名経営者が、なぜ失敗するのか?

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  • Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822244125

作品紹介・あらすじ

優秀企業の大失敗は、トップの「名経営」が原因だった!日米欧韓60社の大企業の失敗のケーススタディを6年間かけてフィールドワーク!米国で話題の「失敗から学ぶ」経営学。

感想・レビュー・書評

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  • 一時代を築くほど成功した経営者が失敗した理由が様々に乗せられている。分析というほど事例が多くないので、雑多な印象は受ける。成功するための製品開発力や強力なCEOの統率力など、強みが空転している事例が多い。
    アナログ→デジタル、ワープロ→PCなど現場から要望が出ていても、今の事業の成功体験から離れられずに、取り残されると致命的な波に乗れない事例や低軌道衛星電話で顧客を集められなかったモトローラ、成熟している車事業に後参入しようとして失敗したサムスンの事例など、トップが判断を誤ってしまう。
    周到な準備をして誤って見方を壊滅させた軍隊の例を挙げ、「ビジネスにおける失敗とはたいていそんなものである。本書のために調べた様々な事例の中で、業務の遂行能力に問題がある例は一つもなかった。いずれの場合も真の問題は間違った作戦を展開したことにある。」と述べるくだりが印象的。
    処方箋もいくつか上げられるが、組織を風通し良くし、否定的な情報や意見を謙虚にトップが考慮する事が必須という結論。
    まあ、妥当でしょうか。

  • 失敗から学ぶお手本のような本です。
    雪印、ソニーなど日本企業のサンプルもあるので、すんなり読み込めます。

  • くだらないの一言。ビジネススクールにありがちな他人の失敗事例から普遍的な失敗の法則を帰納的に導き出そう的な本だが、読むまで無い内容ばかり。こんな分析をして失敗しないようになるなら誰も失敗しないし、逆に同じようなことをして成功している人もいるだろうし。こんな分厚い本でしかつめらしく書いているので、何となくありがたいように感じるだけの無意味な本。

  • 購入:2004年6月30日 読了:2004年8月26日 廃棄:2019年5月11日

  • 3

  • 原題:Why smart executives fail
    著者:Sydney Finkelstein
    翻訳:酒井 泰介(1963-)
    監訳・解説:橋口 寛(1970-)
    装丁:木継則幸(インフォバーン)
    レイアウト・DTP:アートマン

    亜米利加で売れた本。日本でも話題になったらしい。この本を読み終わるときには、経営戦略の分厚い翻訳本を読むのがアホらしくなっていると思う。

    【内容紹介】
    ダートマス大学の経営学の俊英が、経営者、企業への膨大な聞き取り調査をもとに、「なぜ名経営者がいたのにあの企業は失敗したのか?」という大命題の解を明かす、目からウロコの本格的経営学の書。アップルコンピュータ、モトローラ、サムソン自動車、イリジウム、ジョンソン&ジョンソン、リーバイ・ストラウス、ボーイング、ダイムラー・クライスラー、RJレイノルズ、マテル、大リーグのボストン・レッドソックス、ソニーそして雪印。日米欧韓の一流企業が、「名経営者」が指揮していたのに犯してしまった「失敗のケーススタディ」を、当事者に徹底的にインタビュー調査。緻密な分析で、「名経営者だからこそ」犯しやすい「失敗の原因」を明かす。ポイントは、名経営者は、名経営者であるがゆえにその時点その時点でパーフェクトな答えを作り出し、そのため急激な環境変化や新規市場参入の際には、結果として「間違った答え」を出してしまうこと。トップダウン経営によって中間管理職層の弱体化し、企業の機動力や柔軟性が失われがちになること。具体事例と、明晰な分析、そして鮮やかな処方箋をセットにした「経営者、失敗の研究」の集大成。
    [http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P44120.html]


    【簡易目次】
    献辞 [001]
    目次 [003-008]
    日本語版へのまえがき(2004年4月 シドニー・フィンケルシュタイン) [009-015]
    謝辞(二〇〇三年二月日 ニューハンプシャー州ハノーバーにて シドニー・フィンケルシュタイン) [016-021]

    第01章 “名経営者”が、失敗する理由――その失敗から我々は何を学ぶべきか? 022

     パート I 優秀企業の大失敗
    第02章 新規事業の失敗――あのビッグビジネスは、なぜ堕ちたのか? 048
    第03章 「イノベーション」と「変化」への無為無策――巨人たちは、なぜ「何もしない」という道を選んだのか? 094
    第04章 M&Aの矛盾――有名企業の合併は、なぜシナジーも統合も生み出さなかったのか?  130
    第05章 戦略のミス――トップ企業が、なぜ非合理的な戦略を選んでしまうのか? 180

     パート II 失敗の原因
    第06章 経営者の歪んだ現状認識――名経営者が、なぜ状況を見誤るのか? 218
    第07章 ドリーム・カンパニーの幻想――トップと組織は、なぜ現実から目を背けるのか? 258
    第08章 失われた“シグナル”――なぜ企業は、大切な情報を見落としてしまうのか?  290
    第09章 失敗するトップの“七つの七つの習慣”――リーダーたちは、どこで間違えるのか? 318

    パート III 失敗から学ぶ
    第10章 未来を予測せよ――会社があぶない!初期警告サインを見逃すな 354
    第11章 名経営者は、いかに学ぶべきか?――失敗からのサバイバル術 392

    脚注 [424-456]
    解説(橋口寛) [458-469]

  • 『起業バカ』p60に記載有り

  • 120519 紙の本を自炊してPDF化

  • 非常に多くのケースのインタビューから出来上がっている点が評価できる。かなり真に迫る。総括すると、市場を見ていないことが問題となっている。その市場とは、購入すべきユーザーと競合他社の2点である。自社製品に対する、自分のアイデアに対する偏愛が悲劇をもたらしている。好著。再精読したい。品川区図書館にある。

  • 様々な理由で失敗した企業(多くはまだ存続している)の失敗とその原因と背景、理由が書かれた本。
    アメリカで出版された本だが、その中に雪印の「私は寝てないだ!」と言う有名なせりふが書かれていた。うーん複雑・・・。
    もし第2弾が出ればきっと東電、オリンパスもケーススタディとして俎上に乗せられるんだろうなぇって思いながら読んでいた。

    今回出てきた企業のCEOは、実はすでに問題点や変化の兆候が分かっていたケースが多かったようだ。しかし、すぐに元通りになるだろう。とか自分の考えは間違ていないという考えや、周りにはCEOに厳しい意見を言う人がいなかった(そういう人は排除されたり、握りつぶされる)などの理由でそれに対する対処を怠り、取り返しのつかない事態になってしまっている。
    また失敗の原因を見ると、なぜもっと早く対処をしなかったのかと思ってしまう。トップに立つ人の決断は、様々な人の人生にまで影響するので、軽率に判断できないこともあるのだろうが、やはりトップは広く周りの意見を聞いたうえで、責任を持って決断することが仕事だと読んでいて感じた。

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