国際会計基準戦争

著者 :
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822242824

感想・レビュー・書評

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  • 会計基準にまつわる話である。
    その昔は、日本は自国の会計基準で会計報告を株主などに行ってきた。
    しかし、金融のグローバル化により国際的に資金が行きかう様になる。
    そうなるの、日本企業のあり様を表す決算報告が欧米人から見て、
    「フェア」じゃやないと言われた。
    当時(1990年代半ば)、バブル崩壊で含み損を多く持つ財閥系企業が狙われた。
    欧米人の「フェア」と「時価」である。
    今となっては当たり前の考え方。しかし当時の日本はその概念についていけず、
    当時策定されつつあった国際会計基準に対して意見をいえるルートすらなかった。
    結果、時価会計の波が寄せられ、「会計ビックバンを」を迎える。
    日本企業は、激減緩和和措置とは大きな影響をうけた。
    閉ざされた10年と言われる日本の負の歴史がノンフィクションとして描かれている。

  • 2008仕事で

  • 適用による影響が話題となった国際会計基準について、成立するまでの経緯や背景が著者である日経新聞記者の取材に基づき記された一冊。国際基準を作る際には自国のルールが採用されるように運動するいわゆるヘゲモニー(覇権)争いが発生するが、日本は「現行の規則が絶対で変えるべきではない」という日本人特有の悪しき慣習によって、会計基準においても国際化への遅れを取ることとなった。今後の国際化を考える上で参考にしたい。

  • 仕事でお世話になっている企業の名前がたくさん出てきた。
    社会の流れは本当に速い。

  • 「そもそも、本当に日本企業は強かったのか?」
    1980年代までの「Japan as No.1」までを疑問視するという、結構ラディカルな意見を、日本の会計制度の特殊性という観点から述べているのが本書。

    「会計なんて、あくまで企業の活動の結果を記録したものに過ぎないものでしょ。」とタカをくくっている人にこそ読んで欲しい本です。

    本書を読むと、会計というたかが「報告制度」が国の産業の盛衰の鍵を握っているという一面を理解することが出来ます。

    将来の職業として、漠然と公認会計士を考えているような学生には特にお勧めです。簿記・会計という一見無味乾燥で面白みのないものをテーマとして、現実世界ではこんなにもスリリングが攻防が繰り広げられていることを知れば、受験勉強にもいっそう熱が入るはずです。

  • fair value=時価:「理念の欠如」
    世界標準の4つのキーワード:全面時価/無形資産/パブリック/グローバル

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著者プロフィール

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。1987年早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済新聞で証券部記者、同次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、日経ビジネス副編集長・編集委員。2011年4月からフリー。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』(PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』(日経BP)など。

「2017年 『破天荒弁護士クボリ伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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