医師という生き方 (発見!しごと偉人伝)

著者 :
  • ぺりかん社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784831512727

感想・レビュー・書評

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  • 図書館にて読了。各人物の紹介後にあるコラムが参考になった。どんなに輝かしい結果を残してきた偉人でさえ、泥臭い過去がある。


    ・野口英世
    野口英世はコンプレックスを努力の原動力に変え、梅毒の研究でトレポネーマ・パリドゥムの発見を機に、細菌学界に大きな影響を与える偉業を成し遂げた。
    彼は人一倍勤勉に努力し、根気強く研究を続けた。そんな彼にも実は、浪費癖と遊びグセがあった。渡米費の工面の為、結納金目当てにほぼ結婚詐欺のようなこともした。しかしそれで手に入れた軍資金も出帆前夜、派手な宴会を催し、全部パーにしてしまう始末。そのせいで周囲に迷惑をかけてしまっている。朝ドラで最近話題の牧野富太郎といい、天才は貧富に関わらず浪費癖があるのだろうか。

    ・北里柴三郎
    破傷風菌の純粋培養、血清療法の開発、ペスト菌の発見などの業績を上げ、伝染病研究所、北里研究所、慶應医学部を設立。日本医師会初代会長であり、日本近代医学の父ともいわれる。
    北里柴三郎の場合、野口英世のような人間くさいエピソードは載っていなかった。ちょっと残念。

    一人一人、感想を書くのは疲れてしまうので、ここら辺にする。日本人初の女医でありながら最後は愛に身を投じた萩野吟子。地道な医学研究を追い続けた山極勝三郎。他にも、荻野久作やナイチンゲール、永井隆、国境なき医師団など医療へ貢献した先人たちが紹介されている。

    最後に、著者の茨城保先生。私が中学の頃愛読していたマンガ「Dr.コトー診療所」の医学監修者ということを終わりの方で知り、少々びっくりした。

    医療職を目指しているのにも関わらず、理系科目より文系科目の方が自分に合っていることへの不甲斐なさ、受験生なのに勉強以外のこと(読書や趣味、友人との遊びなど)にエネルギーを費やしていいものかと後ろめたさに悩んだりしたけれど、著者の言葉に胸が軽くなった。
    「若い頃のそうした経験は、人間性を養う上でもっと大切であり、それは後々、あなたの人生の根っこを支える土台になっていきますから。」

    この本で紹介された人物はみんな、幼少期に置かれた環境や価値観によって全く違う人生を歩んでいる。私も良い人生を歩めるよう、一生懸命現実の延長線である夢に前進していこう。

  • 読みやすかった。
    「進歩的な人間はただつねに前進するのみ!一歩も退いてはなりません!」「自分を生かすためには、たとえbわずかなりとも何かを、自分の手で掴みとらなければならない。それは与えられるものではない。」といった名言たちに出会えた。

  • 医学のあらゆる分野で功績を残した偉人7人を紹介した本。
    医師でもある著者だからこそ、「医者」というものの建前と本音もちょいちょい書かれているが、なかなか興味深い。
    もともと、中高生の職業・進路学習用に書かれたものなので解りやすく、読みやすい。偉人7人の伝記としても、学習用資料としてもおすすめ。

    ところで当シリーズ、次巻はいつになったら出るのかしら?
    結構楽しみに待ってるんだけどなぁ。

  • 出版社/著者からの内容紹介
    彼らは10代のころ、何を夢見ていたのか。
    どんなきっかけで医学の道を志したのか。
    野口英世、北里柴三郎、荻野吟子、山極勝三郎、荻野久作、永井隆、ナイチンゲールなど、
    医療、医学の世界で何かをなしとげた偉人たち。
    臨床・研究・地域医療・女性と医療のかかわりなど、
    さまざまなジャンルで彼らが残した業績は今にもつながっています。
    それらを辿り、「医師として生きること」を若い読者に伝え、職業を考えるための偉人伝。

    1生まれた環境、
    2めざしたもの、
    3支えにした思想・信条、
    4努力のポイント、
    5人間関係、
    などを紹介。美談としての偉人伝にとどまらず、
    生き抜くためにどんな努力をしたのか、
    あがき苦しんだマイナスの面も含め、ありのままを描いています。

    またコラムでは、現役医師である著者の、試験勉強や、学生時代のエピソード、
    現在の医療界の問題などがユーモアを交えて綴られています。

    著者は医師であり漫画家。本文中のマンガやイラストも楽しい。
    医師・医療の「仕事」と「生き方」を模索するためのヒント満載!

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著者プロフィール

1962年生まれ。医師、漫画家。奈良県立医科大学卒業。大和成和病院婦人科部長を経ていばらきレディースクリニックを開業。漫画家としてのキャリアは、1989年、ヤングジャンプ増刊号に短編を発表し、スタートした。著書に『まんが医学の歴史』(医学書院)、『まんが人体の不思議』(ちくま書房)など多数。

「2022年 『北里柴三郎 日本近代医学を築いた肥後もっこす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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