UMLモデリングレッスン

著者 :
  • 日経BP
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822283490

作品紹介・あらすじ

UML(Unified Modeling Language:統一モデリング言語)は、ソフトウエアの要求仕様や内部構造の記述を目的とした国際標準の表記法です。従来は内部構造を表現する設計図として幅広く使われてきましたが、ユーザーの要求を「見える化」する要求モデリングの表記法としても大きな威力を発揮します。本書では,これまで体系だってまとめられてこなかった要求モデリングのノウハウを21のパターンとして提示しました。また実際の説明では、最初にやさしい練習問題を示し、その解説を通じて実践的なノウハウを一つひとつ説いていきます。上流工程でますます重要となるモデリングの技術をぜひ本書で身につけてください。

感想・レビュー・書評

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  • 21の基本パターンでわかる要求モデルの作り方

  • UMLの記述ルールの知識はあるが、モデリングスキルは我流で特にクラス図が弱いので、その学習のために購入。

    初心者向けにモデリングのパターンを設問形式で解説している。
    モデリングのスキル習得の取っ掛かりとしてはよいと感じる。取り上げているUMLの図はほとんどクラス図なので、自分の目的にも合っていた。
    設問にたいする解説の記述中に解答を紛れ込ませるような書き方なので、解答が読み取りにくいのは難点か。

  • 主にUMLのクラス図を用いたモデリングについての入門書。もっとも単純なケースから始めて、徐々に複雑なクラス図の書き方、考え方を学ぶことができる。途中でステートマシン図も少し登場する。UMLモデリングとはいっても、本書が扱うのは主にその二つの図のみ。ピアノの教本バイエルを参考にしたと著者は書くが、まさにそういう構成。デザインパターンが全部で21紹介されている。

    さて自分自身UMLモデリングには全然馴染みがないせいか、考えとしては分かるものの、果たしてこれは使えるのだろうかという印象を持った。例えば、クラス図の多重性にかなりのビジネスロジックが含まれるとされる(p.116)が、このような小さな情報に気を配らなければならないのはこの記法の欠点と見える。しかもその多重性を考える際には、どういうインスタンスがありうるか、つまりインスタンスに対してどういう同一性条件がありうるかを考えることであって、これは実質的にクラスの主キーがなにかを考えることになる。本書のUMLモデリングではキーという概念を導入しないので、説明がときおり苦しい。関連クラスを使う方法が紹介されるがあまりお勧めではなく、データ構造の話をするのに同一性や制約条件がノートや文字ベースでしか結局表現できない(p.191)。それはせっかくの図法としては厳しい。

    また、ステートマシン図とクラス図の関連はよく分からなかった。ステートマシン図からイベントを選んでクラス図に表現すると言うが、イベントそのものがクラスになるわけでなく、イベントに伴うステータスをプロパティに持つクラスがある。ステートマシン図を通過するインスタンスの検討をしないでクラス図と関連づけるのは苦しい(p.142,162)。ER図の考えを使うと「どうしてもコンピュータの仕組みが要求モデルに混入してしまう」(p.296)とあってその論点はよく分からないが、UMLのクラス図もオブジェクト指向プログラミングでのクラス分けを反映したもので、どこまでそういう仕組みの混入を免れているだろうか。

    とはいえ、こうしたクラス図による表現は特に動的にカテゴリや属性が変化する事態(p.218f)ではかなり明確な表現ができるなと感じたし、ER図も多対多のクラスのモデリングでは中間にエンティティを入れなければならない(p.289)のは難点だろうと思った。

    最後に、ベン図による記述はかなり苦しい。ベン図は要素関係は一段階しか表現できない(ベン図では要素は点で示され、その内部構造は示せない)。著者は要素関係を色付きの四角と、線の二つの方法で書いている。例えば要素と要素の組を含む集合があるが(p.96)、これなどベン図で書くのはかなり無理がある。また、全体と部分という概念対がちょっと不安定。「全体集合と部分集合」と「全体と部分」の違いは、分類と分割の違いだとするが(p.86)、この違いは包含関係と要素関係の違いだろう。

  • 主にクラス図の書き方を解説した本。
    書き方の観点を丁寧に説明してあるので、基本が学べる。しかし、基本なので、実践に入る前段階の本でこれだけでわかるようになるわけではない。

  • わざわざパターン化する必要の無いものまでパターン化してあるのが良いところ しかし人によっては無理にパターン化するのは良くないと思うのかもしれない

  • UMLの構文ルールを学んだ程度の知識で本書のレッスンを行うと、かなり難しく感じるだろう。

    しかし、とにかく考えて書いてみるのが一番だと思うので、UMLを業務で活用したい!と考えてる方にお勧め。
    (クラス図がメイン)

    本書は問題を提示し、解説とともに解答を伝える形となっているため、まず自分で考えることができるため少しずつ概念モデリングに慣れていけると思う。

    次回読むときは各レッスンの問題を穴埋めで解くのではなく、ゼロからモデリングしようと思う。

  • モデルとは、模型のことであり、シミュレーションが模擬試験であることが分かっていれば、
    UMLで模型を記述するのは、模擬試験をするためであることが分かるはずである。

    本書は、模型の作り方については、詳しく説明している。
    しかし、3種類の図の選択に疑問がある。

    クラス図、オブジェクト図は、模型の実装の段階でもよく、
    先に、これらの実装に関する部分を知る必要がないのではないか。
    ステートマシン図は、状態機械図あるが、ステートチャート(状態図)、状態遷移図とも呼ばれている。

    状態遷移図は、対象の知識がないとかけないかもしれない。
    そのため、分析をしながら作るのがいいかもしれない。

    本書の状態遷移図のところだけまず勉強するのがよい。

    状態遷移図が分かれば、時系列図を描くとよい。
    通信、組込み、リアルタイム制御では、時系列図が必須だから。

  • UML特にクラス図のお勉強ができる本。

    UMLを何も知らないところからある程度まで学習できる。

  • 『概念モデル』に関するモデリング技術(うちクラス・ユースケース・ステートマシン図)

    の記述の仕方はよくわかりました。

    一つ一つの問題がきちんとレッスン形式になっていたため、

    そこを怠らなければ大まかなポイントはつかめるものになるのではないでしょうか?

    でも、個人的に一番知りたかったプログラミングに繋ぐスキル(上流モデリング)に関しては

    もともとこの本が概念を基準にしているだけあって、これだけで理解できるかというと

    そうではないのだという感じでした。

    その代わり、プログラミングのみではなく、ある程度なら日常の思考の組み立て方にも活用できる

    汎用的な本だと思います。

  • 分析する人、モデルを読む人・書く人は必読。

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著者プロフィール

ウルシステムズ株式会社所属。メインフレームによる金融システムからマイクロコンピュータを使った制御系システムまで、いくつかのシステム開発を経験した後、30代前半でオブジェクト指向モデリングとSmalltalk、(Observerパターンの)MVCフレームワークに出会い、衝撃を受ける。その後、技術コンサルティングの仕事を経て、2001年にウルシステムズのスタートアップに参画し、現在に至る。著書/翻訳書:『UMLモデリングレッスン』(著、日経BP)、『リファクタリング 第2版』(共訳、オーム社)、『レガシーコード改善ガイド』(共訳、翔泳社) ほか

「2021年 『オブジェクト指向でなぜつくるのか 第3版 知っておきたいOOP、設計、アジャイル開発の基礎知識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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