グロースターの仕たて屋 (ピーターラビットの絵本 15)

  • 福音館書店
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (54ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834018691

作品紹介・あらすじ

本書は、仕たて屋が縫いかけの上着を店において帰ったところ、驚いたことに朝にはそれが仕上げられていたという実話にもとづいて書かれたものです。後になって仕たて屋の弟子たちのしわざとわかったのですが、ポターはそれを小さい茶色のねずみたちがクリスマス・イブにしたことという設定にして、このお話をつくりました。1903年刊。

感想・レビュー・書評

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  • ★4.0
    グリム兄弟の「小人の靴屋」を思い出すようなお話だけれど、どちらかと言うとネズミたちの行動は仕たて屋への恩返しに近い感じ。そして、ポター自身が一番気に入っていた絵本が本作らしく、それが分かるくらいに優しくて、作中の季節が冬でもじんわりと暖かい。また、ちょっぴり意地悪な気持ちがあった猫のシンプキンが、ネズミたちの行動を目の当たりにして自身の行いを省みる流れもとても良い。これでシンプキンとネズミたちも共存できるかも!?それはそうと、ポターが描く刺繍のイラストが溜息が出るほど綺麗で、ただただウットリ。

  • 読むなら石井桃子さんの訳でと思い、図書館で借りました。
    とても古い言葉で書かれていたそうで、その雰囲気を損なわずにと工夫されたそうです。
    仕立て屋が助けたネズミたちが高熱で仕事ができない彼のために衣装を仕立てます。
    絵もとても素敵です。

  • 挿し絵が細部まで綺麗。

  • 仕立て屋さんが幸せになってよかったです。
    生地の感じや、ドレスの雰囲気がつたわってきます。
    絵ももちろんきれいですが、質感があると思いました。

  • 一昨日大社のほうに行ったときに読んでみたんですけど、絵本なのにけっこう長くてびっくりしました。
    ネズミが服を縫ったりする絵がとてもかわいらしかったです。
    仕立て屋の人は大変なことになりそうでしたけど、あな糸が足りてよかったですね。

  • ベアトリクス・ポターの作品集には、様々な動物たちが人間のように暮らす姿を描いた物語が多数収められていますが、中でも『グロースターの仕立て屋』は特別な魅力を持つ一冊です。この物語は、グロースターの町で暮らす貧しい仕立て屋と、彼を助けるねずみたちの心温まる物語を描いています。

    物語は、仕立て屋が市長の結婚式の衣装を仕立てる大役を任されるところから始まります。しかし、彼の生活は非常に苦しく、裁ち屑でねずみの服を作ることしかできない状況です。仕立て屋は、この大仕事を最後のチャンスと捉え、全力を注ぎますが、猫のシンプキンがある行動を起こし、仕立て屋は病に倒れてしまいます。

    この絶望的な状況の中で、物語は予想外の方向へと進んでいきます。シンプキンが仕立て屋の作業場を訪れると、そこにはねずみたちが仕立て屋の代わりに衣装を縫っている様子が。これは、仕立て屋がシンプキンが捕まえたねずみたちを逃がしたことへの感謝の表れでした。クリスマスの朝、仕立て屋が目覚めると、ほぼ完成した衣装が彼を待っていました。ただ、ボタンホールが一つだけ未完成で、それは仕立て屋がねずみたちへの思いやりを示した結果、ねずみたちもまた仕立て屋に対する深い感謝の気持ちを表現した象徴的な瞬間でした。

    この物語は、困難な状況の中でも互いに助け合うことの大切さを教えてくれます。仕立て屋とねずみたち、そしてシンプキンの間に生まれた絆は、予想外の形で互いを支え合うことができるというメッセージを伝えています。また、ポターの繊細で温かみのあるイラストは、この心温まる物語を一層引き立てています。

    『グロースターの仕立て屋』は、単なる子供向けの物語を超えた、全ての世代に対する普遍的なメッセージを持つ作品です。人と動物、そして心の絆を描いたこの物語は、読む人の心に深く響くことでしょう。ポターの作品世界には、人間社会の営みを反映した多くの教訓が込められており、それらは今日もなお多くの人々に愛され、読み継がれています。

    最後に、この作品が今後も長く多くの人々に読まれ、心に残る物語としてその価値を保ち続けることを願ってやみません。ベアトリクス・ポターが生み出した、小さな仕立て屋とねずみたちの大きな冒険は、私たちにとってかけがえのない宝物です。

  • 「自分が寝ている間に妖精が仕事をしてくれていたらいいのになあ」というお話です。ピーターラビットのシリーズでは珍しく、タイトルの「仕立て屋」は人間のことです。暖かなお話で、ネズミがしていることに意味もあって、読み返したい作品です。

    歌詞のような言葉が多く、シリーズの翻訳が難しいことが理解できます。

  • 「本書は、仕たて屋が縫いかけの上着を店において帰ったところ、驚いたことに朝にはそれが仕上げられていたという実話にもとづいて書かれたものです。後になって仕たて屋の弟子たちのしわざとわかったのですが、ポターはそれを小さい茶色のねずみたちがクリスマス・イブにしたことという設定にして、このお話をつくりました。1903年刊。

    人々がまだ、剣やかつらや、えりに花かざりがある長い上着を身につけた頃、グロースターの町に一人の仕たて屋が住んでいた。クリスマスの前の日、仕たて屋は1枚の上着を作りはじめた。1974初版の新装版。」

  • 実話に基づいた話だそうですが、間に合わないと思っていた上着とチョッキが完成して置いてあったことは、作者と読者にしか分からないことでした。

  • クリスマスのおはなし。かわいい。

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著者プロフィール

1866年イギリス・ロンドン生まれ。絵本作家。『ピーターラビットのおはなし』シリーズで知られる。

「2020年 『大人の塗り絵 POSTCARD BOOK ピーターラビットの絵本の世界編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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