パフォ-マンス評価: 子どもの思考と表現を評価する (日本標準ブックレット No. 7)

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  • Amazon.co.jp ・本 (69ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820803133

感想・レビュー・書評

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  • パフォーマンス課題に関する研究を進める中で、多くの論文に載っていた本書を手に取り読破。
    70ページ程しかないブックレットなので、すぐに読み終えることができた。

    今から15年以上前の本であり、著者はおそらく先進的に算数科におけるパフォーマンス課題を取り入れてきた第一人者だと思う。
    多大な時間と労力がかかる、言語による場面設定の限界、ルーブリック作成の難しさなど、本書で挙げられていたパフォーマンス課題のデメリットは、この1年の自身の研究を通しての気づきと共通する部分が多かった。
    テストという文脈自体は変えることができないため、解法は数学的でなければならないという暗黙のルールがあるという点に大きく共感した。

    印象的であったのは、パフォーマンス課題は指導に活かす評価(形成的評価)を行うことを目的としているという点。自分自身、総括的評価に向けた算数科のパフォーマンス課題について研究してきたので、驚きも大きかった。

    昔の本を読むと、不易流行の不易の部分がよく分かる。このブックレットシリーズは読みやすくてよかった。


  • ペーパーテストでは量りにくい生徒の能力をどのように量るか。
    と考えてパフォーマンス課題&評価にたどり着きました。
    まだ実践できていませんが、今までとは異なる視点で評価に挑めそうな気がします。

  • パフォーマンス評価について
    短くかつ、わかりやすく書いてある

    事例も載ってて、
    教育評価に詳しくない人でも読める本

  • ここ数年、現代文の授業で、生徒自身が読解したものを展開図やイラスト等で表現するという授業を続けている。穴埋め式のワークシートに「誘導されている」と違和感を示していた生徒にも好評で、各生徒の興味の向き方や偏り方、誤読の仕方も含めて各自の読みの過程を客観化できるという点では良い取り組みだと思っていた。しかし、教員の添削は受けるものの、せっかく生徒が表現したものも十分な評価を経ずに、最終的にはペーパーテストで評価されるだけで終わってしまうのが課題だった。

    この本で紹介されているパフォーマンス評価は、いわゆるペーパーテストでは評価しきれない各生徒の読みの過程として表現されたものを評価するには有効だと思った。また、年数回の定期考査で学力を評価できると思い込みがちな高校教員には新鮮だった。ただし、これらの実践例が書店で並ぶ場合、その大半は小中学校の実践となってしまう。一昔前に高等学校は「国民皆教育機関とも言うべきもの」となっていると言いながら、現実は違うのだと改めて感じつつ、自分の授業の現状と可能性について考えさせてくれた一冊。

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著者プロフィール

京都大学高等教育研究開発推進センター教授。京都大学博士(教育学)。
京都大学大学院教育学研究科博士後期課程学修認定退学。京都大学教育学部助手、群馬大学教育学部助教授、京都大学高等教育教授システム開発センター助教授を経て、2004年より現職。現在、日本カリキュラム学会代表理事、大学教育学会副会長、日本学術会議会員等を務める。専門は、教育方法学、大学教育学。とくに能力、学習、評価をテーマに研究と実践を行っている。
主な著作に、『パフォーマンス評価』(日本標準、2007年)、『〈新しい能力〉は教育を変えるか:学力・リテラシー・コンピテンシー』(編著、ミネルヴァ書房、2010年)、『高校・大学から仕事へのトランジション:変容する能力・アイデンティティと教育』(編著、ナカニシヤ出版、2014年)、『ディープ・アクティブラーニング:大学授業を深化させるために』(編著、勁草書房、2015年)、『アクティブラーニングの評価』(編著、東信堂、2016年)、Deep Active Learning: Toward Greater Depth in University Education(ed., Springer, 2017)など。

「2020年 『教育のディープラーニング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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