だから数字にダマされる

著者 :
制作 : 日経デジタルマーケティング 
  • 日経BP
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本棚登録 : 191
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822235574

作品紹介・あらすじ

「最近の若い人は内向き志向で海外旅行に興味がない」--。これ、ウソです。統計調査やアンケートの結果は、そのまま受け止めると実態とズレが生じてしまいます。
日本からの海外渡航者に占める20代の比率が大きく下がっている。これは事実。しかし20代の人口そのものが少子化で大きく減っているのだから、20代の渡航者も減るのは当然です。20代の中で渡航者の割合をみると、80年代後半のバブル期の20代よりも上回っています。「若者の海外旅行離れ」はかなり無理がある。ウソと言っていいでしょう。

「若者の○○離れ」と言われているものの多くが、実は離れていなかったり、離れはしたが他世代も同様に離れていたりします。そして若者に限らず、こうしたイメージだけでレッテルを張っている例が随所に見られます。
いわゆる「統計にダマされない」系の類書は、「数字で一般人をダマして買わせようとする悪い大人がいるから、惑わされないようにしよう」という趣旨ですが、実際のところ、学者やアナリストら統計のプロらも意図せず検証を欠いたデータを公表し、それをメディアが無批判にニュースとして報じることで、おかしな数字が悪意なくニュース視聴者・閲覧者に届いてしまっているのが実情です。
本書ではそうした具体的な事例をケースに分けて紹介し、違った角度からの見方を提示しました。

これって、ホント? ウソ?
○消費不況の元凶は、モノを欲しがらない若者のせい?
○内向き志向の若者急増で「海外旅行」に興味ナシ?
○「キレる若者」が急増しているのは教育が悪いから?
○禁酒すると早死にする?朝食を食べると頭が良くなる?
○英語教師のTOEICスコアが高いと生徒の成績が上がる?
○「使えない人材」を輩出するワースト1位は〇〇大学?

感想・レビュー・書評

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  • 「若者の●●離れ」「昔はよかった」の9割はウソ

    というサブタイトルに惹かれて借りてしまいました。

    この本は「若者の●●離れ」と言われるが本当か?から出発して書かれた本だそうです。

    データから出たと言われる通説はちょっとデータの見方を変えたり、元になっている数字を精査すると、「あれあれ、違うじゃん」な結果が出てきました。

    たとえば選挙の投票率の低下は若者よりも30~40代のほうが深刻だとか、「キレる若者の増加」は嘘で、むしろ「キレる老人」のほうが増えているとか(これは確かに実感)

    データは正しく読み取らなければならないと思った一冊。

    また、本当に正しいデータを出すつもりなら設問もよく考えて作らないとトンデモな結果が出てくることもある、ということも書かれてました。ま、新聞の世論調査って、自分とこの新聞の思想に合った結果が出ればいいので、その辺は気にしないかもしれませんが・・・ってマスコミそれじゃあアカンのでは・・・

  • ビール離れは若者世代が多いのか。
    交際経験の無い若者は本当に増えているのか。など。
    統計の側面をわかりやすく教えてくれます。言われてみればその通りだなと、気付き与えてくれます。

  • まあ、そうですよね、という感想。
    これ自体も、もう6年前、 
    つまりコロナ前ですからね。
    ちょっと求めているものと違いました。

  • 思い込みや、少し作為的に事実のある一面だけにフォーカスしたデータに騙される例等を出して、解説を加える。

    確かに、センセーショナルな表題と、一見事実そのもののようなデータを出されると、思わず信じてしまいそう。
    そのデータの背景や条件も確認しないと、数字だけが一人歩きするだろう。

    まず疑いの目で見ることが大切だな。

  • センセーショナルな見出しの「若者の○○離れ」、自分の経験での比較でしかない「昔はよかった」
    方々の根拠にしているデータを、いったん疑って見ると「これって本当に正しいの?」と言えるかどうか提起してくる1冊
    ひとつひとつの事例は短いので「数字に騙されるな!」というビジネス書(で合っているか分からないが)の系統とは違ってゆる~く読めた
    調査会社が異なる、設問が異なる、人口比が異なる等々アンケートの結果を鵜呑みにしないというジャンルの入り口にはいいと思う

  • メディアの話題作りのための数字の裏を見抜く。

  • 若者の〇〇が減っている、と聞いたら単純に人口減の影響がないか、考える。
    アンケート調査の場合、設問の仕方によって傾向が変わる場合がる。
    キウイの消費量は、半分が60代以上。
    保育園建設の反対が最も多いのは40代女性。

    若者はむしろ犯罪離れ、切れるのはむしろ老人。暴走老人対策。65歳以上の検挙人員が増えている。

    初めて調査するのに「異変」が起きている、との表現はおかしい。事前の思い込みがないか。
    コメダコーヒーは昭和型喫茶店で成功した。喫茶店の減少=不人気ではない。

    月曜日は祝日が多いので、年間数字は少なくなる。
    教師のTOEICスコアと、生徒の成績は関係がない。

    禁酒者の中には、ドクターストップの人もいるので、統計上注意が必要。

    アパホテルは、日によって値段が違うが、最大1.8倍、最低5000円前後。ブランドを壊さないため。
    Google+がアンケートで使用者が多く出るのは、検索エンジンのGoogleと誤認している人がいるから。

    メディアは珍しいこと、意外なこと、をニュースにする。数が減ると、ニュースになるので、多くなったような気がしてしまう。
    見たいと思う現実しか見ない罠。

  • ノウハウではなく 事象の分析と解説がメイイ

  • データはちゃんと確認しないと。

  • 3,4ページの議題が50コくらいある。最初の方は面白かったが尻すぼみというか、飽きてくる。

    ◯分母はそれであってるのか?
    「20代の出国者数/全出国者数」or「20代の出国者数/20代人口」

    ◯他年代と比べてみたか?
    酒税up取締り強化により中年もビール離れが進んでる

    ◯調査方法はどうか?
    スマホ?パソコン?電話?選択肢は?設問文は?結果はつくれる

    ◯先入観思い込みは悪

    ◯若者のせいにする前にやることはある
    走りのスバル→安心と愉しさを
    ネットの活用

    ◯メディアは珍しいこと意外なことを報じたがる

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著者プロフィール

1921年生まれ。[現職]東京大学名誉教授。[専攻]憲法学・法哲学・人間学。
『憲法の構成原理』東京大学出版会,1962。『日本国憲法の問題状況』岩波書店,1963。『憲法秩序の理論』東京大学出版会,1986。『憲法学の基本問題』有斐閣,2001。『法の人間学的考察』岩波書店,2002。

「2005年 『東北アジアの法と政治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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