- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784829135969
作品紹介・あらすじ
目覚めればそこに義妹アカリの美しい顔があった。「兄様。おはよう」彼女は四つん這いで、俺-トール・アキュラの上に跨っていた。枕には、アカリ愛用の鉄槌が深々と突き刺さっている。戦乱の後フェルビスト大陸を兄妹で放浪し、その日暮らしをしてきたが、とうとう食い詰めてアカリは俺に業を煮やしたのだ。「働いたら負けだ」とひとりごちながら、食料を探しに山林へ入ると、何かが草むらに潜んで動いている。凶暴な棄獣かと構えたが、現れたのは小柄な少女だった。「お…襲う?」黒い衣装をまとい、棺を背負った不思議な少女は、大きな紫の瞳で俺を見つめる。彼女-チャイカと俺はこうして出会い、世界は再び動き出した。
感想・レビュー・書評
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2014春アニメ。(i44)
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ポリフォニカから流れて読んでます(笑) 今回は、落ちこぼれた主人公?目的を無くしたといったほうが適切かな?3人の旅物語で敵はバッサ、バッサ倒していきますw なかなか爽快で主人公強いです。ヒロインも守られてばかりではなくライフル使ってちゃんと戦ってます。
なかなかおもしろかったので、今後も読みたいです。 -
ステプリ以来、久々に榊一郎氏のラノベ。
さすが安定して読みやすい。
ストーリーとしては目的のものを探す冒険物といった感じ。 -
よくあるラノベ系かなと感じたけれども、整然とした文章であっさりと、しかし飽きずに読めた印象。
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とても面白かった!
良質な剣と魔法のファンタジー、キャラも良くできてるし、なまにくATKさんの挿絵も可愛くも達者。ここからどうなっていくのかとても楽しみ!
あとがきの榊さんと編集さん掛け合いの中のお言葉「変にひねらないでください」。これは、お話の作者さんだけでなく、読者の作品に対する姿勢においても同じようなことが言えるかもしれないw -
ファンタジア文庫にての新シリーズ第1巻。
剣と魔法のファンタジーですね。
榊さんの魔法設定がほんと好きだなあ。
ストジャも大好きでしたが、このチャイカの魔法設定もおもしろい。
戦争が終わったことで働き口を失ってしまった主人公・トール。
以後、自堕落な――引きこもりなニート生活を満喫している彼に、義妹・アカリは「剥製にする」と鉄槌を振り回していて。
一応ヒーローなのに「働いたら負け」とかw
そんな彼らが出会ったのは身の丈以上の棺を背負った銀髪の少女・チャイカだった。
榊さんの文章は読みやすくて、すっと頭に入ってきて。
ほんとおもしろかったです。
トールもアカリもチャイカもすてきでした。
アカリの、本当に兄様を敬愛しているのかわかりづらい行動も楽しかった。
登場人物紹介のページ、おもしろいw
最後の方で戦った騎士ジレットさんは今後どのような展開になるんだろう。
さ、つづきも読もう。 -
わりとオーソドックスな剣と魔法のファンタジー、榊一郎風味といった感じでしょうか。
あいかわらず読みやすくも読みごたえもある文章は流石です。
1巻目ということでお話もこれからといったところでしょう。
ヒロインがふたりとも抜けているところがあるので、主人公の行く末がどうなるか気になることろです。
せめて剥製にならずに済むようにがんばってもらいたいですね。 -
やっぱファンタジーはいいなぁ
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“少女は機杖<ガンド>の機関部に備わる装填桿<ボルト>を引き下ろす様にして引いて、戻した。
がしゃん――と音を立てて蓄念筒<カートリッジ>が装填される。同時にバネ仕掛けの増幅術式筒<スペル・ドラム>がちらりと涼やかな音を立てて回転を始めた。
「ん……」
最後に少女は自分の長い髪の間に右手を差し込んでうなじを探る。
正確には――そこに刺青された紋章を。
それが変わらずある事を指先の微妙な感触で確認すると、少女は機杖から引き出した接続索をまるで首輪の様にかちりと自分の首に巻いて留めた。
接続索の紋章と自分の首の紋章が合わさって自分の意識が機杖に繋がるのを感じる。
「……<切り裂くもの<ザ・リッパー>>」
選択呪文を自らに確認するかの様に少女は呟いた。
最も単純な魔法の一つだが、それだけに詠唱も早く応用も利く。
深呼吸を一つ――そして少女は呪文詠唱を開始した。”
設定とかいいなー。
チャイカ可愛い。
結末がどうくるのか少し予想できそうな気もするけど。
これからの展開に期待。
“敵の類という訳でもないだろう。それならわざわざ棺に入れて弔う意味が無い。
では親しい誰かかというと――それも考えにくい。親しい誰かなら生きていて欲しいと思うのが人情だろうし、既に死んでいるなら死んでいる出……そうと分かっているのなら、今現在、空っぽである意味がない。遠方で知人の訃報を聞いて、という可能性もあり得るが、わざわざ棺をこんな少女が運んで持っていく理由が分からない。
それとも――これは『いずれ死すべき者』の為の棺か。
例えばこのチャイカ自身の?
「誰が入るんだ?誰が死ぬんだ?あるいは誰が死んだんだ?」
「…………」
チャイカは曖昧に首を振る。
言えないという意味か。分からないという意味か。
問い詰める事は出来たが――
「やるべき事。私の」
チャイカはきっぱりとそう言った。
「やるべき事……」
「やる。義務。使命。目的。絶対。一生――かけても」
チャイカはにっこり微笑んで言った。
「頑張る」”