ピープルウエア 第3版

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822285241

感想・レビュー・書評

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  • p.5
    プロジェクトの成功は関係者の緊密な対人関係によって生まれ、失敗は疎遠な人間関係の結果である。

    p.11
    プロジェクトには「触媒」が不可欠。
    「触媒」=不安定な状態にあるPJのまとめ役

    p.22
    早くやれと急かせれば、雑な仕事をするだけで、質の高い仕事はしない。
    仕事を早くするためには、製品の品質と仕事の満足感を犠牲にせざるを得ない。

    p.26
    エンドユーザーの要求をはるかに超えた品質水準は、生産性を上げる一つの手段である。

    p.40
    ソフトウェア開発者の主な仕事は、ユーザー流の表現で表したユーザー要求を、厳密な処理手順に変換するための、人と人とのコミュニケーションである。これは、どんなにソフトウェア開発のライフサイクルを変えようと、絶対に必要な仕事であり、自動化できるはずがない。

    p.41
    管理者の役割は、人を働かせることにあるのではなくて、人を働く気にさせることである。

    p.52
    意外なことに、残業の真の目的は、仕事の量をこなすことよりも品質向上のためなのだ。(定時の時間帯は仕事に集中できない)

    p.166
    チーム編成の目的は、目標の達成ではなく、目標に向かって一体になることである。この目的が満たされたとき、チームのメンバーはずっと効率よく働く。

    p.185
    最大の成功は「管理」などないかのように、チームがなごやかに一致団結して働いたときである。最良の上司とは、管理されていることを部下に気づかせずに、そんなやり方を繰り返しやれる人である。

    p.195
    健全な会社にするための不思議な作用を生み出す戦略的要素
    ・品質至上主義を作り出す
    ・満足感を与える打ち上げをたくさん用意する
    ・エリート感覚を醸成する
    ・チームに異分子を混ぜることを奨励する
    ・成功チームを解散させないで保護する

  • 本書籍は,仕事でのソフトウェア開発にまつわる,技術面よりは,それ以外の側面での,様々な事について書いています.読者層は,リーダー級のプログラマや技術職のマネージャ,経営者向けかなと思います.
    本書籍は,初版は1987年のようで,33年過ぎた2020年時点では,本書籍で書いていることは,いくつかはテクノロジーが解決できているのもあると思いますが,多くは未解決と思います.
    前述のとおり,本書はリーダ,マネージャ,経営者向けかなと思いますが,プログラマが自分自身の職場,または参画している(参画してきた)プロジェクトに,漠然とした疑問を持った時に読むのも良いと思います.
    プログラマが,自分の居場所を良くするには,ほんのちょっとした,ささやかなアクションの積み重ねだと思います.

  • 独特の言い回しの文章で、読む人選ぶかもしれません。
    プログラマを経ずに、ソフトウェア開発のマネジメントをする人は是非読むべきだと思う。ほかのマネジメント本とは違い、ソフトウェア開発を社会学としてとらえ、現場の問題に即した本となっている。
    メモしたい言葉は、「人は期限通りに仕事をするために多くの残業をするのではなく、仕事が期限通りにできそうもないことがわかったときに、非難から身を守るために残業するのだ」

  • 図書館で借りた。
    プロジェクトマネジメント系の名著の1つと考える。その中でも、やるのは人間であるという、ヤル気・人間性・心理といったところにフォーカスを当てた1冊だ。よくある「部下のヤル気を出させる」「組織が成果を出すために」的なビジネス啓蒙書は、この本から派生していると言っても過言ではないと感じている。
    内容としては、驚くようなものではなく、「そうだよねぇ~」くらいの感想だが、バイブル的に1冊あっても良いかと思いました。

  • 「ソフトウェア開発上の問題の多くは技術的というより社会学的なものである」という一文に激しく同意。ソフトウェアには人の働き方の変革を後押しする力があり、AIがコードを書いてくれる時代になったとはいえ、それを作り上げるのは依然人の仕事である。そうなれば社会学的なアプローチに触れないわけにはいかない。
    本書は一般論的なHRMを学んだエンジニアリング組織のマネージャーが次に読むべき本として素晴らしい内容にまとまっている。一般論とソフトウェア開発の現実とのちょうど中間地点の程よい抽象度。
    日本のソフトウェア開発プロジェクトの現場では、冒頭に挙げた「社会学的」な課題解決アプローチが欧米のそれよりも未発達らしく(訳者あとがきより)、これまで当たり前と思ってきた職場環境のあれこれや、プロジェクト管理上のあれこれが実はアンチパターンだったと知ることができる。
    皮肉が効いた文体が特徴的な本書ではあるが、挙げられた数々のアンチパターンに対して同調し「だからうまくいかないんだよなあ」と嘆くだけでは意味がない。では何のため、どこから、どのようにして変えていこうか。という今日明日からの行動に落とし込んでいきたい。

  • マネジメントの学習のため購入。
    技術よりも大事なものは人で、人格の尊重、相応しいオフィス、人材の選び方・育て方、結束したチームがもたらす効果、仕事は楽しくあるべきもの、仕事を生み出す組織作りの大切さを学べてためになった。

  • エンジニア、さらに言えばプログラマの働き方に対する本。プログラマはどう働くべきか、周囲は彼らを活用させるためにどうすればいいのかを説明している。
    ものすごく簡単に言えば、互いにコミュニケーションが取れる状態をチーム内に構築する、周囲(マネージャなど)は彼らの邪魔になることはしない(邪魔になること:電話を掛けたり電話対応させたり集中力が途切れるようなこと)などが挙げられている。それと似たようなことが実例とともに繰り返し述べられているのがこの本の主な内容である。実際にはプログラマが成長する際の学習環境についてなども含まれている。
    さて、そうするとプログラマが勝手気ままに周囲に対してふるまえるかのように読めてしまうが、そうではなくここでいうプログラマはそれぞれ第一線で活躍できるような技量を持った存在のことであり、ぴよぴよのプログラマが好き勝手に要求していいわけではない。そんなひよこが成長できるような学習環境も提供するのが環境の責務であると述べているのは先述の通りだが、どちらかというとやはり自身で作業・責務の最適な姿が見えるプロフェッショナルなプログラマを対象としている。
    そしてそれは書末にある「自由電子」という語に集約される。よい軍隊のように前線で各個人が高い能力でもって判断・連携する組織的な活動というイメージがぴったりあう。

  • プロジェクトマネジメントはツール、セオリーも大事なのだが、ここで述べているようなロジスティクス的なこと、人間関係やモチベーション管理の方が大事だろうなぁと改めて思わされた一冊。

  • 我がふり直す

  • システム開発をする上で、人の扱い方に特化した内容。共感できる文言が多かった。
    おそらく平社員よりも、マネージャーに向けた一冊だが、新人でも読んで考え方を知ることができて良い本だった。

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