よい謝罪 仕事の危機を乗り切るための謝る技術

著者 :
  • 日経BP
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822251758

作品紹介・あらすじ

昨今世間を騒がす不倫も、経歴詐称も、データ偽装も、政治と金の問題も、事が大きくなってしまったのは、謝罪に失敗したからだ!
入社以来35年にわたって吉本興業の謝罪会見を取り仕切ってきた “謝罪マスター” 竹中功。有事が起きてしまった時に、被害者に怒りを収めてもらう対処の仕方や、いざという時の謝罪会見の段取りから、平時に準備しておく「特別チーム」「謝罪シナリオ」「コンプライアンス研修」、日ごろの人脈づくりまで、すべてのビジネスパーソンが知っておきたい「謝る技術」を、実際の失敗例・成功例を豊富に交えて、余すところなく伝授します。

感想・レビュー・書評

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  • よい謝罪。
    竹中功氏のよる著作。
    2016年11月8日第1版1刷発行
    株式会社モダン・ボーイズCOO。
    1959年大阪市生まれ。
    同志社大学法学部法律学科卒業、同志社大学大学院修士課程修了。
    吉本興業株式会社入社後、宣伝広報室を設立し
    月刊誌「マンスリーよしもと」初代編集長を務める。
    2015年7月吉本興業株式会社退社。
    著者が吉本興業に入社して35年、
    不祥事などがあった時の対応、謝罪記者会見などを
    もとに何に注意するべきか、予防していく為に
    どのような教育をしていくべきかを述べた本。
    今、ちょうど(2019年7月)振込詐欺につながる
    反社会的勢力からお金を受け取っていたとして
    宮迫やロンドンブーツ亮の記者会見、
    吉本の現社長岡本昭彦氏のあまりに稚拙でまずい対応を
    見ていると著者竹中功氏のやってきた仕事や理念を
    吉本興業の現体制陣は何も理解していなかったのかと思いちょっと悲しくなる。
    仕事が属人化しやすい業界なのかもしれないが・・・・
    今、著者がこの件に関してどう思っているのか聞いてみたい。
    印象に残った部分を列挙してみたい
    誰に謝罪するかに加えて、「謝罪の順番」も重要だ。
    謝罪はいちばん損害を受けた人、いちばん怒っている人、いちばん困っている人、つまり直接の被害者から
    行わなければならない。
    次が関係先だ。
    世間を無視することはできないが、順番としては最後になる。
    この謝罪する相手とその順番を間違えてしまうと
    どこを向いて謝罪しているのかという批判が起こり、
    せっかく謝罪しても元も子もなくなってしまう。
    示談成立には心の問題の解消が不可欠
    許すかどうかを決められるのは被害者だけ
    社外に対策室を設ける場合、意外にもオススメなのが
    カラオケボックスだ。ある地方で起きた有事の際、
    事務所が共同スペースの中にあり、ろくに話もできないのでカラオケボックスの大きな部屋を借りて、そこを対策室として機能させた。
    もちろん、のんきに歌っていたわけではない。
    カラオケボックスなら、周りを気にせず大きな声で話せるし電話もかけられる。
    内線電話一本でお茶やジュース、軽食も持ってきてもらえる。
    急ごしらえの対策室にしては、十分すぎるほど利用しやすかった。
    特別チームが必要な理由
    精鋭だけを集めたい
    要らぬことを言う者に事態を混乱させない為
    どのように有事に対処するか決めきらないうちに
    外部に状況をリークするスパイの活動を阻止するため

    6W1Hを使って事実を徹底的に聞き取って書き出す
    これを埋めていかなければ、事実が見えてこない。
    見えないと次の行動が取れない。
    対処の方法が定まらないのである。
    現状把握なくして進展はありえない。
    中でも名数-人名や企業名、場所といった固有名詞
    人数と日付、量といった数についての聞き取りの正確さは
    最大級に重要である。
    聞き取りを行う立場の人も、当事者や担当者を頭ごなしに
    叱責しないよう、心がけよう。
    叱責は相手を萎縮させてしまうだけで正しいデータや情報を得るのにほとんど役に立たない。
    いざというときに正しい報告を即時に得られるよう、
    普段からよい人間関係を作っておこう。
    「怒る・怒られる」「攻撃する・される」といった関係からは決していい結果は生まれない。
    公式文書は2種類作る
    内部向けと外部向けの両方が必要
    内部限定と記入することはあっても外部という言葉は決して使わなかった
    内部向けには内部限定、外向けには公式文書と使い分け
    謝罪は早ければ早いほどよい
    仕事の謝罪は必ず複数で、上司を伴う
    あまり大人数で押しかけては先方に迷惑になるので
    二人、多くても三人ほどで行くのが望ましい
    加害者本人に加えて同行するのは上の立場や役職の者にすべきだ
    謝罪は上の立場の者が謝るほど効果が上がる。
    上位の者、偉い者からの謝罪のほうが受け入れやすく、
    その逆だとなかなか受け入れられない。ここは味噌である。
    マスコミを招いた謝罪会見で「社長は今回の件とどこで
    知りましたか」という質問
    社長がすんなりと「業務中でした」と答えられればよいが、本当のところはゴルフの最中に報告を受けたり、テレビで見て驚いたりというケースもあるだろう。一瞬戸惑うような空気が流れたら、本人が実際のところを話して大騒ぎになる前に司会が質問を横取りして「業務中でした」と言い切るぐらいでないといけない。
    悪意のあるマスメディアは「こんな大変なことが起きた時、社長はのんきにゴルフをしていた」などと書き立てて、印象を操ることがある。
    そんな悪意にまともに付き合う必要はまったくない。
    答えにくい質問をされても決して「ノーコメントです」などと返答してはダメだ。
    謝罪会見でそんな愛想のないせりふは言うのはなし。
    被害者との約束や個人情報、企業秘密などで答えられない
    質問もあるだろうが、「ノーコメント」という回答は
    「質問から逃げた」と取られ、そのまま記事になってしまい悪い印象を与えてしまう。
    こういう場合は「そのご質問には答えられませんが・・」などと言ってかわしながら、答えられることだけを言葉にする。
    嘘を言ってはいけない。
    謝罪の言葉を伝えても良い。

    記者から答えになっていないと責められても
    言ってはならないことは絶対に言ってはならない。
    「答えないこと」と「嘘をつくこと」はまったく違う。
    謝罪会見でよく使われる「遺憾に思う」「慚愧に堪えない」
    といったせりふには注意が必要だ。
    意味から言えばどちらも謝罪に適した言葉ではあるのだが「他人事のようだ」と取られることが多いので多用しないほうがいい。
    言葉選びは実に難しい。

  • <感想>
    吉本興業の元広報担当者が語る謝罪の技術。求めていた内容と違っていた。広報の人には参考になるかもしれない。

  • 企業や所属する社員が何かしらの事故や犯罪を犯したとき、被害者や社会に対して、どのように謝罪をしていけばよいかを示したノウハウ本。
    筆者がお笑い芸能事務所での広報担当として実行してきたことをベースにしており、記載されている手法が具体的なため、実際に謝罪をしなければならない企業にとって役立つのではないだろうか。

    ただ、時折挟み込まれるギャグやネタは、寒くてダダ滑りしている。

  • 著者はよしもとの広報系で働いていた方。

    謝罪の心構えを知りたかったのだが、こちらはスキル面・手順の本だった。
    心構えは別のところでまなぶ必要がある。

  • 相手の立場にたつこと  自分だったらどうしてほしいのか  が大事

  • 吉本興業の“謝罪マスター”が明かす謝り方の極意

    病気、入院、けが、離婚、痴漢、盗撮、暴行、反社会的勢力との交際、食中毒、SNS炎上、借金、男女間のトラブル、交通違反、賭博、薬物、わいせつ、淫行...

    著者が吉本でじっさいに対応した「有事」の経験から
     ・謝罪とはそもそも何なのか
     ・じっさいに謝罪する前にどんな準備が必要か
     ・具体的な謝罪のしかた
     ・謝罪を減らすため平時にどのように準備するか
    ヒントが詰め込まれたサラリーマン必読の書

    《みなさまの無事を祈ります。》

  • 平時から緊急事態を想定し、あらかじめシナリオを書いておく。
    謝罪が他人事になっていないか。
    先方の怒りの収め方、を考えれば謝り方が見えてくる。
    誰に謝罪するのか。被害者、関係者、世間、の順。

    事実を把握し、再発防止策をまとめてから、直接謝罪に行く。

    謝罪に行くときは、タイミング、メンバー、身だしなみと態度、に気をつける。
    なるべく早く、複数で上司と。

  • ★大学の推薦図書★

    謝罪の手順や心構え、謝罪をスムーズに行えるような平時の準備が述べられていました。

    読み飛ばせる程度の濃すぎない内容でした。
    (筆者のドヤ感(武勇伝?)がしつこいと感じた時は読み飛ばしたりしました)
    購入には至らないかなという印象。

    「未病」という考え方と直接謝罪する大切さに触れることができました。

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著者プロフィール

1959年大阪市生まれ。同志社大学法学部法律学科卒業、同大学院総合政策科学研究科修士課程修了。吉本興業株式会社入社後、宣伝広報室を設立し、「よしもとNSC」の立ち上げ、月刊誌『マンスリーよしもと』初代編集長を務める。「吉本興業年史編纂室」「コンプライアンス・リスク管理委員」などを担当、よしもとクリエイティブ・エージェンシー専務取締役などを経て2015年7月退社。吉本興業での実務経験を元に謝罪・広報マスターとして危機管理やコミュニケーション指導、講演、全国の刑務所での釈放前教育を行っている。

「2023年 『それでは釈放前教育を始めます! 10年100回通い詰めた全国刑務所ワチャワチャ訪問記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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