GAFA vs.中国 ――世界支配は「石油」から「ビッグデータ」に大転換した
- ビジネス社 (2018年11月2日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
- / ISBN・EAN: 9784828420615
感想・レビュー・書評
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GAFAを深堀するために、この本を手にとった。
題目がGAFAというだけで内容的には、中国の脅威や欧州と中東の危機が日本の今後といった国際情勢よりの話であった。目的のGAFA深堀ではなかったが、これはこれで学ぶことの多い著書となった。
以下、学び
・中国はやはり国家全体で自動運転とかに取り組んでいるので日本などは全然太刀打ちできず、GAFAも米国が全面バックアップしてないので旗色が悪い
・イスラムでも85%のスンニ派(サウジ、シリア、トルコ)、少数のシーア派(イラン、イラク)がある。多数をスンニ派が占めてるシリアだが、少数のシーア派のアサド政権が権力を握っているために内乱が絶えない
・イランに中国、ロシア加担、サウジにアメリカ加担の構図となっている
・トルコはスンニ派のためもともとシリアに対し反アサド、反シーアだったが、国内のクルド武装勢力に米国が加担したため、反米になった
・ドイツなどは中東の難民を受け入れているため、文化衝突を防ぐための国境が機能しなくなり、テロリストの温床等となり国力を低下させた
中国排他、トランプ支持の立場の著者であるが、今後の世界動向を知るためには、そういった視点から世界を眺めてみるのも良いのではないか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世界情勢に詳しい著者。知らない情報が沢山有り勉強になった。
・GAFAは、データという資源を独占するためにプラットフォームを無料で提供してきた。
・石油はドルに基軸通貨という特権的地位を与えた。イラクのフセイン政権が潰されたのは、ドルからユーロに替えようとした為。
・米中通商摩擦は中国に勝ち目のない戦い
5000億ドル対1500億ドル 米国の輸入製品は他国に置き換え可能。
・35年間一人っ子政策を取ってきた弊害
3400万人男が多い。女児は胎児した為。女性100人に対して男性136人。結納金も1千万以上必要 -
題名と中身に違和感がありました。
GAFAの話は最初と最後にあるのですが、ほとんどは様々な国が直面している状況について、作者の見解と共に述べている本でした。
それはそれで興味深いし勉強になりましたが、タイトル通りの内容を期待すると、少し残念。。。 -
タイトルに「GAFA vs. 中国」とあるが、すでにかなり中国に取り込まれてる企業もあるし・・・。
GAFAそのものを解説するというより、覇権争いの舞台がデータになった背景と、日本が取るべき道について解説した本。
一年前の書で、すでに古くなっている箇所もあるが、渡邉さんの本は週刊誌のようにさっと読んで次に行くべきなのだろう。
第一次ペンス演説であれだけぶち上げた割には、事態は進展していない、と見るべきか、米はじっくり腰を据えて対策を取っていっている、とみるか。
でも、この本の書かれた2018年10月は、まだ孟晩舟女史がカナダで拘束される前なんだな。
その意味では貿易戦争から全面戦争へ、という読み筋は外れておらず、この枠組の中で道を誤らないようにしたい。 -
GAFA vs. 中国 というタイトルとしては物足りない。
そこはかと漂う反中な書きっぷりにも抵抗感。
文章量や視点を中庸にすればもっと受け入れやすかったのに、残念 -
米中貿易戦争を中心に、それに纏わる世界情勢の事の発端から今後の動向や日本の取るべき対応ついて、丁寧に解説されている。
ここ数年(特にトランプ政権後)の世界情勢について、頭の中を整理するには持ってこいの1冊。 -
いや、FT読んでるし、これぐらいの話は新聞読めば分かるわ、っと思っていたが読んでしまった。読みたい衝動に駆られた。
GAFAを解体するのは国家だと著者は語るが新しい国際関係論を教えてもらった気がする。グローバル企業を含めた様々なアクターが相互に影響しあい混じりあいながら「国際的アナーキー」を形成しているのだが、国家というアクターがまたもう一度影響力を強めるのだろうか。