧められたのがこの本の第三版。

    話としてはすごくスッキリした内容でGoodだと思います。
    この本は本当に初心者のためのPM本です。
    SE向けではなく、どのようなプロジェクトにも通用するように作ってあります。
    スコープの明確化、WBSの設定、ガントチャートの使い方、、、
    どうしてプロジェクトなのかなどなど初めての方にはうってつけだと思います。

    結局、難しく考える必要はなくプロマネの役目は遠足の実行委員と一緒だと一言で表現されて当時は全くピンと着ていませんでしたが、今は十分に「あぁ、なるほど」と思っています。

    ですので、当時はむかむか着ていましたが、今では感謝しております。
    ありがとうございました。

    若さって罪ですよね。特に精神的な若さ。何でもやれるけど、相手に対する敬意も配慮もない。

    この本には、その内容以上に勉強させてもらった、そういうポジションのものです。

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著者プロフィール

1978 年、国際基督教大学大学院修了。
京セラ(海外営業)、インテル(国際購買、法務部長、人事部長)など、日米の有力企業に約20年間勤務。その間に、海外での半導体工場の立ち上げ、トップ・マネジメント間の大規模国際会議など、数多くのプロジェクトにプロジェクト・マネジャーとして参画。
その後、プラネット株式会社を設立し、日本およびアジア地域のビジネスパーソンを対象に、プロジェクト・マネジメント技法の研修、コンサルティング・サービスを提供。
現在、プラネット株式会社コンサルタント。
PMI会員、PMI日本支部アドバイザー、PMP、『PMBOKⓇガイド』翻訳検証委員(第2 ~7 版)。
PMAJ 会員、PM学会会員。
著書・訳書 『PMプロジェクト・マネジメント入門』(マリオン・E・ヘインズ著、翻訳)、『リーダーの人間力』(ヘンリー・クラウド著、翻訳)、『PMプロジェクト・マネジメント クリティカル・チェーン』(共著)など、以上いずれも日本能率協会マネジメントセンター刊のほか、著書・翻訳書多数。

「2022年 『改訂7版 PMプロジェクトマネジメント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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