決定の本質 キューバ・ミサイル危機の分析 第2版 1 (日経BPクラシックス)
- 日経BP (2016年3月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822251284
作品紹介・あらすじ
「キューバ・ミサイル危機は、将来的に大きな影響を及ぼす事件であった。米ソが核戦争の瀬戸際で踏みとどまった1962年10月の13日間に匹敵するほどの出来事は、これまでに歴史には見当たらない。多くの人命が突然失われる可能性がこれほど高かったことはかつてなかったことだ。実際に戦端が開かれていたら、1億人のアメリカ人、1億人以上のロシア人、そして数百万人のヨーロッパ人も死に、過去に起きた自然災害や残虐な事件などは遠くに霞んでみえたことだろう。」(本書序章から)
1971年に刊行されたグレアム・アリソン著『決定の本質 キューバ・ミサイル危機の分析』は、政治学の古典、ベストセラーとして長く読み継がれてきた。3つの分析モデルーー合理的アクター、組織行動、政府内政治ーーを駆使し、謎に包まれていた米ソ首脳の事件勃発から危機回避までの政治的意思決定論の傑作だった。
その後、情報公開が進み、秘密指定解除などによって米ソの中枢内部での新たな事実関係が解明された。本書はアリソンと歴史研究者でケネディ政権内部の議論を秘密録音したテープを調査したフィリップ・ゼリコウが協力して、初版をほぼ全面的に改訂して1999年に刊行された。第Ⅱ巻収録の解説は、渡邉昭夫東京大学・青山学院大学名誉教授。
感想・レビュー・書評
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利益集団の圧力が、国家の政策決定に影響を与える。農業団体が政府に対して保護主義的な法律(スムート=ホーレー法)を作るよう圧力をかけるなど。シャットスナイダー1935
ある組織で政策決定がどのようになされるか。組織が集権的で目標が明確な場合、あたかも一人の人間のように政策を決定する。組織が複数の下位組織の連合体の場合、組織はルールに従って政策を決定する。組織が役職をもつ人間の集合である場合、各役職それぞれが与えれた任務を最大限に実行し、役職者同士で駆け引きをしながら政策を決定する。グレアム・アリソン『決定の本質』1971詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
原著で10年ほど前に読んでいたが、改めて邦訳を読んでみた。
合理的アクターモデルを第一モデル、組織行動モデルを第二モデル、政府内政治モデルを第三モデルとし、この3つでキューバミサイル危機を巡る米ソの意思決定を分析する。 -
読了
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組織による決定について,3つのモデルを掲げて考察。
特に「決定」が臨界的意義をもった歴史的重大事件であり,史料も豊富なキューバ危機に当てはめて分析を試みた名著。(3つのモデルとは,素朴な擬人化による合理的行為者モデル・個人と異なる組織の硬直的側面を考慮した組織過程モデル・人間関係や組織間の勢力争い駆け引きなどの要素まで考慮した政府内政治モデル)
↓山形浩生氏による紹介
キューバ危機・組織論・決定の本質|新・山形月報! https://cakes.mu/posts/13056 -
第一モデル(アクター(人間)に焦点を当てたモデル)の概説、分析と第二モデル(組織の意思決定に焦点をあてたモデル)の概説まで。
キューバ危機を題材とした意思決定に関する研究書。国際関係を学ぶには避けて通れない文献であるが、意思決定について学ぶ際も、この本はかなり有益。 -
アリソンが存命の人物だということを本書で初めて知った。国際政治の分析枠組みの古典を提案した人であるから、もっと高齢なのだと勝手に思っていた。かの有名な『決定の本質』をアリソンは31歳の若さで書いていたという衝撃!
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東2法経図・開架 319.5A/A41k/1/K