夜よシンバルをうち鳴らせ (福武文庫 な 101)

著者 :
  • ベネッセコーポレーション
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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784828830285

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  • 解説によれば、作者が実際に戦時下の北京で出会った人物も主要キャラとして登場しており、自身の体験を土台に書かれている様子。最初の雑誌掲載が1964から5年なので戦後20年を経て振り返っていることになる。

    各章がなかば独立したオムニバスっぽい形式で、作者自身の投影である新聞記者の主人公は、狂言回し的な役割を負っている。登場人物たちが観念的な会話を延々と交わすのについていけないところはあるが、「大東亜共栄圏とは何だったのか?」との問いかけが全編を通底している。

    こちらも小説としての興味よりも、大戦下被占領区の北京についての描写を読もうと手に取ったもの。トルキスタン独立を目指す亡命将軍、北京原人骨格の争奪戦、魯迅夫人の捜索、大陸浪人のたまり場的サロン、女優の卵の国策映画会社でのオーディションなどなど仕掛けはもりだくさん。しかし全体として筋らしい筋がある小説ではない。

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著者プロフィール

福岡県生まれ。北京・邦字紙『東亜新報』の記者などを経て作家に。著作に『夜よシンバルをうち鳴らせ』(福武文庫)、『闇のカーニバル─スパイ・ミステリィへの招待』(日本推理作家協会賞、双葉文庫)、『北京飯店旧館にて』(読売文学賞、講談社現代文庫)他多数。『拉致─知られざる金大中事件』(新潮文庫)は映画「KT」の原作。2012年春、神奈川近代文学館で「中薗英助展」開催。

「2012年 『何日君再来物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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