- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822274207
作品紹介・あらすじ
20代学者!30代医者!40代ベンチャー社長!「眼」を極めた著者が知っている仕事も人生も楽しみながら成功する生き方。
感想・レビュー・書評
-
極めないうえにあきっぽいから、ちょこちょこといろんなことに手を出してみるけど続かない −−−。そんな自分を反省して手にとりました。
窪田氏は、20代は学者、30代は医者、40代はバイオベンチャーの創業社長と、幼少期から好きだった「眼」を軸にキャリアチェンジをしています。
もちろん他にも好奇心の眼は向いていて、宇宙飛行士や俳優といった職業にも挑んでみたそうですが、物理的理由やコミットメントなどいろんな理由があって、潔く断念しています。
ここで大切なのは、好奇心のままに、とにかくやってみるという姿勢だと思います。やってみないと、本当にやりたいことなのかどうかわからないことは人生の中でたくさんあります。やってみて自分には向いてないとか、やめる理由がみつかれば、やめればいい。
例えば、好奇心の対象が100個あるうち、やってはみたけど極めるほどのものではないことが3つあったとしたら、残り97個になります。こうやって絞り込んでいくと、仏師が木から仏像を掘り出すように好奇心が形づくられ、磨きがかかります。
プロローグ「10年ごとに違う自分になる」に、こういったことが書かれています。
「だるま大師の「面壁九年」の故事が指し示しているように、一つのことを成し遂げるには、一定期間、脇目もふらずに努力する必要がある。
我が身を振り返ってもそれぞれの10年間で目の前のことに集中してきた。一つのことに集中する期間は10年がいいところだと思う。」
好奇心に対して10年ごとに違うアプローチを選んできた窪田氏と比較するのは恐れ多いのですが、私自身の人生は、社会人になってから5年ごとに新しい自分に挑んできました。学生には、「卒業」という節目があるのに、社会人にはそれがない、自分で節目を設定しなければ成長を感じられないのでは −−−−。そんなことを社会人1年目の頃に考えていたのをよく覚えています。
私の場合は、ジェネラリストとして、いろんな環境で生きていける人間になりたいというささやかな好奇心を持っていたのでしょう。大阪のパナソニック時代、シンガポールでパナソニックを卒業して現地で転職した時代、東京で15カ国以上の多国籍メンバーがいた外資系ベンチャー時代、それぞれ約5〜6年。そして今、とある目的があってフリーランス1年目。つきつめると私が極めてきたのは、「仕事と人生を楽しむための適応力」なのかもしれません。(この本にかこつけて自分の極みを探してみました )。
最後に、私がこの本の中で気に入っている言葉を紹介します。
いい意味の飽きっぽさは規模しい時代を生きる武器になる
正しい戦略は一つではない。
自分を信じて、第一歩を踏み出そう。
窪田氏の人生を真似ることはできませんが、それぞれに人生を歩んでいることにかわりはないのですから、こういう人物が何をどう学んで生きてきたのかを知るのは、いくつになってもいい学びになるのではないでしょうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「学者」「医者」「ベンチャー社長」と活躍の場を変えながらも一つのビジョンに向かう著者のストーリはとても面白かった。
ただタイトルにひかれて読んだのだけど内容とタイトルがいまいち合ってない気がしました。 -
<span style="color:#0000ff;"><i>20代学者!30代医者!40代ベンチャー社長!「眼」を極めた著者が知っている仕事も人生も楽しみながら成功する生き方。</i></span>
10年ごとにアプローチを変える
クリティカル・マス(クリティカルマスとは、マーケティングに関する用語で、ある商品やサービスの普及率が一気に跳ね上がるための分岐点となっている普及率のことである。)が大事
暗記させずに考えさせる、勉強法が性に合っていた
仮説は直観で立て、数字で検証していく
正しい戦略を生み出すためには、知識や経験というインプット、思考のクロストレーニング、異なる事象の共通点を見出す3つの力が不可欠。
医薬品の基本は、病気の原因となるたんぱく質の働きだけを阻害すること -
著者は10年単位で職業をかえている。研究家から眼科医へ、眼科医から起業家へというように。研究家のときには緑内障の原因遺伝子を発見し、起業家のときには加齢黄斑変性の新薬開発を行っている。全てに共通しているのが「眼」。子どもの頃から「眼」に魅了されてきたという著者はアプローチの仕方をかえながら「眼」を追い続けている。
-
タイトルから自身のことを「あきっぽい」と評している割には、1つのテーマに掛ける情熱や一貫性という部分においては、やはり常人ならざるものを感じた。
機会を逃さずに飛び込む勇気も大事だが、その裏付けとなる努力や研鑽がそれ以上に大事であると思わされる。自分とは一回り以上歳の離れた方の著作であるが、そんな人でもまだまだチャレンジを続けていると思うと、自分の身を省みざるをえない。
ともすれば「エリートの武勇伝」で終わってしまいそうな内容をそう感じさせないユーモアも様々に盛り込まれており、叱咤激励されつつ気づいたら前を向かせられている、そんな読後感。
でもなぁ、この人をマネしようと思っても、そうやすやすとはマネできないよなぁ…と思わされたのも、正直なところである。 -
慶應大にて緑内障の疾患遺伝子ミオシリンを発見し、現在は加齢黄斑変性の治療薬エミクススタトを開発中であるアキュセラ社のCEOである窪田さんが書かれた本。何事もやり遂げる人はエクストリームだなーと思いました。まだ、何者でもない自分でもとにかくやり切れたと言えるまで、ガムシャラに頑張らないといけないなーと思いました。
アキュセラ社での開発も含めて、氏のやり方が上手くいっているのは、常に戦略がコンセプチュアルであることではないのかと感じました。現状認識をしっかりとした上で、どのようなアプローチが最も効率的なのかと考えた結果が今に繋がっているのではないかと思います。
やはり、戦略は重要です。 -
天才だから成せる所業なんだろうけど、言ってることは説得力がある。
いろいろ興味を変えながらも、とりあえず10年で成果を出していくスタンスはすごい。座右の書にしてもよい、ハウツーぼん。 -
研究者⇒医者⇒医薬品ベンチャー経営者とキャリアチェンジを重ねてきた、アキュセラCEO窪田氏によるキャリア論のお話
-
・ ひとはみな、どこかで誰かの役に立ちたいと思っている。
・ 一つの専門性を究め、そのうえで別の専門に挑戦し、幅を広げる。1つのことに集中する期間は10年がいいところだと思う。
・ 好奇心を大切にすべき。
・ 優秀な研究者は仮設の立て方が鋭い。疑問の持ち方と問いの立て方からして違う。
・ 仮説は直感で立て、数字で検証していく。
・ 「成功は続けた先にしかない」
・ スケジュールを全部埋めていないと気がすまない。スケジュールを埋めれば忙しさに拍車がかかるが、時間が足りないだけに限られた時間の中で処理しなければならない。そういった期限を切ったプレッシャーが集中力を高めることに役だっている。
・ とにかく、やって、やって、やってみる。どんなに考えてみてもやってみない限り本当のことはわからない。
・ 何かを成し遂げる際に不可欠なのは、「正しい問題設定とあきらめない心」
・ 理想を追い求めるばかりに、第一歩を踏み出せないのは明らかにもったいない。やってみなければわからないことは山ほどある。
・ アンテナをはって感度を高めていれば、いろいろな人からよい影響を受けて、どんどん才能を発揮できるようになる。自分ひとりでできることは本当に限られている。
正しい方向性であれば、好奇心にまかせて、やって、やって、やりまくる。 -
P. 15
米国では8〜10年でキャリアを替えることが是とされている。(中略)8〜10年という年数が1つの業務を身につけるうえで適当と考えられているためだ。
P. 34
語学に関して言えば、"クリティカル・マス"を超えることが必要
物理学では、ある連鎖反応を引き起こすために必要な重量を「クリティカル・マス」と呼ぶ。
→同感。高校3年の受験勉強中、進路指導室で自習している時に急に開眼したのは、今でも覚えてる。
P. 54
人間の成長が直線的ではなく、非連続的に訪れることを実感したことで、あきらめずに続けてさえいれば、どこかのタイミングでフェーズが変わると信じることができるようになった。
P. 181
社員のバックグラウンドは様々で、母国語も異なる。その中で意識の共有を図るために、必ずこちらの意図が伝わっているか、確認するようにしている。「わかったと言ってくれたけど、わかったと思うことを自分の言葉で言い直してほしい」というふうに。こういった多国籍チームのマネジメントで重要なのは、すべてを自明だと思わないことだ。
→この確認はぜひやろう。