抵抗勢力との向き合い方

著者 :
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822238483

作品紹介・あらすじ

敵は社内にあり!
隠れた抵抗を見逃すな

 今やどの企業でも働き方改革が急務になっています。会社によっては働き方改革のプロジェクトチームが立ち上がったところもあるでしょう。
なかにはプロジェクトチームのリーダーに指名されたり、メンバーに加わることになったりした人もいるかもしれません。
 そうした人たちが必ずぶつかる大きな壁があります。社内の「抵抗勢力」です。働き方改革に限らず、業務改革などの変革を起こそうと思えば、抵抗は必ず発生します。「必ず」です。
 抵抗する理由は様々ですが、1つだけ確実にいえることがあります。
それは「人は変化を嫌う」ということです。だから抵抗勢力が発生するのは、当然のことなのです。
 では、抵抗勢力とはどう向き合えばよいのでしょうか。数々の働き方改革や業務改革を支援してきた変革のプロである、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの榊巻亮氏が、実例に基づいて解説します。
 ポイントは2つ。1つは「人が変化に対して抵抗するのは生理現象。最初からそういうものだと分かってさえいれば、感情的にならず、冷静に対処できる」。
もう1つは「自分が変革を推進する側になると、推進側が“正義”で、『抵抗する側が悪い』と捉えてしまいがち。しかしそうではなく、抵抗する側には抵抗する側の正義があり、論理があることを理解し、まず相手に共感すること」です。

 抵抗レベルは表に見えるものや隠れているものなど、4段階に分かれます。
本書では4つの抵抗レベルおよび変革プロジェクトの3つのフェーズごとに、抵抗勢力との接し方を解説。最終的には抵抗勢力を味方に付ける技を伝授します。

感想・レビュー・書評

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  • 「成功する変革プロジェクトは必ず2つの質が伴っている。」というフレーズが出てくるが、2つの質が成否を分ける肝に感じる。
    企画の質がプロジェクトに対する目利きとすれば、態勢の質はプロジェクトの活力という印象。いくらプロジェクトがしっかりと考えて定義、構成されていたとしても、関わる人の意欲が低ければうまくいくものもうまくいかないだろう。

    態勢の質を下げる要因になるものが抵抗勢力であり、抵抗勢力は必ずしも抵抗すること自体が目的ではない。抵抗するに至った理由が必ずある。そのきっかけとなるのが、抵抗する側が感じる疎外感や不信感。抵抗する側の「初めはモヤモヤや違和感であったものが、徐々に抵抗の強さが増す」という点は常に忘れずにいたい。それと同時に、抵抗勢力に育てない、抵抗の気持ちが育たないうちに解消することが重要。

    「人はとにかく変化や不確実なことを嫌う」というのは非常に納得感がある。変化や不確実なことがそのまま不安な気持ちにさせ、不安に思う気持ちがモヤモヤや違和感につながるのではないだろうか。
    共有と共感を大切に、小さなモヤモヤや違和感の段階で解消していけるように努めたいと思う。

  • 6回説明して6割の理解しか得られない
    反対意見をぶつけるのではなく、足りなかった情報を共有する。
    ぶつかり合う意見はホワイトボードに書いて共通の敵とする。
    氷山の上ではなく、氷山の下にある価値観のすり合わせを行う。
    ゴールだけでなくコンセプトと必要性を詰めて、プロジェクトゴールの納得性を高める。
    経営陣を使い倒すためにプロジェクトに関心を持ってもらう。こまめに報告する。決めてほしい動いてほしいことを明確にする。
    抵抗と向き合うには人と向き合うこと。

  • プロジェクトで抵抗勢力が生まれ頓挫したことをきっかけに、改めて抵抗勢力との向き合い方を学ぼうと思って購入。
    抵抗勢力でも、会社を良くしたいという思いは同じということには共感。抵抗勢力を、状況や役職ごとにその人の思考をベース分類・分析されていて、なるほどと思うことが多かった。肝心の「向き合い方」についても、著者が経験・実践されてきた取り組みが数多く紹介されていて、実践的な本だった。PMをやるなら読んでおきたい本。

  •  なかなか過激なタイトルですが、実際は抵抗勢力になりうる潜在層を仲間につけるための「ソフトランディング」について丁寧に書かれてる本です。

    結託して強行突破!とかそういうことな書いてなく、論理的に話すとか、相手が理解してない部分を理解して説明するとか、明確な抵抗勢力が居ない場合でも参考になるか書籍です。

  • 現場で使えそうなセリフが載っていたので試してみようと思います。

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    第1章 抵抗とは何かー抵抗は至るところで発生する/第2章 計画策定期ー隠れた抵抗に対応する/第3章 計画策定期ー表立った抵抗に対応する/第4章 施策実行期ーサボタージュに対応する/第5章 立ち上げ期ー「立ち上げ期」の重要性を知る/第6章 立ち上げ期ー納得度が高いプロジェクトゴールを定める/第7章 立ち上げ期ープロジェクトチームの熱量を上げる/第8章 立ち上げ期ー経営陣を味方に付ける

  • ■書名

    書名:抵抗勢力との向き合い方
    著者:榊巻 亮

    ■概要

    敵は社内にあり!
    隠れた抵抗を見逃すな

    今やどの企業でも働き方改革が急務になっています。会社によっては働き方改革の
    プロジェクトチームが立ち上がったところもあるでしょう。
    なかにはプロジェクトチームのリーダーに指名されたり、メンバーに加わることに
    なったりした人もいるかもしれません。
    そうした人たちが必ずぶつかる大きな壁があります。社内の「抵抗勢力」です。
    働き方改革に限らず、業務改革などの変革を起こそうと思えば、抵抗は必ず発生します。「必ず」です。

    抵抗する理由は様々ですが、1つだけ確実にいえることがあります。
    それは「人は変化を嫌う」ということです。だから抵抗勢力が発生するのは、当然のことなのです。

    では、抵抗勢力とはどう向き合えばよいのでしょうか。数々の働き方改革や業務改革を
    支援してきた変革のプロである、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの榊巻亮氏
    が、実例に基づいて解説します。
    ポイントは2つ。1つは「人が変化に対して抵抗するのは生理現象。最初からそういうもの
    だと分かってさえいれば、感情的にならず、冷静に対処できる」。
    もう1つは「自分が変革を推進する側になると、推進側が“正義"で、『抵抗する側が悪い』
    と捉えてしまいがち。しかしそうではなく、抵抗する側には抵抗する側の正義があり、
    論理があることを理解し、まず相手に共感すること」です。

    抵抗レベルは表に見えるものや隠れているものなど、4段階に分かれます。
    本書では4つの抵抗レベルおよび変革プロジェクトの3つのフェーズごとに、抵抗勢力との
    接し方を解説。最終的には抵抗勢力を味方に付ける技を伝授します。
    (amazon.co.jpより引用)

    ■感想

    調整事の1番の問題点とも言っていい、抵抗勢力。
    その抵抗勢力への対応の仕方を記載している一冊。
    根本的に、ここに記載してある方法について、間違えは無いと思います。
    本当に大事なのは、ここに記載してある方法を実施するための勇気と行動力
    コミュニケーション能力だと思います。
    また、言いたいことを言える力がないと、そもそも、ここに記載されていること
    は絶対に実施できません。
    奥手な人、苦手な人と話したくない人は、そもそも、この本以前にこういう仕事に
    向いていないので、あきらめた方がいいと思います。
    ここに記載されている内容を実施できる、勇気と行動力を持っていることが
    全てかな?と感じました。

    個人的には、共感が多い、響く本でした。

    ■気になった点

    ・抵抗する側にも理屈があり、正義がある。

    ・全体最適をすれば何かが犠牲になる。

    ・抵抗は生理現象で、必ず発生する。

    ・抵抗は4段階の4強さがあり、成長する。

     1. モヤモヤ、違和感
     2. まっとうな指摘
     3. 何が何でも抵抗
     4. 潰しにかかる

    ・隠れた抵抗(レベル1)を見逃すことが、プロジェクトの失敗に直結する。

    ・抵抗の兆候は、オン、オフでチェックして細かい抵抗もつぶしていく。
      ※オンは正式な打ち合わせ、オフは打ち合わせ後の雑談、メールでの情報共有

    ・抵抗に対して、説得や正当性の主張は意味がない。
     まずは、こう考えていましたという事実を同じ目線で話す。
     そして、相手の意見を受け入れ、コミュニケーションの誤解を解き、本当の課題を
     共有し、一緒に解決する方向に話を導く。

    ・敵は、抵抗する人や批判する人、推進する人ではない。
     課題、問題が敵だ。そこを間違えると、対立してしまう。

    ・メンバーが入れ替わったり、不満がくすぶっていると感じるときには、不満ぶちまけ会
     を実施する。

    ・無駄と分かっていても、かかわる人のスッキリ感が満たせる場合には、それを実施して
     その人をスッキリさせた方がプロジェクトのためになることがある。
     ※ただし、ここは時間、工数との相談になる部分ではあるので、何でもかんでもやればいい
      ということではない。

    ・今の立場から離れて考えてもらうため

     「この業界に新規参入する会社がゼロからこの仕事を設計するとして、同じやり方をしますでしょうか」

     と聞いてみる。そうするとほぼ100%、しないだろうねという回答が来る。
     ただし、現状では、うちでは無理という言葉が続くが、それでも視点を変えるにはよい質問である。

    ★・「現状の課題」という言い方をするとその人達の過去を否定することになってしまう。
     そのため、「将来の要件に対応するための課題」という言い方に変える。
     この場合、「新たな要件に対して、今のシステムで対応できないことは、当然あり得ることで
     担当者レベルで非は無い」というロジックになるので、話をしやすくなる。

    ・相手の反対意見を撤回しやすくするには、「前提が変わりましたから、」という枕詞で
     質問すると、相手も答えやすい。

    ・誰が話そうがいいプランはいいプランは現実的に通じにくい。
     誰が話すかが重要な場面もある。

    ・指摘、批判は敵ではない。

    ・立場が違えば、意視点が違い、見が違う。当然のことである。
     あまりに当然なのだが、批判を敵と認識しているとこの当然が分からなくなる。

    ・人は何をするかではなく「なぜするか?」で動くものである。

    ・そもそも論、素朴な疑問は、問題の本質に迫る重要な質問である。

    ・打ち合わせの冒頭で、テーマを決めて2-3分の雑談(アイスブレイカー)を実施すると
     心理的な壁が低くなる。

    ・PJチームは経営陣を徹底的に使い倒すぐらいの気持ちでいい。
     上に遠慮することほどダメなことは無い。

  • 明示的な抵抗勢力に限らず、意欲のない無言の抵抗勢力にも配慮した良書。仕事の段取り全般に通じる。

  • 抵抗には「4段階」の強さがある。「隠れた抵抗」を見逃すな。

  • 仕事で使いそうなので読んでみた。目新しいことが書いてあるわけではないけど、現実的で出てきそうなツボが網羅されていた。しかしこれを職場の人に読んでもらうというのもなかなか難しいものであるかなあ。

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著者プロフィール

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(株)
1980年生まれ。ダイワハウスに入社。08年ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズに転職。以来、計画策定を行うプラニングフェーズを中心に、建築、金融、通信、運送など幅広い業種でプロジェクトに参画。

「2020年 『ファシリテーション型業務改革』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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