- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822260644
作品紹介・あらすじ
魅力的な戦後建築は、日本中にまだまだ眠っています。新進気鋭の建築史家が街を歩き、「ひょっとしたら名建築?」を鑑定。見どころや時代背景を詳しく解説していきます。
感想・レビュー・書評
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「モダン・ムーブメントにかかわる建物と環境形成の記録調査および保存の ための国際組織」というドコモモが推奨するモダン建築には選ばれないような、でもとっても魅力がある、という建築物を紹介した一冊だ。
飲食店から公共建築物、宗教施設に商業施設、さらには団地まで、取り上げられる建築はさまざまなジャンル。
一見普通そうに見える建築から、「なんだこれ」と笑いがもれる奇怪な見た目のものまで、日本には面白い建築があるんだなぁと楽しくなる。
有名建築家の作品はなく、でも、長年愛されてきた建物なのだと感じる。
昭和の建物ってタイル使いがすごく素敵だなと改めて思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ドコモモ(DOCOMOMO=Documentation and Conservation of buildings,sites and neighbourhoods of the Modern Movement)
とは、近代建築(モダン・ムーブメント)の歴史的・文化的重要性を認識し、その成果を記録する国際組織。
日本支部でも150選が選ばれている。しかし、そこに記録されるのは丹下健三・前川國男と言った超一流建築家の作品が多く、雑誌等で有名なものが多い。
「ドコノモン」とはドコモモの趣旨に賛同しつつもドコモモが取りこぼしてしまうような名のない、しかし評価に値する名建築を評価しようと選ばれたもの。
B級グルメという言葉は市民権を得たが「ドコノモン」は言わば「B級モダナーキテクト」と言ったもの。
どうしても知っている建物に共感を得ることになってしまうが、冒頭を飾る「ニュー新橋ビル」はやかり圧巻。渋谷109もランドマークとしてこれほど有名でありながら建築物として評価されない不思議な建物。
横浜薬科大学図書館棟(旧ホテルエンパイア)は是非古い写真を収録して欲しかったなぁ。