- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784829136911
作品紹介・あらすじ
「か、カナクさんはリーゼに騙されているだけです。だったら、何とかカナクさんを救う方法が、あ、あるんじゃないでしょうか」あたしの震える声に、オリヴィア女王さまは厳しい目を向けた。「カナクは既に魔王としてこのアレンシアに君臨している。黒に染まってしまったものを白に戻すことが出来るとは思えないわ」うう、女王さまの確信に満ちた指摘に、涙が零れそうになる。でも、あたしは黒でも白になれるって信じたい…!ユーリエを救うため、"黒夢の魔王"となったカナク。そのカナクを元の姿に戻すため、ダークエルフの聖神官・ネウは単身村を出るが!?純真な恋が世界を動かすファンタジック・ラブストーリー。
感想・レビュー・書評
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黒夢の魔王となったカナクを救おうとするネウの旅と、白夢の世界イストリアル・セントラルのリーゼ姫の物語が、交互に展開されていきます。
カナクが黒夢の魔王となったことで、アレンシア大陸に夢魔(ムーマ)があふれ出し、人びとを「眠りもの」に変えていきます。そんななか、ネウはカナクの同級生だったレニウスとリリルと再会し、ネウとレニウス、そしてアルマの3人に、大氷山脈ディルギニアに住む銀獣人への書簡を届けることになります。
途中、ソーン音楽団の歌姫ヤヒロも合流し、4人は銀獣人ディクトが住むセスコム荘にたどり着きますが、すでにディクトは眠りものにされていました。銀獣人がやがて脅威になると考えたカナクとリーゼが、一足先にディクトに攻撃を仕掛けていたのです。しかし、ネウたちはディクトの息子ライカを探し当て、彼にアレンシアを魔王から救うため協力してほしいと訴えます。
ところで、アレンシアの人びとを苦しめている魔導師リーゼは、かつてイストリアル・セントラルの姫でした。イストリアルの人びとは、あらゆる欲から解放され、争いごとのない世界に暮らしていました。ところが、イストリアル人と精霊界フェイエリアの住人フェイエルフのハーフであるリーゼ姫は、従者の少年ポルトに恋心を抱くようになり、それ以後イストリアルにアレンシアからの黒夢があふれ出します。黒夢の力をまとった黒い獣との戦いでポルトを失ったリーゼに、黒晶石をアレンシアに封印する役目がいいわたされます。リーゼはこの命令を引き受けますが、ポルトを失った悲しみと、フェイエルフとのハーフであるためにアレンシアに行かされることへの憎しみに包まれた彼女の心の中に黒夢が入り込み、支配されてしまうことになります。
2巻まではカナクが主役でしたが、ここからはネウが主役となります。2巻までに比べると、劇的な展開も少なく、ちょっと失速した感もあります。その一方で、ライトノベルらしいネウのキャラクターが、作品の評価を下支えしているような気もします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
魔王と堕ちてしまったカナクを救う手だてを考えるネウの話.この第3巻もネウ編である表の話と,別の国の物語である裏の話を交互に進めていく構成で,つまり厚さに対して内容は半分.ただ,表編も裏編も1つ1つ事件を描いているので,前巻(特に裏編)のような展開の早さはあまり感じず,じっくり読めた.どのキャラも1人の相手をどこまでも思い続けており,著者の好みかな,と思ったり.
あとがきによると序破急でいう序が終わったところらしい.裏編のカラクリの意外性に★+1 -
なんか途中妙に都合のいい展開があって「えっ」とか思った。
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ここまでで「序破急」の「序」なんですね。
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どのキャラクターも真っ直ぐで素敵で、だから悲しい話にもなりえてしまう。
伏線の張り方と、細かい章分けで織り成される物語感がたまらない。
続巻待ち遠しい。 -
ネウがカナクを救うための旅にでた。アルマやレニウスとともに。アルマはネウが好きなのかな?
かわいいしな。ネウ -
2巻のあとがきを読む限り3巻はすぐ出ると思っていたのに全然出なくてハラハラさせられた。書きなおしてたのね。
時間をかけた分今回もしっかりした物語になってるが、今回は2巻以上に繋ぎ感がする。
要はネウがかわいいってことだな。あれ、違う?
今回はカナクやユーリエの友人だったリリルとレニウス話が表、そして裏はなんと2巻で相当アレだった「例のあの人」の話。
なんか向こうの事情がわかると複雑な気分になるよね・・・これって本編にありながらにしてサイドストーリーって事だよね。すごくうまく組み込まれてると思う。