- Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822249816
感想・レビュー・書評
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ベゾス本人や関わった人々からのインタビューから時系列に沿ってamazonが成長していく話。
マーケット選定やプロダクト開発のアイデア、戦略性、手札の作り方、強みの源泉であるFCの成長、どんな会社にしていきたいか、どんな未来を作っていきたいかのジェフィズムがとてもよく伝わる読み応えたっぷりの本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Amazonがどのようにして成長してきたかの軌跡が学べる。それを通じて、なぜここまで成長してこれたのか理解できる。
・ベゾスのブレないミッション(顧客第一主義、より多くの商品をより安い価格で顧客に届ける)
・ミッションのためなら非情な手段も使う(eg.交渉とは、片方が常に勝つようにすること)
・利益率が低いという強みがAmazonにある(Appleは利益率を上げすぎて競合の参入を招いた)
これら3つが特に印象に残った。
そして、今後もAmazonは成長し続けるであろうこと、日本企業には追いつけそうもないことを理解した。 -
積読本シリーズ。
アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスの伝記。
原書が2013年、日本語訳が2014年出版だが、アマゾンがますます大きくなっただけで現状はそう変わっていない気がする。
(創業時からの妻であるマッケンジーとは2019年に離婚。ちょっとしたニュースになりました。ちなみにマッケンジーはトニ・モリスンに学んでおり、小説も書いている。)
著者はベゾス本人から許可を得た上で、家族、元同僚、アマゾン社員、友人と幅広く取材してこの伝説を書いているんですが、びっくりするほどベゾスが嫌な奴に見えます。
もちろんみんな「彼は天才だ、すごい」って言ってるんですが、自分の野心に向かって突き進み、周りに配慮することもない。
それはそのままアマゾンという会社のやり方でもあり、彼が書店、出版社から数々のスタートアップ企業を蹴散らして登り詰めていく様が描かれます。
いろんな元社員の名前が出てくるんですが、創業から現在まで残っているのはもちろんベゾスだけ。社員に対してまったく優しくないアマゾンからほとんどの人が脱落したり、ベゾスに追い出されたり、燃え尽きて辞めています。
スティーブ・ジョブズもそうとう嫌な奴ですが、彼にはそれ相当の魅力があり、それに惹かれてアップル社員はついていくのですが、この本のベゾスにはそれもあまり感じられない。大丈夫かアマゾン。
(ベゾスがアマゾンを立ち上げるためにウォールストリートの会社を辞めるときにカズオ・イシグロの『日の名残り』を読んでいて、後悔しない生き方を選んだというエピソードはおもしろい。でもこれもマッケンジーに「『日の名残り』を読んだ日時が事実と違う」と指摘されてるとか。)
アマゾンが書店サイトからクラウドサービス、音楽、映像、アパレルを扱い、キンドルが誕生という経緯はなつかしく読みました。
そういえば、Web2.0で散々もてはやされた「ロングテール」の話がたいしてでてこなかったけど、大企業アマゾンにしたらもうその利益は問題ではないのか。
以下、引用。
ベゾスとマッケンジーは家財道具をまとめ、とりあえず西に向かってくれと引っ越し業者に依頼する。
最初の机ふたつは、ホームセンター大手のホーム・デポから1枚60ドルで木製ドアを買い、ベゾスが手作りしたものだった。ノアが箱船を作った話と同じように、アマゾンの伝説として語り継がれることになる逸話だ。
カファンが昔の同僚、ジョン・ウェインライトに使ってくれるよう頼み、アマゾン初という歴史的な購入はウェインライトによるものとなった。購入したのはダグラス・ホフスタッターが書いた科学書、『液体概念と創造的アナロジー』だ。これを記念して、いま、シアトルのアマゾンキャンパスにウェインライトという名前のビルが建てられている。
インターネットを世間に先駆けて使う人々からは、コンピューターのマニュアルや『ディルバート』という漫画、昔の楽器の直し方、セックス指南書などの注文が次々と入った(初年度のアマゾン・ドット・コムにおけるベストセラーは、リンカーン・D・スタイン著『ウェブサイトの制作と管理ー情報プロバイダーガイドブック』だった)。
「この会社は巨大なロケットを作ってるって感じだ。できあがって信管に点火したら、月まで飛んでいくか地上に巨大なクレーターができるか、どっちかだろうね。どちらにせよ、この目で見てみたいと思うよ」
著者のなかには、昼も夜もランキングをずっとチェックする人がいて、
「ついつい確認したくなる気持ちはわかりますが、もっと生産的なことに時間を使ったほうがいいのではないかという気もします。たとえば、次の本を書くとか」
と、ベテラン編集者のジョン・スターリングが眉をひそめる一幕もあった。
「ジェフ、賢くあるより優しくあるほうが難しいといつかわかる日が来るよ」
IBMから情報科学科教授に転じたフレデリック・ブルックスは、ハイテク界の古典的名著と言われる『人月の神話ー狼人間を撃つ銀の弾はない』で、複雑なソフトウェア開発プロジェクトの場合、人員を増やすと進捗がかえって遅れると指摘している。コミュニケーションに使われる時間と費用が参加者数に比例して増えることがそうなる理由のひとつだ。
そのころゼールは、ニール・スティーヴンスンの『ダイヤモンド・エイジ』を読んでいた。未来小説で、とても珍しいインタラクティブな教科書を盗み、娘のフィオーナに与えるエンジニアの話だ。この小説に出てくる教科書こそ、自分たちの作ろうとしている製品の原型になりうるものだとラボ126のエンジニアは考えた。
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Amazon創業者、ジェフベゾスの半生を書いたものがたり、
父親の教育で、自助の精神の創意工夫の価値観を植え付けられたというところがいちばんのきっかけではないかと。
顧客のため、倹約のために常に考えている。
対話は問題に直面している人同士で話すことが大事。 -
従業員が友人の結婚式に出るために仕事を休んだら、ジェフベゾスが激怒した、らしいです
やっぱり一代で築くような人は苛烈だな‥この人の下では働きたくないな‥
孫正義もニワトリ小屋といわれる従業員が泊まり込みで働く部屋があったらしいし。 -
・製品提案書は「プレスリリース」の形式で作る。会議では用意された文章を会議参加メンバーが熟読した後に討論に入る。
・アマゾンのレビューサービスを始めて、ペゾスは思った。「我々は物を売ってもうけてるんじゃない。買い物についてのお客様の判断を助けることで儲けてるんだ」と。
・ペゾスはグーグル創業者の二人が、トップページに広告を掲載しない理由をとうとうと説明する姿を見て、その「健全な頑固さ」に感心し、出資を決めた。 -
やはり世界一の金持ちになるだけあって、強烈なキャラだと思いました。けど、正直一緒には仕事したくないと思いました。
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インターネットの成長率が231倍というのを見て即座に参入するというスピード感。赤字を出しつつもブレずに投資するという一貫性。山あり谷ありだけど、ITバブル崩壊後も生き残り、「四強」の一角を占めるまでに成長したのは、この人の思いの強さあってこそだと思う。
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Kindle
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●「ベゾスのやり方はめちゃくちゃだ。しかし、だからこそ今のアマゾンがあるのか」というのが読後の感想だった。エブリシング・ストアを実現するという原点からしてめちゃくちゃだし、それを実現するためのプロセスも尋常じゃない。