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- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784829112663
感想・レビュー・書評
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幕末に日本で活動した商人スネル兄弟。
なかなかマニアックな存在の2人を主役にした小説。とても面白かった。
外国の商人は日本に何を求めてきていたのか、金と銀の価値が世界標準とだいぶ異なり、おかげでこの頃に日本から流出した金はかなりの額になると聞いた。
そういったある意味のゴールドラッシュを目当てに、幕末の日本には外国商人がたくさん訪れたそうだ。同時期にはアメリカで南北戦争が起きている。
イギリス、フランスなどのパワーゲームの影響も少なからず日本に及ぶ。
スネル兄弟はグラバーなどと比べれば出遅れた外国商人だった。そのため薩長の側には食い込めず、奥羽越列藩同盟側の求めに応じて武器を供給した。
ただ利益だけが欲しくて奥羽越に武器を売ったのなら、不思議な行動がある。
兄のヘンリーは会津で平松武兵衛と名前をもらって武士になったりした。弟のエドワルドは寄席に通うほど日本語や日本文化に堪能になった。
少なからず会津や長岡など旧徳川幕府側の武士たちの志に心を寄せた、ノスタルジックなロマンもあったのではないかと思う。
この小説はそんな話。
最近は入手困難になっているようで残念。
再販してくれたら良いのに。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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