- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834001167
作品紹介・あらすじ
昔、山で仕事をしていた若者の額から一滴の汗がこぼれおち、真っ白なユリの花が咲きました。若者がそのユリを家に持ち帰ると、あかりの灯心がゆらめき、花の中から美しい娘があらわれました。娘は若者と一緒に昼は畑仕事、夜はあかりの下で刺繍を刺してくらしました。しかし、働いて裕福になった若者はいつしか遊び歩くようになり、再びあかりの灯心がゆらめいたとき、娘は飛んでいってしまいます……。中国苗族に伝わる民話です。
感想・レビュー・書評
-
中国苗族に伝わる民話を絵本にしたものである。
働き者の男と、歌を歌うユリの花から現れた美しい娘の恋愛を描いている。
怠け者となった男から娘は去ってしまうが、改心して再び働き者となった男のもとへ、娘がユリの花から再び現れる場面は幻想的であり美しい。
「つるにょうぼう」「はなたれこぞう」など主人公の心変わりにより掴んだ幸せを失うという話は多いが、改心により再び幸せを取り戻すという話は珍しく興味深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
誠実でおだやかな暮らしの中に“しあわせ”があることは、失ってはじめて気づくもの。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
山へ働きにでた若者・トーリン。
そんなトーリンの汗が転がり落ちた岩のくぼみから、一輪のユリが咲いた。
ひょんなことからユリを持ち帰ることになったトーリンは、大事にそのユリを育てていた。
するとある十五夜の晩、灯りの中から美しい娘があらわれた。
そしてユリの花は、いつの間にか消えてしまったのだった…。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あらわれた美しい娘とトーリンの、慎ましやかで穏やかな暮らしが、丁寧に描かれていきます。
だからこそ、その後のトーリンの変化がよくわかります。
変わっていくトーリンを見つめる娘の“気持ち”は言葉では書かれませんが、トーリンと娘の会話のなかに、そっとこめられています。
表紙は娘が金鶏鳥(きんけいちょう)という鳥に乗っている場面です。
聞いたことのない鳥だったので、検索してみたところ、金鶏とは「天上に住むという想像上の鳥」でもあり、「キンケイというキジ科の鳥」でもあるそうです。
キンケイの画像を見てみると、なるほど、絵の金鶏鳥とよく似ています。
けれど絵の金鶏鳥は、神の鳥のような雰囲気が強く、ただの地上の鳥・キンケイとは違うことが伝わってきます。
トーリンと娘の昔話を通して、穏やかな暮らし、誠実に生きることの大切さをしみじみと感じることができる1冊です。 -
毎日真面目に働き家族がある。それが幸せ。という昔話らしいお話です。幸せのかたちは人それぞれ異なるので踏まえて昔話らしいですね。
-
鶴の恩返しのような話ですが、最後はめでたしめでたし~。真面目に働いていれば幸せはやってくる〜そんな感じですかね。
-
中国の苗(ミャオ)族の民話。
働き者の男がこぼした汗から、美しいユリの花が咲き、きれいな声で歌う。
男はユリを家に持って帰って、石臼の中に植える。
十五夜の晩に、明かりの中から美しい娘が現れ、ユリの花は消えている。
二人は一緒に働いて、仲良く暮らす。
ところが、家が裕福になると、男は遊び歩くようになり...
娘がまた一緒に働こうと語りかける場面で、切なくなった。
最後はハッピーエンドで、読後感も良い。 -
肖 甘牛 (著), 君島 久子 (著), 赤羽 末吉 (イラスト)
-
読み聞かせ。10分。7分。まいて5分。中国苗族のお話。若者トーリンの額から落ちた汗から百合が咲き、美しい娘が現れる。
-
6 40