GE式ワークアウト

  • 日経BP社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822243371

感想・レビュー・書評

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  •  やってご本尊と対面できた感がある。「ワークアウト」という手法の紹介というよりも企業文化を感じ取れる本である。
     組織もある程度の規模になると「大企業病」と呼ばれる状態になる。本書は発明家のトーマスエジソンが設立してから連綿と続くGE社のツールである「ワークアウト」について詳細に記した本である。
     ワークショップの紹介もあるのだが劣化した模倣みたいなものをそれなりに経験してきたがこれが元祖なのだろう。ワークショップ単独ではなく企業文化に根差したものだということが分かる。

  • メモ
    ・ペイオフマトリクス
    ・チーム業績のダイナミクス
    ・スタート&ゴール
    ・完璧さよりスピード
    ・成功のために試行する
    ・ワークアウトを長期的に何度も何度も続けることにより、ワークアウト的な仕事の進め方を自然のものとしてチーム内に根付いたとき従来のカルチャーが変わったとき

  • ワークアウトとは、その名の通り、いらない「ワーク」を「アウト」する手法である。
    その方法自体はシンプルである。

    討議すべき課題を選ぶ
    その課題に対して意思決定できるリーダー(複数可)を任命する
    課題に取り組むにふさわしいメンバーを任命し、チームをつくる。メンバーは、その課題に深く関わっている人たちで、職能や階層の枠を超えて集める
    チームは解決策を考え出し、それをリーダーに提案する
    提案を受け、リーダーとチームメンバーは討議を行なう
    リーダーは「その場で」提案について、やるかやらないかの意思決定をする
    承認された策については、実行リーダーを定め、遂行の為の権限が与えられる
    提案を実行し、進捗状況を定期的にフォローする

    シンプルだからこそ、実行は難しく、しかし実行できたときの効果は大きい。

  • ワークアウトとは、GEで生まれた改善活動の方法論である。
    本書はワークアウトを方法論として確立したコンサルタントが
    その方法論の詳細を解説している書籍だ。

    分厚くて冗長なところもあるが
    同様の活動をやりたいと考えている人にとっては
    非常に参考になる書籍である。

    私も自分の仕事において、似たような改善活動をたびたびやってきた。
    自分が経験的に得たノウハウを整理・評価するにあたって
    かのGEのワークアウトも参考にしてみようと思い本書を手に取った。


    ワークアウトの本質は至ってシンプルである。

    【ワークアウトの手順】
    (1)改善テーマ、ゴールを決める

    (2)様々な部門から人を集めてきてクロスファンクショナルチームを作る

    (3)改善テーマについての原因と解決策をブレーンストーミングする

    (4)ブレストで出たアイデアのうち
    有望なものピックアップして深堀し、実行計画に落とし込む

    (5)タウンミーティングという場で
    経営幹部に改善施策を説明し承認を得る

    (6)30日後、60日後、90日後のタイミングで
    実行計画のフォローアップを行う


    【改善活動のポイント】
    私も、これまでさまざま改善活動に参加して来た。(一部は主催もしてきた)
    どんな活動も手順はワークアウトに非常に似ている。
    しかし、成果が出る活動もあれば、失敗に終わる活動もある。

    どうすれば成功率をあげられるのかについて
    私の経験と本書から得たヒントを織り交ぜて整理しておく。


    (1)最初に適切な目標を定める
    適切なテーマや目標が決まっていない活動は
    たいてい途中で活動が発散して自然消滅してしまう。
    何か活動を行う際には、最初に適切な目標を定める必要がある。

    <目標設定におけるSMART原則>
    Specific — 具体的なテーマである
    Measurable — 定量的に測定できる
    Achievable — 達成可能である
    Realistic — 現実的である
    Time-oriented — 期間・期限がある

    最初に適切な目標がうまく定められない時は
    課題設定が得意な2-3人で
    目標設定のための小規模なブレストを行う。


    (2)ブレストを開催する2週間前にはアナウンスをする
    事前にアナウンスをし、問題意識を持って日々の活動をしてもらう時間を設けることで
    より多くのアイデアを持ち寄ってもらえるようになる。

    ブレーンストーミング当日に
    アイデアを考える時間を節約することができ
    アイデアの詳細化や深堀について
    全員で議論する時間を確保することができる。


    (3)全部を実行しようとしないで優先順位をつける
    メンバーは全員、日常業務を抱えているので
    改善事項に充てられる時間は非常に限られている。
    どんなに頑張っても、改善事項に充てられる時間は
    労働時間の20%程度が上限である。

    事前にピックアップする数の目安を決めておけば
    スムーズに集約ができる。(トップ10のみ残すなど)


    (4)優先順位の高いアイデアを深堀する時間を設ける
    なんとなく良いアイデアだと思う状態から
    徹底的に議論を行って、具体的に実行可能な行動にまでアイデアを詳細化する。


    (5)決まった事を上位者にコミットして定期的にフォローアップしてもらう仕掛けを作る

    実行モードに移した改善アイデアは、担当者のボランティア精神には任せず
    他の仕事と同様に期限を設定してフォローアップする。
    (普段の仕事よりも強烈フォローアップをしたほうが良いかもしれない)


    ワークアウトでは、決まった実行計画を
    30日後、60日後、90日後に経営幹部を入れて
    フォローアップ会議を行っている。


    私が参加した活動のうち、失敗したパターンのほとんどは
    上記の(3)-(5)が適切に行えていなかったと思われる。

    最終的に何をしたら良いかが分からないし
    何もしなくても誰にも攻められない。


    【ワークアウトの原則】
    最後にワークアウトの原則を引用する。



    「Think big, Act small, Fail fast, and Leran rapidly」
    (大きく考え、小さく行動せよ、素早く失敗し、素早く学べ)

    ・Think big (大きく考えよ)
    従業員は、業界動向を理解し、戦略を把握し、顧客にかかわり
    自分の会社が直面している重要な課題を理解する必要がある。

    リーダーは方針を明確にし、自分たちの部署を
    どのように成功に導くかの位置付けを行い、従業員の想像力、行動を捉える必要がある。
    そして、会社の全員が成功のために何が必要かについて共通理解を持つ必要がある。

    ・Act small (小さく行動せよ)
    従業員は、自分たちの日常的な経験が自分の部署の戦略を
    どう反映しているかを理解する必要がある。

    ワークアウトでは、従業員が意味があると思っている小さなこと
    つまり報告、承認、会議、指標、方針、日々の手続きなどをテーマにする。

    自由にこれらを廃止し、部分的に削除し、修正し、頻度を減らし
    異なったやり方を採用してもよいことになれば
    従業員は変化を体験し、積極的に関るようになる。「千里の道も一歩から」である。
    とにかく誰かに、イライラの原因を1つだけ取り除くように仕向け
    それが起こらないようにしておけば
    ある日突然、不可能だと思った改善が可能に思えてくる。

    ・Fail fast (素早く失敗せよ)
    すべてのアイデアがうまくいくわけではない。
    にもかかわらず、多くのマネージャーたちは
    価値を生み出さないアイデアにこだわる。

    プログラムやイニシアチブを終わらせることを学ぶのは
    それを始めるのと同じぐらい重要なことである。
    終わりがなければ、新しい始まりは生まれない。

    ワークアウトによって従業員は、アイデアを監査し
    何がうまくいくか、いかないかを素早く決断できるようになる。

    それから、うまくいかないものを止める決断が下される。
    学習は、何かを手放すことなしには起こらない。
    多くの場合は忘れるより学ぶほうが容易ではあるが
    忘れることで学習が可能になる。

    ・Leran rapidly (素早く学べ)
    学習が起こるのは以下の場合である。
    アイデアを一時的なものからそうでないものに変えようとした時であり、
    あるいはアイデアを他の目的のために使おうとしようとした時である。

    ワークアウトを通じて、従業員はリーダーと見識を共有し
    1つのワークアウト・グループから生まれた見識は
    やがて、社内のその他のグループにも共有されるようになる。
    ワークアウトによって、素早く学ぶことが可能になる。

    今まで決断に数週間や数ヶ月かかっていたものが、あっという間に決まるからである。
    さらにワークアウトは、人々が会社の建物の中の
    ほかの場所で何が行われているかを学べるような対話の場を作り出す。




    読み終わって、私も一つワークアウトを主催する事に決めた。
    良いと思った事は即座に実行あるのみ。
    こういうのは、やればやるほど勘所が身につく。

  • The GE Work-Out

    ワークアウトとは、組織内の「不必要なワークを出す(work out=追い出す)こと

  • GEのWorkoutなる会議、問題解決手法。
    セミナーに出席したところ非常に興味深く、もっと知りたいと本書を購入。
    会議、問題解決の手法だが、それにともなって意識改革、社内改革につなげて行くところが面白い。

  • GE式ともてはやすほどのものではないような気が・・・。

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