ウェブはグループで進化する

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822249113

感想・レビュー・書評

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  • ソーシャルネットワークは独立したグループが結びついて形成されているという考え方は本書における最も重要な主張。非情に影響力のある人物を探し求めるよりも、無数に存在する小規模のグループに注目し、彼らに焦点を合わせて戦略を練るべきなのだ。

    アドバイス
    大勢の人々に対して普遍的な価値をアピールするようなコンテンツをつくろうとするのではなく、小規模なグループに響くようなコンテンツをつくること。

    情報が広く伝わるかどうかを左右する最も重要な条件は、影響力を持つ人物がいるか否かではなく、影響を受けやすい人物が十分に存在し、彼らが同じように影響を受けやすい人々と繋がっているか否かである。

    新しい発想が普及する際、イノベーター+ハブが出発点となるが、広く一般にまで到達するためにはフォロワー+ハブを経由しなければならない。

    イノベーターハブはつながりを数多く持つだけでなく、心理的ハードルが低い人々だ。彼らは新しい発想に数回触れただけでそれを受け入れる。もう一方のフォロワーハブはより一般的な存在で、つながりの数は多いものの、心理的ハードルの高い人々のことを指す。

    意思決定の際にソーシャルネットワークを頼る傾向が強まるのに反比例して、専門家を頼る傾向は弱まっている。ましてや見ず知らずの他人を頼るという可能性はさらに減少するだろう。その代わりに頼られるのは、私たちの遺伝子に「助けが必要なときには彼らを頼るように」と刻み込まれている人々、すなわち心理的に最も近い人々である。

    私たちは無意識をつかさどる脳に依存している
    あらゆる判断において、無意識脳が膨大な分析を行い、その結果を「なんとなくこう感じる」という形で意識的に伝える。意識脳はそれを受け取って、最終的な判断を下す際に活用している。つまり理性は感情に依存する存在なのだ。

    意識脳は大量の情報を処理するようには設計されていない
    大量の情報の中で生きている関係上、私たちの脳は意識された情報を無意識の情報へと変換するように設計されている。
    意識脳は、無意識脳が下した結論というインプットを得た上で、直近の短期記憶に基づいて働くのである。

    よく思い出す記憶は、最も不正確になる
    何かを思い出せば出すほど、その記憶は正確さが失われていくのである。

    人間は細部ではなくて、主要な関係性を記憶する
    私たちの脳は細かい部分ではなくて、物事と物事との関係性を記憶している。

    人々は情報を欲しがるが、対立する情報がアタマの中に入ってくるだけで、処理がパンク状態になってしまう。この現象は認知的不協和として知られ、買い物をしているときに陥ることが多い。この状態になると、私たちは直前に抱いていた信念に近い選択肢を採用し、残りの選択肢は適切な分析もせずに捨ててしまう。

    習慣が先入観を与える、難しいのは、最初に何か新しいことを初めてもらうというステップだ。人間が行動に対して最もオープンになれるのは、幸せを感じているときである。悲しみや恐れを感じているときには、慣れ親しんだものに気持ちが向いてしまい、新しいことは避けようとする。

    情報過多になると、人々は友人を頼りにする

  • マーケティングのポイントが理解できる内容。約10年前に出版されている本だが、今でも十分に通じる内容で、むしろ未来を予言できているのか。

    「オンラインの世界がオフラインに近づいていく」
    「情報過多の時代には、広く多くの人に伝えようとするのではなく、少数グループのオフラインにアタックして、そこから口コミとして情報を広げよ」など。

  • コンテンツをシェアしてもらうこと以上に、そこから始まる会話を支援することには注目しなければならない
    シェアされるのは事実ではなく感情
    大勢の人々に対して普遍的な価値をアピールするようなコンテンツではなく、小規模なグループに響くようなコンテンツをつくる
    他人の行動を見せるというのは、誰かを説得する際に強力な手段となる
    ビジネスを人中心型へ移行する

  • 人中心のウェブは自然の流れ。

  • 翻訳本はやはり読みにくい
    ひとつひとつの関連知識が、単発で紹介されていて、ストーリー性があまりない
    ので、読みにくいなぁと思いながら読破

    でも…
    何度か読み返したのが良かったのか、
    ここで得た知識が実務で役立っていて、しばらくしてから★を増やしたくなった本
    マーケティングご担当者にはオススメ

  • Google+のサークル機能開発の中心的役割を果たし、現在はFacebookに勤務する、ポール・アダムス氏の著書。著者は、ソーシャルメディア研究者でUXデザイナーでもある。

    ソーシャルネットワークの構造や特徴が、分かりやすい図と言葉で書かれている。行動経済学に基づいて論理展開がされている点や、言及の際に具体的なデータが示されているため、非常に説得力がある。

    読んでいる最中も、ソーシャル上での人々との付き合い方や、コミュニケーションのあり方について考えさせられた。すでにfacebookやTwitter、Google+などのSNSを使っている人であれば、スラスラと読めそう。

    情報が拡散していくかどうかを決める最も重要な条件は、いわゆる「インフルエンサー」と呼ばれる大きな影響力を持つ人物がいるかどうかよりも、影響を受けやすい人々が十分に存在し、彼らが同じように影響を受けやすい人々とつながっているかどうかである。人のつながり、すなわちソーシャルネットワークの構造を知ることが、いま何よりも重要となっている。

    個人のやりとりだけではなく、企業レベルのマーケティングにも通用する内容となっているため、ソーシャルウェブについて今一度認識を確認したいという方は一読の価値あり。

  • 社会行動学とその法則をテーマにした、web・ソーシャル本

    ・インフルエンサーではなく、小さなグループのつながりを探す。
    ・ハブを探す。
    ・他人からどう見られるかをコントロールする為の会話。
    ・事実をシェアするのではなく、感情をシェアする。
    ・対象者と親しい間柄にある人々を巻き込むように設計する。
    ・150人の法則 そこからグループは分裂し易くなる。
    ・情報が伝わるのは、起点となった人物から2人の仲介者あでの範囲。
    ・情報源となる、「弱い絆」に、信頼性を高めさせる工夫を。
    ・イノベーターハブを経由し、伝播しにくいフォロワーハブに、何度も情報が伝わるようにして、受け入れられるようにはかる。
    ・無意識脳には、意識脳の20万倍に達する処理能力がある。 無意識脳の結論が短期記憶に基づいて、意識脳は機能する。
    ⇒無意識脳に働きかけて、機能面より感情面に訴える。

    無意識脳は、意識脳よりも、すぐれた判断をする事が多い。

  • オフラインでの人間の行動が、オンラインでもそこに近づいてきたというお話。だからソーシャルは目新しいものじゃないですよ、ということ。人間の行動学や脳の話にも触れられていて興味深かった。

  • Facebookブランドデザイン部門に属する著者。
    人の社会行動分析など、Facebookの考えの背景も垣間見ることができる。

  • 「今のウェブは小さなグループの集合体で、それらがネットワーク化して互いに影響しあっている」みたいな話し。
    それを根幹のテーマにして、違う視点から似たような話を展開している印象です。

    また、今はFcebookで働いているらしく、なんだかFacebookの人が好きそうな論調。

    文章も平易で理解しやすかったけど、もうちょっとデータを記述してくれれば個人的には嬉しかった。

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