あの日、東海村でなにが起こったか: ルポ・JCO臨界事故

著者 :
  • 七つ森書館
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822801489

作品紹介・あらすじ

どんなに時が経過しても、忘れてはいけないことがある。通信社記者が事故の全容に迫る渾身のフォト・ルポルタージュ。

感想・レビュー・書評

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  • この本は気鋭の記者が克明に綴った、JCO臨界事故の真実の記録です。非常に読み応えのあるルポルタージュですが、現在はどうも絶版のようです。自己の記録を風化させないためにも、ぜひとも再販を切望します。

    この本の存在を知ったのは、以前読んでここでも紹介した『朽ちていった命』というJCO臨界事故で被曝し、命を落とされた大内久さんと彼の治療に当たった医療スタッフの記録を読んで、巻末の方で参考文献として挙げられていたので、手に入れて読んでいました。しかし、現在は絶版ということなので、どう考えても『くさいものにふたをする』という意図があるような気がしてならないのですが、個人的には一刻も早い再販を心より望んでいます。

    あらましをかいつまんで申し上げますと事件の経過と、自治体や、そこに住む人がどういう経過を辿ったのか?そして、やはり風評被害というものがあったそうで、この事故が発生したのは1999年の9月30日、午前10時35分だそうで、この段階で2011年の3月11日への道のりがすでにできていたのではないかと思っています。ここに書かれていることは、今、日本全体に起こっていることと、恐ろしいまでに酷似しています。規模が違うだけです。

    よく『原発はクリーンで安全だ』という話を散々喧伝されていたことを思い出すのですが、このほかにも数々の事故を起こしているんだということをほとんど知らずにいたことに恥ずかしい思いがいたしました。いま、現地に足を運んでいるわけではないので、東海村がどのようになってるかは僕にはわかりません。

    この事件は風化しては決していけないと思っていますし、ここに記されてある記録は、事故を起こしたJCO東海事業所所長、いち早く住民避難の判断を下した東海村村長、臨界終息の作戦を立てた日本原子力研究所東海研究所副所長ら関係者の肉声がふんだんに盛り込まれているので今読んでも本当に貴重で、絶版されているのが本当に悔しい限りです。ですので、是が非でも再販を強く願っています。

  • 国や政府の対応、自分の身は自分で守るしかないと気づいた人たち。すべてが、フクシマと繋がる。

  • 中性子線の恐ろしさが分かります。

  • 原子力に関する関係者のぶれを,本書で読み取ることができれば,
    今後の対策に役立てることができるかもしれない。

    放射能と放射線を混用していた媒体や,
    値を超えていることだけを声高に言って,どう対応するかを議論しなかったり,
    同じ事を繰り返していると,きめ細かな必要な対応はできないのかもしれない。

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