あかりの花 中国苗族民話 (日本傑作絵本シリーズ)

  • 福音館書店
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本棚登録 : 173
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834001167

作品紹介・あらすじ

昔、山で仕事をしていた若者の額から一滴の汗がこぼれおち、真っ白なユリの花が咲きました。若者がそのユリを家に持ち帰ると、あかりの灯心がゆらめき、花の中から美しい娘があらわれました。娘は若者と一緒に昼は畑仕事、夜はあかりの下で刺繍を刺してくらしました。しかし、働いて裕福になった若者はいつしか遊び歩くようになり、再びあかりの灯心がゆらめいたとき、娘は飛んでいってしまいます……。中国苗族に伝わる民話です。

感想・レビュー・書評

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  • 中国苗族に伝わる民話を絵本にしたものである。
    働き者の男と、歌を歌うユリの花から現れた美しい娘の恋愛を描いている。
    怠け者となった男から娘は去ってしまうが、改心して再び働き者となった男のもとへ、娘がユリの花から再び現れる場面は幻想的であり美しい。
    「つるにょうぼう」「はなたれこぞう」など主人公の心変わりにより掴んだ幸せを失うという話は多いが、改心により再び幸せを取り戻すという話は珍しく興味深い。

  • 誠実でおだやかな暮らしの中に“しあわせ”があることは、失ってはじめて気づくもの。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    山へ働きにでた若者・トーリン。
    そんなトーリンの汗が転がり落ちた岩のくぼみから、一輪のユリが咲いた。

    ひょんなことからユリを持ち帰ることになったトーリンは、大事にそのユリを育てていた。
    するとある十五夜の晩、灯りの中から美しい娘があらわれた。
    そしてユリの花は、いつの間にか消えてしまったのだった…。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    あらわれた美しい娘とトーリンの、慎ましやかで穏やかな暮らしが、丁寧に描かれていきます。
    だからこそ、その後のトーリンの変化がよくわかります。
    変わっていくトーリンを見つめる娘の“気持ち”は言葉では書かれませんが、トーリンと娘の会話のなかに、そっとこめられています。

    表紙は娘が金鶏鳥(きんけいちょう)という鳥に乗っている場面です。
    聞いたことのない鳥だったので、検索してみたところ、金鶏とは「天上に住むという想像上の鳥」でもあり、「キンケイというキジ科の鳥」でもあるそうです。

    キンケイの画像を見てみると、なるほど、絵の金鶏鳥とよく似ています。
    けれど絵の金鶏鳥は、神の鳥のような雰囲気が強く、ただの地上の鳥・キンケイとは違うことが伝わってきます。

    トーリンと娘の昔話を通して、穏やかな暮らし、誠実に生きることの大切さをしみじみと感じることができる1冊です。

  • 毎日真面目に働き家族がある。それが幸せ。という昔話らしいお話です。幸せのかたちは人それぞれ異なるので踏まえて昔話らしいですね。

  • 鶴の恩返しのような話ですが、最後はめでたしめでたし~。真面目に働いていれば幸せはやってくる〜そんな感じですかね。

  • 中国の苗(ミャオ)族の民話。

    働き者の男がこぼした汗から、美しいユリの花が咲き、きれいな声で歌う。
    男はユリを家に持って帰って、石臼の中に植える。
    十五夜の晩に、明かりの中から美しい娘が現れ、ユリの花は消えている。
    二人は一緒に働いて、仲良く暮らす。
    ところが、家が裕福になると、男は遊び歩くようになり...

    娘がまた一緒に働こうと語りかける場面で、切なくなった。
    最後はハッピーエンドで、読後感も良い。

  • 星や月に関する絵本を探していたときに知り、よみたいと気になっていたので借りた。

    働き者トーリンと、ユリの花とあかりの灯心の赤い花からあらわれた むすめのおはなし。
    中国苗(ミャオ)族の民話。

    中国の少数民族、この間の『月からきたトウヤーヤ』も十五夜、月に関する描写がある。
    ぽっかり山の間に浮かぶ月を想像する……月のおはなしがうまれるのも納得かな。
    お話としてはありがちだと思うけれど、いろいろななぜがある。
    ユリは山に咲く花の珍しさと気高さからか。
    灯りは見ているとふしぎな気分になって赤い花びらのゆらめきに見えるからか。
    赤羽末吉さんの絵は、品があります。

  • 中国、苗族(みゃおぞく)の話

    トーリンもいう若者
    だんだん畑
    まっ白なユリ、歌うユリ
    石うす
    十五夜の晩
    竹かご
    あかりの灯心、赤い花
    ししゅう

    くわや糸
    きせる
    満月の晩
    金鶏鳥きんけいちょう
    月の世界
    むしろの下の2枚のししゅう
    十五夜の晩のなみだ

    金鶏鳥とはhttps://ja.m.wikipedia.org/wiki/キンケイ

    9分弱

  • 肖 甘牛 (著), 君島 久子 (著), 赤羽 末吉 (イラスト)

  • 読み聞かせ。10分。7分。まいて5分。中国苗族のお話。若者トーリンの額から落ちた汗から百合が咲き、美しい娘が現れる。

  • 6 40

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著者プロフィール

肖甘牛

「2020年 『あかりの花 中国苗族民話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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